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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MA(モビルアーマー)①

 
前書き
巨大こそ至高!
偉い人にはそれがわからんのですよ。 

 
——MSと対極の道を歩んだ機動兵器たち——

 「大きく、重いものほど強い」のは真実である。これはほとんどの近代的格闘技が体重(クラス)別に行われていることや、動物が自分より大きな相手に本能的な恐怖を感じることなどからも理解できよう。これは同じカテゴリーに属する兵器においても同じことが言える。30tの軽戦車と60tの主力戦車、排水量1万数千tの巡洋艦と5万tの戦艦が戦えば、より「重い」後者が勝利する。

 なぜ、大きく重いほうが強いのか?それは、大きい、重いということは、大型で威力の高い武器や厚い装甲、大出力のパワーユニットを装備可能なことを意味するためである。もっとも、兵器は重いから強いというよりも、強くしたら大型化・大重量化したというほうが正しい。

宇宙世紀においても、MSが大型化・大重量化したことはあったが、各時代の究極形と呼ばれるマシンについては、初期のMSと比べても極端に大重量化した例は少ない。

 だがその一方で、最初から大きさや重量などを考慮せず、「とにかく強い」というコンセプトで開発された兵器群が存在した。それが、MSに続くジオン公国が開発した非人間型機動兵器「モビルアーマー(MOBILE A.R.M.O.U.R.=Mobile All Range Maneuverability Offence Utility Re-inforcement=全領域汎用支援火器。以下MA)」である。

MAの歴史を遡ると、公国軍の次期主力汎用戦術兵器トライアルで、ZEONIC(ジオニック)社のZI-XA3(クラブマン)と競合して敗れたMIP(エムイーペー)社のMIP-X1に辿り着く。

MIP-X1は宇宙戦闘機と宇宙用作業ポッドのコンセプトを融合させた機体で、汎用性こそZI-XA3に劣ったが、機動性と固定兵装用プラットホームとしての性能で勝り、その総合性能は従来の宇宙戦闘機を凌駕していた。

そこでMIP社の案にAMBAC(アンバック)システムを搭載して運動性能を向上させるとともに、より攻撃力を重視した新機動兵器モビルアーマーの開発がスタートした。

 MAに求められた性能は、MSを上回る攻撃力を持つ兵器(メガ粒子砲)の搭載と高機動力であった。

最初からMSの様な人間型のフォルムは求められていなかったため、機体構造は極限まで簡素化(胴体と腕部のみに)するとともに、従来型のメガ粒子砲とそれを稼働させるための大出力ジェネレーターが搭載された。

更に大推力を得るために大型スラスターを採用し、高い機動性を獲得した。こうした設計は機体の大型を招くとともに、被弾率の上昇に伴う重装甲化など、要求が新たな要求を生み出すという悪循環の結果、機体は大型化・大重量化し、全長が40m超、全備重量200t以上のMA-04X(ザクレロ)やMA-05(ビグロ)といった超大型の機体が生み出された。

しかし、その性能はMSはもとより戦艦にすら一撃で破壊するほどで、その後も様々な装備が盛り込まれ、MAはさらなる「怪物」として進化していくこととなる。





補足事項

——MAを開発・製造したメーカーと組織——

MSにZEONIC社やアナハイム・エレクトロニクス社(AE)、サナリィ(S.N.R.I.)の様な開発メーカーや組織があったように、MAにも代表的なメーカーが存在する。

しかし、MAを専門とするメーカーはなく、MS開発メーカーが兼任している場合が多い。

■MIP社

 MA開発に先鞭をついた公国系兵器メーカー。MAの始祖であるMIP-X1を開発後、AMBACを取り入れたMA-05(ビグロ)を開発。機動兵器へのメガ粒子砲および大出力ジェネレーター搭載技術に秀で、水陸両用MSであるMSM­07(ズゴック)も開発している。


■アナハイム・エレクトロニクス社(AE)

 MS業界のトップであるAEも、わずかだがMAを開発している。その代表がRX-78GP03(ガンダム試作3号機[デンドロビウム])である。また、「逆襲のシャア」でネオ・ジオン軍が使用したNZ-333(a・アジール)もAEが製造している。


■ニュータイプ研究所

 公国のフラナガン機関がMAN-08(エルメス)の開発に携わったように、一年戦争後、連邦系のニュータイプ研究所でもMRX-009(サイコガンダム)やORX-005(ギャプラン)などの様なニュータイプ・強化人間用のMAが開発されている。サイコミュ・システムを搭載した機体も多く、実験機という意味合いも強かった。
 
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