MS Operative Theory
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サイコ・フレーム①
——異なる素材を一体化したサイコミュ兼構造材——
「サイコ・フレーム」とは、金属粒子サイズにまで小型化したサイコミュ・チップを無数に鋳込んだMS用フレーム———つまりサイコミュとMS用フレームを一体化させたハイブリッド・フレームである。
サイコ・フレームは、シャア・アズナブル率いるネオ・ジオンのニュータイプ研究機関で考案されたもので、アナハイム・エレクトロニクス社(AE)の素材協力のもと、U.C.0090,12頃に実用化されたと言われている。
これまでにも、公国製MSに採用されていたモノコック構造の様に、「鎧」である装甲と機体を支持する「骨格」たるフレームを一体化させる技術は存在したが、それは超硬スチール合金の剛性や靭性を利用したもので、まったく別の素材が一体化されているわけではなかった。
これに対してサイコ・フレームは、ニュータイプ用マン=マシン・インターフェイスであるサイコミュと、MS用フレーム素材と言う、異なる素材を融合させたフレーム構造である。
サイコ・フレームの利点は、フレーム自体にサイコミュとしての機能があるため、機体に搭載するサイコミュ・システムを大幅に小型化できることである。
また、実際にはサイコ・フレームだけでサイコミュとして機能することが確認されており、設計や目的によってはサイコミュ本体すら必要としなかった。さらに従来のフレームよりも軽量で、なおかつ強靭であるため、機体の軽量化とペイロードの拡大が可能となる。このほかにも、機体の追従性の向上や、認識力をはじめとするニュータイプ能力の拡大が容易になるほどの特性を持つ。
数々の特徴を持つサイコ・フレームだが、コストが高いためにコックピット周辺や関節部分にのみ用いられることが多い。コックピットの周囲の素材にサイコ・フレームを使用することで、パイロットとサイコミュの間でやり取りされる情報量が増加し、結果的に機体の制御やレスポンスが大幅に向上すると言われる。
この結果パイロットの思考がダイレクトに機体やサイコミュ制御兵器の挙動に反映され、更にパイロットの能力によってはミサイルに搭載された弾頭の種類を特定できるようなセンサー的な役目も果たしたという。
このような特性を持つサイコ・フレームは、U.C.0093の「シャアの反乱」に投入された数種のニュータイプ用MSに使用され、一般機をはるかに凌駕する性能を発揮し、サイコ・フレーム単体でのIフィールド形成やニュータイプ能力の拡大までもが観測された。
「シャアの反乱」以降、サイコ・フレームが一般化させることはなかったが、装甲やフレームと他の機器を融合させる発想は「フォーミュラ計画」で確立されたMCA(マルチ・コンストラクション・アーマー)構造へと受け継がれることになる。
補足事項
——サイコ・フレームを搭載した機体——
サイコ・フレームを初めて搭載した機体は、MSN-03(ヤクト・ドーガ)とされる。ヤクト・ドーガは、AMS-119(ギラ・ドーガ)と同じムーバブル・フレームを使用していたが、サイコ・フレームの採用によりNT専用機として完成。
ヤクト・ドーガで培われたサイコ・フレーム技術は、シャア・アズナブル専用機であるMSN-04(サザビー)に受け継がれたほか、シャアの指示でAEのフォン・ブラウン工場にもたらされ、アムロ・レイ大尉の専用機として開発されていたRX-93(νガンダム)にも使用されることとなった。
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