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MS Operative Theory

作者:ユリス
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サブ・フライト・システム(SFS)②

——二世代以降のSFSの優位性——

 一年戦争時のド・ダイYSとMSの組み合わせは、航空機の「攻撃機」的な側面を強く残していた。しかし、グリプス戦役期に普及した新型SFS(仮に第二世代SFSと呼ぶ)は、高い基本性能を有し、MSを乗せた状態でも運動性の低下が抑えられるとともに、SFSに搭乗したMS同士の空中戦も可能な「戦闘機」的な兵器として完成に至った。

さらにMSからSFSを操縦可能な点も、第二世代SFSの特徴であった。これは、特別な設定変更することなくMSとSFSを同時に操縦可能なことを示す。一例として、MSとSFSのカメラをリンクさせることで、全天周囲モニターの下面がSFSでふさがれることなく、360度の視界を確保できる点などが挙げられる。

 また、SFSは可変機(TMS⁄TMA)などに比べ、ペイロードに秀でている。これは、機体構造の違いなどによるものだが、可変機はMA形態時にムーバブル・フレームの大半がデッドウェイトになることに対し、セミ・モノコック構造のSFSの方が容積に余裕を持つためである。

更にSFSはMS側からコントロールできる機体もあるため、MSがSFSから降りた場合などでも、周囲を旋回させ、必要になった際に呼び戻すことができるなど柔軟な運用が可能な点もSFSの利点であると考えられている。



——SFSに近い特性を持つMSサポートシステム——

 分類的にはSFSの範疇に入らないが、SFSに近い特性を持つ機体もいくつか存在している。それらはSFSを意識せずに開発されたMS用の増加パーツや、後からSFS的な運用が行われた機体、または特定領域でのみMSの行動半径を広げるものなどである。以下にその一例を紹介する。


●Gファイター

 RX-78(ガンダム)の総合性能を向上させる支援機。機体上部にガンダムを乗せ、SFS的に運用されたこともあった。


●FGX-05D(Gディフェンサー)

 RX-178(ガンダムMk-Ⅱ)専用の総合性能向上支援機。ドッキングすることでRX-178+FXA-05D(スーパーガンダム)となる。攻撃力を向上させるだけでなく、ガンダムMk-Ⅱの機動性や行動性も拡大した。


●メガ・バズーカ・ランチャー

 NSN-100(百式)用のメガ・ランチャー。本体に推進機が装備されており、短距離であれば百式の移動を補助できた。


●ギャプラン用ブースター・ユニット

 ORX-005(ギャプラン)専用ブースター。単体では行動半径の低いギャプランに、長大な航続距離を与えることを目的に開発させた。


●ガーベラ・テトラ用シュツルム・ブースター

 AGX-04(ガーベラ・テトラ)用のブースター・ユニット。専用装備だが、宇宙用SFSに相当すると考えられる。


●α・アジール用ストゥルム・スラスター・ユニット

 NZ-333(α(アルパ)・アジール)専用ブースター。出撃後の初期加速に使用した後で投棄する、使い捨て装備であった。


●ルッグン

 公国軍の偵察機。推進力が高く、短距離であれば第1種装備のザクⅡ1機を懸架したままで飛行可能であった。


●MS揚陸用ホバークラフト

 公国軍のMS揚陸艦。潜水船などからMSを敵前揚陸させるための水上艦で、MS1機を搭載可能だった。





補足事項

——可変機のSFS的な運用——

 上記で紹介したように、SFS以外のユニットや機体がSFS的に運用されたケースは数多く報告されている。しかし、可変機のSFS的運用はほとんど行われていない。

いくつか考えられる理由の一つとして、可変機のペイロード不足が挙げられる。多くの可変機で採用されているムーバブル・フレームという構造は、変形の高速化や機体高度の向上には有効であった。

しかし内部の大半がフレームで占められてしまうため、ペイロードを大きくしようとすると機体の大型化を招くという欠点もあった。

このためムーバブル・フレーム式可変機には、SFSの様なペイロードを待たせることは困難であった。

 
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