バカとテストと召喚獣 ~失った少年~
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第1章 僕と文月学園。
十二時間目 とある誰かのせいで......!
前書き
さて、これでため込んだ分は終了です。
本当は二巻部分もあるのですが、そっちはかなり書き直ししなければいけないので、投稿するまで結構時間かかっちゃいます。
すみません!!
「では、最後の勝負、日本史を行います。参加者の霧島さんと坂本君は視聴覚室に向かってください」
戻ってきた高橋先生がクラス代表の2人に声をかける。
「......はい」
短い返事をして、霧島さんが教室から出ていく。
「じゃ、行ってくるか」
「システムデスクよろしく!」
「いってらっしゃい。坂本くん」
「ああ」
僕と姫路さんで声をかけ、雄二を送り出す。
これで決着。泣こうが笑おうが、戦争は終結する。
「皆さんはここでモニターを見ていてください」
高橋先生が機械を操作し、壁のモニターに視聴覚室の様子を出す。
『では、問題を配ります。制限時間は50分。満点は100点です』
画面の向こうで日本史担当の飯田先生がテスト用紙を裏返して置く。
『不正行為は即失格となります。いいですね?』
『......はい』
『わかっているさ』
『では、始めてください』
2人の手によって、今、問題用紙が表にされた。
「吉井君、いよいよですね......!」
「そうだね。いよいよだね」
姫路さんが明久に話しかける。
「これで、もしあの問題がなかったら坂本君は......」
「集中力や注意力で劣る以上、延長戦で負けるだろうね。でも」
「はい。もし出ていたら」
「うん」
もし出ていたら、僕らの勝ち。
もし出てなかったら、僕らの負け。
わかりやすくていいや。
誰もが固唾を飲み込んで見守る中、ディスプレイに問題が映し出される。
出ているか。出ていないのか。
次々と小学生レベルの問題がディスプレイの中で出る。
( )年 大化の改新
「「あ......!」」
出て、る......!
「よ、吉井君っ」
「うん」
「これで私たちっ......!」
「うん!これで僕らのちゃぶ台が」
『システムデスクに!』
ほぼ全員そろったFクラスの声。
「最下層に位置した僕らの歴史的な勝利だ!」
『うぉぉぉぉっ!』
教室を揺るがす歓喜の声。
《日本史勝負 限定テスト 100点満点》
《Aクラス 霧島翔子 97点》
vs
《Fクラス 坂本雄二 53点》
顎が外れかけた。
―☆―☆―☆―
「2対2で引き分けです。延長戦をやるか、和平にするか各代表、決めてください」
最後の最後で雄二が負けてしまったせいで、延長戦。
でも、明久、雄二、僕は戦死扱いで出れないし、ルールによりムッツリーニは保健体育で勝負ができないという絶体絶命状態。
「......雄二たちで決めていい」
霧島さんの声。
「わかった」
雄二が力なく言う。
雄二があんな自信満々に言うから小学生レベルなら100点取れると思ってたのにこの阿呆がぁ!
(明久)
(何?)
小声で明久を呼ぶ。
(これでもし負けたら異端審問会に嘘言って雄二を処刑しようか)
(good アイディア。そうしようか)
「霜原、いるか?」
「.....何?」
雄二が霜原さんに話しかける。
「一騎打ちに出て欲しい」
「.....やだ」
「アイス1本」
「......だめ」
「アイス3本」
「.....もう一声」
「アイス5本」
「.....わかった」
霜原さん買収成功。
確かに霜原さんの数学の点数はすごい。
「姫路、行けるか?」
「あ、はいっ大丈夫です」
これで2人。あと3人はどうするんだろう。
向こうは全員優秀。
こっちは少数精鋭。
さてどうするんだろうか。
「俺が行くぞ、坂本」
志願してくれたのは、須川くん。
我らが異端審問会会長だ。
「じゃあ俺も行こう」
次に志願してくれたのは前崎くん。
ダークな趣味を持っている、異端審問会副会長だ。
「じゃ、俺は先方で行こう」
これは若松くん、かな?
いつもテニスのため学校に来れてないけど、今日はこれたらしい。
...出席日数大丈夫なのかな?
