MS Operative Theory
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ガンダム開発計画①
前書き
コウとリュカニンジンが苦手
——MSの在り方を模索した、新世代のMS群——
U.C.0079に勃発した一年戦争で正体を明らかにしたMSは、これまでの兵器体系と戦術論を覆した、まったく新しいカテゴリの兵器であった。
既存の兵器システムを一挙に博物館送りにしたミノフスキー粒子の諸特性に対応し、それまで洗浄の王であった宇宙艦艇を無慈悲に葬り去ったMSは、難なく「最強兵器」の座へと上り詰めた。自慢の運動性や、一撃離脱戦法で肉迫する戦闘機も、大口径砲を振り回す戦車もMSに対抗しうる兵器ではなく、一年戦争が終結した現在においてなおMSは依然として「最強」の王座を降りる気配はない。
初の実戦用MSとなったMS-05(ザクⅠ)の時点で、MSの本分は白兵⁄格闘戦にあるとされていた。ミノフスキー粒子散布下の有視界戦闘を前提に開発された兵器なのだから当然の結論であるが、連邦軍がその結論に辿り着くのは容易ではなかった。
これは連邦軍の「大艦巨砲主義」の影響とされることが一般的で、確かにその通りなのだが、MSの在り方の模索は決して無駄な行為とはいえない。
歴史を振り返ってみれば、陸戦の王であった戦車も最初は塹壕突破兵器であったし、最強の空戦兵器だった戦闘機も次第に空中戦の機会が減り、対地攻撃も兼ねる戦闘攻撃機やマルチロール・ファイターへと進化していったように、兵器のスタイルは変わっていくのが常であるからだ。
だが、連邦軍が「V作戦」で開発した「最強のMS」RX-78(ガンダム)はザク・シリーズと同じ格闘兵器であり、連邦軍の採用した量産MSがRX-77(ガンキャノン)系ではなくガンダムの系統に属するRGM-79(ジム)であったことを考えれば、この時点ではMS=格闘兵器という認識は正しい。
しかし、MSは誕生して10年にも満たない兵器であるため、今後の技術進歩によって、この時とは全く異なる兵器形態へと変異する可能性もあった。
MSはまだまだ進化の余地を残した兵器なのだ。そして、次世代MSの基礎技術確立と最強兵器への追及を視野に入れた新MS開発プランが実行される。U.C.0081,10,13の連邦議会で可決・承認された「連邦軍再建計画」の一環として、10,20に開始された「ガンダム開発計画」である。
最強が一つのテーマである「ガンダム開発計画」はその名の通り「最強」のRX-78(ガンダム)の再来を目指した計画で、連邦・公国の区別なく様々な技術の融合した、新世代のガンダム開発及び技術確立が行われた。その中核となるのが、地球圏最大の複合企業アナハイム・エレクトロニクス社(以下AE)である。
AE は連邦軍の仕様要所に従って、3種類(4種類とも言われる)のガンダム・タイプMSを開発している。それは、既存のMSを踏襲しながらも、新たな技術体系と運用理論に基づく、異形の新世代MSである。MS新時代への扉が今、開かれようとしている。
補足事項
——ガンダム開発計画への参加企業——
■ボゥワ社
Bowa=ボゥワ社は、一年戦争以前から連邦軍向けメガ粒子砲の製作に従事してきた。ビーム兵器開発企業である。
この実績を買われて「V作戦」に参画したボゥワ社は、MS携行用メガ粒子砲ビーム・ライフルの開発を担当し、ビーム兵器の小型化の中核要素であるエネルギーCAPの開発に貢献。戦後にはAEグループとの連携を強めており、「ガンダム開発計画」においても、試作1号機用ビーム・ライフル=BAUVA・XBR-M-82系列の開発、製造を委任されている。
■ハービック社
航空・航宙機メーカーとして、戦闘機セイバー・フィッシュ等の開発・製造に携わっていたハービック社は、「V作戦」のRX系MS用コア・ファイターFF-X7の開発を担当。
一年戦争後のU.C.0082,06に、AEグループに参入し、AEハービックとして再編。「V作戦」での功績が認められたハービックは、「ガンダム開発計画」でも試作1号機用コア・ファイターFF-XⅡ(Fb) コア・ファイターⅡの開発を行っている。
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