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真・恋姫†無双 リウイ戦記

作者:ツカ
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九話

連合軍は汜水関で勝利し、虎牢関に兵を進めた。
しかし、袁術軍の被害は多く、先鋒を辞退した。
袁術に代わり董卓は先鋒を命じられ、虎牢関に向かった。

曹操は事態を重く見、自ら軍を纏め、虎牢関で連合を食い止めようとした。
  
   虎牢関 見張り櫓

「春蘭、桂花。もう後が無いわ。ここで連中を止めるわ。秋蘭達の為にも、私はこんなところで終われないの」
「はい」
「承知しました」

   董卓軍本陣
曹の旗を見た、一同は曹操の出陣を知り、士気を高めた。
「ついに、曹操のお出ましや、腕がなるで」
「私の力を試すには絶好の機会だ」
「貴女達、はしゃぎ過ぎて死なない様にしなさい」
「相変わらず堅い女ねー、いいじゃない少し位」
「貴女達の場合は度を越してるのよ」
ファーミシルスの苦言を聞き流した三人に月も声をかけた。
「皆さん、頑張ってくれるのは嬉しいですけど、無茶はしないでくださいね」
「わかっとる、月を泣かすよう事はせえへん」
「月様の為にも、むざむざ兵を殺させたりいたしません」
「じゃあ、虎牢関を落しましょう。皆さん頑張って下さい」   
「「「「「「「おおっー」」」」」」」

董卓の命の下、兵士たちが虎牢関に攻撃を始めた。
まず最初は敵を城外に出す為、挑発したが乗ってこなかった。
「だめか、さすがに曹操の出陣だけあるな」
「そうね。でも、相手方の戦意もわかったわ。この様子じゃ今仕掛ければ大怪我するわ。時間をかけてゆっくりやりましょう」
「月、袁紹らを言いくるめて、敵の優勢を語り、今の状況での自軍の不利を語れ、この案が受け入れられなければこちらは勝手に陣を引くと伝えろ」
「はい!わかりました。そういうの苦手なんですけどやってみます」

その後、月の提案を袁紹は許し、虎牢関を包囲したまま滞陣した

反曹操連合は曹操の自滅を待った。

「…連中。このままこちら兵糧が無くなるのを待ってるのね」
「華琳さま、うって出ましょう」
「馬鹿!それじゃあいつらの思う壺だわ」
「じゃあ、他に方法があるのか」
「それは…」

「春蘭、桂花。うって出るわ、このまま何もせずに終わるつもりは無いわ。天運を賭けて出陣するわ」
「はい」
「…御意」

そうして、曹操軍十四万は虎牢関から出陣した。

「まずは、袁紹、袁術を狙うわ。全軍進め」
「「「「「「「「おおっー」」」」」」」」
曹操の進軍に袁紹、袁術は大敗し、袁紹は最も有力な将、顔良を失い。袁術も多くの兵を失った。

董卓軍はそれをみて、曹操軍の背後を取り襲いかかった。

「いまです、皆さん。突撃です」
「「「「「おおっー」」」」」

背後からの強襲で曹操軍の兵士達は怯んだ。そこに、カーリアン、恋、エヴリーヌの無謀に見える程の果敢な突撃と霞、楼、ペテレーネの絶妙な用兵術。それら全てを統括するファーミシルス、リウイ、詠の統率力の前に寄せ集めだった曹操軍の士気は壊滅的に下がった。
その状況で新参の将兵の中には逃げ出す者も出て来た。

「逃げるな、貴様ら。それでも曹操軍の兵士か」
「俺達は元々、皇帝陛下の兵士だ。曹操がどうなろうと知った事か」
「貴様ら、華琳様を侮辱する気か」
「侮辱して何が悪い、俺達をこんな目に合わせて」
「っ成敗してくれる」
「ここに居たって、仲間割れか。敗軍とは見苦しいな」
「貴様、だれだ?」
「董卓軍の将、華雄。おい、そこの者達、逃がしてやるからさっさと失せろ」
楼は逃げ出そうとしていた者にそう言った後、なだれ込む様に兵士達が消えていった
その光景を見た楼は冷笑した。
「無様だな、夏候惇。私は他の陣を担当しなければならない。ではな」
「貴様、逃げる気か。私と戦え」
「生憎、貴様と一騎打ちするほど、私は暇ではない。好きなように喚け、貴様を見ていると昔の私を見ている様で虫唾が走る」
そう言って楼は去り、夏候惇は惨めさと己の無力に膝を折った。
しばらくして、夏候惇を討ち取ったとの報があがった。
逃げ出した者は元は曹操が新規に配下にした禁軍の将で曹操の為に戦う気など毛頭無かった。リウイは逃げるものは追わないと曹操軍に言いふらし、動揺している所に容赦なく攻撃していった。
そうして曹操軍は崩れていった。

曹操軍の崩壊は拡大し、夏候惇が討ち取られたとの報を聞き、遂に曹操の本陣にまで逃げ出す者が出始め、曹操軍は完全に崩壊した。

「ここまでね、私とした事が最後に兵達の選抜を誤ったわ」
「いえ、それは軍師たる私の責です」
そういって旬彧は曹操を慰めたが曹操はかぶりをふった。
「もういいわ、私は失敗した。あの時、上洛さえしなければよかったのだから」

そう言って曹操は自害した、その傍で旬彧の亡骸も発見された。

董卓軍は二倍の曹操軍に勝利し、その勇名を大陸に知らしめた。

 
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