FAIRY TAIL 真魂の鼠
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序章 出会い
第4話 シンのハチャメチャ初クエスト!?
前書き
紺碧の海です!
今回はシンがクエストに挑戦!でも、なぜか最強チームの皆も着いて来て・・・そして、シンの驚くべき業が明らかに・・・!?
シン目線でいきたいと思います。
それでは、第4話・・・どうぞっ!
ミ「あら?もう仕事始めるの?」
依頼板と睨めっこをしてる俺にミラが声を掛けてきた。ギルドの魔道士は、この依頼板にある依頼を成功させて、依頼人から報酬を貰うそうだ。魔道士達はこれを「クエスト」って呼んでいるらしい。余談だが、この依頼板の前には妖精の尻尾の魔道士の一人、ナブ・ラサロがいつもウロウロしている。なぜかと言うと本人曰く、「自分にしか出来ない仕事を探している」らしい。なんじゃそりゃ?
ル「まだ加入して一週間も経っていないじゃない。もうちょっとギルドに慣れてからやったら?」
シ「ルーシィ、確かに俺は魔道士の“卵”だ。だけど、リンドウ村ではいろんな困難に立ち向かってきたんだぜ。」
ハ「例えば?」
シ「そうだなぁ・・・6年前には馬が暴走して村に突っ込んで来た馬車を素手で止めたり、4年前には火事が起きて、逃げ遅れたおばあちゃんと赤ちゃんを救出したり、2年前には川で溺れた子供を5人同時に助けたり・・・」
ル「あ、あんた・・かなりの幸運の持ち主ね・・・」
ハ「あい・・・」
そんな事がリンドウ村ではよく起こっていて、その度に俺がいろいろ活躍したせいか、リンドウ村では“戦士”って呼ばれてたけどな。
ル「その“戦士”がいなくなって大丈夫なの?」
シ「リンドウ村で生まれ育った子供は、約9割が“戦士”と呼ばれる存在になるんだ。また新たな“戦士”がリンドウ村を救ってくれるさ。」
ミ「リンドウ村ってすごいのね♪」
ル「いろんな意味でね・・・」
その“戦士”の名に懸けて、簡単な依頼の一つくらいはそろそろやっておかなくちゃならないと思ったんだ。でも、いったいどんな依頼からやればいいんだ?依頼板には、森の魔物退治、深海の怪物退治、洞窟に隠れ住む窃盗団退治などがある。
ル「これ、ほとんど上級者レベルね・・・」
・・俺、運が悪いな・・・
ナ「何してんだお前等?」
俺とルーシィとハッピーが依頼板を睨んでいると、ナツと上半身裸のグレイとエルザとシャルルを抱いたウェンディが来た。
ミ「グレイ、服は?」
グ「ぬぉあっ!?」
・・何で気づかないんだ・・・?
ハ「シンがどの依頼に行こうか迷ってたんだよ。」
ウェ「もう依頼に行くんですかぁっ!?」
シャ「あんた、『猪突猛進男』ね。」
シャルルの毒舌はあえてスルーしておこう。
ハ「それで、どんな依頼にしたらいいか迷っていたんだ。」
エ「なるほどな。」
すると、なぜかエルザが依頼板の前に立ち、しばらく依頼板と睨めっこをしてたけど、スッと手が1枚の依頼用紙を依頼板から取った。エルザは取った依頼用紙を俺に差し出すと、
エ「こんなのはどうだ?」
俺は差し出された依頼用紙を受け取る。依頼内容は『盗賊団退治 20万J』という依頼だった。
グ「おいエルザ、こんな依頼シン1人には難しいと思うぜ。」
服を着たグレイが言うと、エルザは驚いた表情でグレイを振り返る。
エ「何を言っているんだ?私はシンに1人で行けとは一言も言ってないぞ。」
エ以外「え・・・?」
たぶん、この場にいた全員が同じ事を思っただろうな・・・
きょとーん、とした顔を浮かべているルーシィ達を見て、エルザは面白可笑しそうに小さく笑うと、
エ「私達も、シンについて行くぞ。」
エ以外「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
皆開いた口が塞がらない。エルザは俺に向き直ると、
エ「私達はお前を手助けする為について行くだけだ。盗賊団はお前1人で倒すんだぞ。もちろん、報酬の20万Jもお前のだ。」
シ「あ、あぁ・・・」
俺はエルザを見て思った。
母さんと似てる・・・
一度決めた事は止めない・・・俺の母さんの悪い癖と同じだ。
エ「さて、早速準備をするぞ。」
ナ「まだOK出してねぇぞっ!」
そんなこんなで、俺の初クエストはハチャメチャ初クエストへと変わった。
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盗賊団がいる、オニバスという街まで列車でたったの1時間!こんなに列車に乗る時間が短いなんて18年間生きてきて初めてだっ!たったの1時間しか乗っていないのに、ナツはグロッキー状態になっていた。
ル「ホント、あんたって・・世間知らずよね・・・」
シ「都会っ子とは真逆の生活を送ってきたんでね。それにしても・・・」
俺は前を歩いているエルザの荷物に目をやる。大量のスーツケースが荷車1台に山のように積まれている。いくらなんでも多くねぇか・・・?
