MS Operative Theory
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MA(モビルアーマー)②
前書き
あのMAは、良い物だ…
——統一規格が存在しない局地戦用ハイエンド機——
MAの多くはMA-05(ビグロ)やMA-08(ビグ・ザム)などに見られるように、胴体と一対のAMBAC(アンバック)システムから構成されたシンプルな機体構造を持つ。
確かにそのスタイルは、MAの代表的なパーツは一だが、中にはAMBACを持たないタイプや、「腕」以外に「脚」が付いている機体も開発されており、MSの様に統一された規格を持たない。これはMAが統一された設計系譜なしに、同時多発的に開発された機体であることに因っている。
このため、MAとは定型のない、火力重視タイプの機動兵器の総称と言われる場合もある。
——MSとMAの相違点——
MSとMAは異なる目的で開発された兵器であるため、それぞれの性能や特性、運用方法も異なっている。兵器の性能の決め手となるものは、攻撃力・防御力・機動力の3要素だが、これらはMSに比べMAのほうが優れている。これは、前述のとおりMAが大型———————すなわち威力の高い火器や重厚な装甲、高推力スラスターを搭載しており、MSを上回るスペックを持っているためである。
特に大火力と大推力を組み合わせた一撃離脱戦法や、絶大な防御力で敵の攻撃を無効化しながら、高火力兵装で敵部隊を駆逐する姿を見れば、MA最強説を唱えたくなるのも当然である。これに対しMSがMAを上回るのは至近距離での格闘戦程度だが、MAが主力兵器の座をMSから奪うことはできなかった。これは、MAが行う高G機動に耐えられるパイロットが少なかったことや、開発・生産にコストがかかりすぎること、そして何よりもMSのような汎用性や全領域運用能力がなかったことが原因とされる。
また、サブ・フライト・システム(SFS)やメガ・ランチャー、T(可変)MSなどの出現によってMSでもMA的な運用が行えるようになったこともMAが普及しなかった一因であった。
①攻撃力
多くのMAは1万kWを超す出力のジェネレーターによって発射される大型メガ粒子砲や、対艦攻撃も可能な多連装ミサイル・ランチャーなどを装備し、攻撃力でMSを大きく上回る。また、MAの大質量と加速力による格闘攻撃(クローや体当たり)も、(MSの格闘攻撃力とは質が異なるが)強力であることが多い。
②防御力
大型機ゆえに被弾率が高くなる傾向にあるが、MSよりも強固な装甲を施されているため、防御力もMSに勝っている。また、大出力ジェネレーターの搭載により、メガ粒子ビームに対して絶対的な防御性能を発揮するIフィールド発生装置を搭載している機体も存在し、総合的な防御力はMSと一線を画している。
③機動性
ここでいう機動性とは、巡航能力や作戦展開能力、または単純に推進力を指す。MAは、最低でも100t以上の質量をもつが、それに充分な機動性を与える推進力をも併せ持っており、その加速力はビグロなどの初期型のMAでも10Gに達していた。MSの中にもMA級のスラスター推力を持つ機体も存在するが、TMSのとうな機体でない限り、推進剤量などの問題でMA級の加速を維持できない。
④運動性
MAにもMSと同様にAMBAC(アンバック)システムとアポジ・モーターが設置しているが、本体の質量が大きいため、急激な旋回を行うことは困難である。中にはビグロのように180度の旋回を1.3秒で行う機体もあるが、これは例外と考えられる。また、MAはその大推力を生かして相対速度を大きくすることで、敵弾にあたりにくい状況を作り出せるが、その巨体ゆえに直接的な回避性能は高くない。
⑤汎用性
MAは局地戦用機の一種であり、一部の機体を除いて地上での行動が不可能なほか、マニピュレーターを持たないために装備の換装や、工業作業もできず、汎用性はほとんどない。これに対して、ほとんどのMSは、最初から汎用性を追求して作られているため、宇宙・地上を問わず運用が可能である。また、兵装の交換も自由で、様々な状況や作戦に対応できる柔軟性を持つ。
⑥ペイロード
ペイロードとは「最大積載量」を意味するが、宇宙精機では機体の容積を指す場合もある。試作・実験機としての性格が強いMAは、あらゆる曽比も搭載するために機体(ペイロード)が大きくなる傾向がある。これに対し、MSはマウント・ラッチや「手」に兵装などを装備できるものの、運用艦艇のサイズの都合上、機体を大きくできないため、MAと比べてペイロードは小さい。
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