エ「荷物は多い方が後々役に立つんだぞ。」
でもこの量はないだろっ!いったい何が入ってるんだ・・・?そんな事を考えているうちに、いつの間にか目的地の盗賊団の隠れ家に着いていた。隠れ家はすでに廃墟となった小さな建物。拳を1発打ち込めば簡単に崩れてしまうほどボロボロだ。
ウェ「シンさんって、ちょっとズレてませんか・・・?」
シャ「『ちょっと』じゃなくて、『かなり』ズレてるわよ。」
ウェンディとシャルル、本人が目の前にいる事を忘れてねぇか?それに、俺よりめちゃくちゃズレてる奴がすでに目の前に2人いるじゃねぇか。
ナ「おぉーーーっ!見ろよこの建物!殴っただけで簡単にぶっ壊れるぞっ!」
グ「建物ぶっ壊して閉じ込めた方が早そうだな。」
ル「ダメーーーーーッ!」
ナツとグレイが殴ったり蹴ったりしてすでに建物を破壊し始めていた。
盗1「何だ何だっ!?隠れ家がどんどん崩れてくぞっ!」
盗2「逃げろぉぉぉぉぉっ!」
隠れ家から30人程の盗賊団が飛び出してきた。
盗3「てめぇ等が隠れ家を壊してたのかぁ?」
ナ「他にどこのどいつがやると思うんだよ?」
グ「俺たちはこの隠れ家にいる盗賊団を退治しに来ただけだ。」
右手に炎を纏ったナツと、両手を構えて冷気を放出させているグレイが盗賊団に挑発する。
盗4「俺達を舐めんじゃねぇぞっ!やれぇっ!」
盗全「おらぁーーーーーーっ!!!」
盗賊団が一斉に魔法剣や槍などの武器を手に襲い掛かってきた。
グ「上等だっ!」
ナ「掛かって来いやぁーーーーーっ!」
エ「待てっ!」
ナ&グ「うぉっ!?」
襲い掛かってくる盗賊団に向かって走り出そうとしたナツとグレイの首根っこをエルザが摑む。
ナ「何すんだよエルザ!」
エ「もう忘れたのかナツ。私達は今回、シンの手助けの為について来ただけだ。この盗賊団は全員シンが倒すんだぞ。」
シ「はぁぁっ!?」
おいおいおいーーーっ!何度も言うが俺は魔道士の“卵”だぞっ!?そんな俺が30人もいる敵を相手に戦えるわけねェだろっ!?
ル「誰でもいいから早く倒しなさいよぉーーーーーっ!」
ウェ「ひえっーーーっ!」
ルーシィとウェンディは怖がってるし、ナツとグレイはエルザに摑まって動ける状態じゃないし、エルザもただ俺を見てるだけだし、ハッピーとシャルルは言っちゃ悪いけど戦力には全くならないし・・・だぁーーーーーっ!俺がやるしかないのかよっ!でも、皆の前で“子”の姿になるわけにはいかないし・・・仕方ねぇっ!俺は盗賊団と向かい討つと、
シ「どらアァァっ!」
盗1「ぬぉあああああっ!」
盗3「うぎゃあああああっ!」
盗5「ひょおおおおおっ!」
右手を地面に着いて逆立ちをし、両足だけを大きく回転させ盗賊団を数名蹴り上げる。何人かはそのまま気絶した。盗賊団はもちろん、ナツ達も目を見開いて驚いている。なぜかエルザは小さく笑っているが・・・
盗2「な、何だ、今の・・・?」
盗4「か、格闘技の一種か・・・?」
盗6「あ・・あんな格闘技・・・見た事も、聞いた事もねーよ・・・」
見た事も聞いた事もないのは当然だ。俺は体勢を元に戻し、盗賊団を睨み付けると、
シ「格闘技でも何でもねェよ。俺自身が生み出した蹴り業だ。もちろん、これだけじゃねェからなっ!」
続いて俺はさっきとは違って両手を地面に着くとまた逆立ちをする。が、足が上に上がったのと同時に手を弾くように地面から離す。
シ「だりゃアアアっ!」
盗7「ごあああああああああっ!」
盗2「ぎゃああああああああああっ!」
盗9「ぐおおおおおっ!」
俺は海老ぞりの状態のまま宙を飛び、両足で盗賊団を2人程蹴り上げる。たぶん、これがテレビ番組だったら『よい子は真似をしないでね』という文字が画面の左端とかに表示されると思う。もちろん、俺が生み出した業は蹴り業だけじゃない。
シ「てぇやアアアっ!」
盗8「ふごっ!ふぎゃあああああっ!」
盗4「ぐぇっ!ぐぉわぁっ!」
盗6「うぇっ!にょぇああああっ!」
盗10「うごっ!ぬおおおおぁあっ!」
今度は敵の鳩尾に拳を1発食らわせると、腹より上が前に突き出る。その前に突き出た敵の顔面を殴り飛ばす。俺が生み出した殴り業だ。
いまんとこ俺が生み出した業はこの3つだ。この3つの業だけで10人程気絶している。でも、まだ20人ぐらいいる。面倒だな・・・仕方ねェ。俺はズボンのポケットから五色腕輪を取り出す。初めて使うから上手く使いこなせるか分からねェけど・・・!やってみる価値はあるっ!
俺は赤い腕輪を紐から外し右腕に着ける。すると、ナツみたいに炎が両手を纏った。す、すげぇ~!
シ「おらァアっ!」
盗11「ひゃああああああっ!」
盗12「うげぇぇぇぇぇっ!」
盗13「今度は炎ォォああぁぁあああっ!」
試しに、力任せに右拳を振るうと、思ってた以上の力を発揮し、3人同時に炎で吹っ飛ばした。
俺は感激しながらも炎を纏った拳で思うがままに相手を殴り飛ばす。
シ「こりゃ面しれェやァっ!」
俺はすっかりこの五色腕輪を気に入った。
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盗賊団全員倒したのに掛かった時間はおよそ10分程。クエストってこんなに簡単なんだな。俺は右腕から赤い腕輪を外すと、紐に通してズボンのポケットの入れる。そして未だに開いた口が塞がっていないナツ、ハッピー、ルーシィ、グレイ、ウェンディ、シャルルと、なぜか俺を見て小さく笑っているエルザに向かって、
シ「クエスト完了!で、いいんだよな?」
エ「あぁ。」
エルザが頷いたのとほぼ同時に、ナツが俺の胸倉を摑むと、
ナ「おいシン!お前本当に魔道士の“卵”なのかっ!?何だよあの身体能力はよぉっ!!?」
シ「うあああああ・・・」
ウェ「ナ、ナツさん、揺らしすぎですよ~。」
ナツは俺の胸倉を掴んだまま上下左右に激しく揺する。目ェ~がぁ~まぁ~わぁ~るぅ~・・・
ル「あのヤバ過ぎる蹴り業と殴り業は何なのっ!?」
ハ「すごかったよぉ~!」
グ「お、お前・・本当に、人間、だよな・・・?」
シ「にぃ~ん~げぇ~ん~でぇ~すぅ~・・・」
俺はナツに揺すられながらも何とか答える。本当は「ねぇ~ずぅ~みぃ~でぇ~もぉ~あぁ~るぅ~・・・」って言いたかったけど、ぐっと我慢した。
ウェ「でも、ちゃんと魔法も使いこなせてましたよね。」
シャ「なかなかやるじゃないの。ていうか、いい加減揺らすの止めなさいよ。」
ナ「あ、悪ィ。」
シ「う・・うぇ・・・」
き、気持ち・・悪ィ・・・今の俺は、ナツが乗り物酔いをした時と同じ状態、だ・・うぉぉ・・・
エ「まぁ何はともあれ、依頼は完了したんだ。依頼主の所へ行って報告しに行こう。」
エルザを先頭に、俺達は依頼主の所へ依頼成功の報告と、報酬を貰いに歩き出した。今日はものすごく疲れたぜ。
後書き
第4話終了ですっ!
シンは並外れた身体能力の持ち主なんです。※シンの蹴り業と殴り業は私が考えたものなので、決して真似しないで下さい!
次回は遂に・・・遂に遂に遂に!シンの姿が明かされるっ!?
見逃したらいけないよっ!
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