「じゃあ、お前ら頼んだぞ」
雄二の声。
「こっちは決まったぞ」
「.....わかった」
その後、霧島さんがメンバーを選ぶ。
「........決まった」
数十秒会議を開いて霧島さんが言う。
「では、延長戦ですね。先方、よろしくお願いします」
「Aクラス江口です。よろしくお願いします」
おっとりとした口調でAクラスの江口さんが言う。
こっちも若松くんが前に出る。
「Fクラス若松です。一騎打ちの前に、伝えたいことがあります」
ん?どうしたんだろう?
「霜原さん!もし、僕が勝ったら、つ、付き合ってください!」
『異端者発見!』
「.....やだ」
「まぁ、まて、みんな。処刑はあいつが負けてからにしよう」
『サーイエスサー』
振られた若松くんは目の端にキラっとしたものを浮かべて行った。
「教科はどうしますか?」
「英語でお願いします」
またもおっとりとした口調で言う江口さん。
「「《サモン》」」
二人がほぼ同時に、召喚する。
『Aクラス 江口 景子 vs 若松 直道
英語 412点 vs 31点 』
オワタ
若松くんが瞬殺されて戻ってくると同時に異端審問会が若松くんをどこかに連れて行った。
若松くんが星になったあと、須川くん、前崎くんが挑んだけど、速攻で潰され、0勝3敗。
「では0勝3敗でAクラスの勝利です」
ええ。わかってますよ。わかってます。
そして敗因も。
「「お前のせいじゃぁぁぁぁ!」」
明久とふたりで雄二を責める。
「アキ、織斑落ち着きなさい!特にアキ、あんただったら30点も取れないでしょうが!」
「それについては否定しない!」
「否定しようよ!」
明久の頭が少しかわいそうになってきた。
「それなら坂本くんを責めちゃダメです!」
「くっ!なぜ止めるんだ姫路さんに美波!このバカには喉笛を引き裂くという体罰が必要なのに!」
「それって体罰じゃなくて処刑です!」
「.....。」
それについては否定しない。
「......ところで約束」
「......!(カチャカチャカチャ!)」
さすがムッツリーニ。
僕も期待してるよ!
「わかっている。なんとでも言え」
潔い裕二の返事。
「......それじゃ―」
霧島さんが姫路さんに一瞬視線を送る。
「......雄二、私と付き合って」
言い放った。
はい?
「やっぱりな。お前、まだ諦めてなかったのか」
「......私はあきらめない。ずっと雄二のことが好き」
「い、い....」
そばにいた前崎くんが声を出す。
い?なんだろう?
「異端者発見」
『サカモト マスト ダーイ』
「ハッハァ!ここで会ったが100年目だ坂本ぉ!」
前崎くんがどこにしまってあったのか木刀を取り出して雄二に切りかかる。
「ちょ、おま、落ち着け!そして翔子、離してくれ――ぎゃぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁ!」
雄二が処刑されたあと、しばしの沈黙。
「さて、Fクラス諸君。お遊びの時間は終わりだ」
そう言って入ってきたのは、......鉄人?なんで?
「あれ?西村先生、どうかしたんですか?」
明久のごもっともな質問。
「ああ、今から、我がFクラスについて説明しようと思ってな」
......ん?我がって......まさか!
「おめでとう。お前らが戦争に負けたおかげで、福原先生から俺に担任が変わるそうだ。これから1年、死にものぐるいで勉強ができるぞ」
『なにぃっ!?』
ああ、鬼が担当か。生き延びられるかな...?
「いいか、お前らはよくやった。Fクラスがここまで来るとは正直思ってなかった。でもな、いくら『学力が全てではない』と言っても、人生を渡っていく以上で強力な武器の1つなんだ。全てではないからといって、ないがしろにしていいものじゃない」
クソ、雄二が小学生級の問題で間違わなければこんなこと言われなかったのに!
「吉井、お前と坂本は念入りに監視してやる。なにせ開校以来初の『観察処分者』とA級戦犯だからな」
「だったら蒼空だって『観察処分者』じゃないですか!」
「僕!?」
なんで僕まで道連れに!?
「織斑は真面目に授業受けているし、ちょっとした用事でなってしまったからな」
よ......よかった......。
「取り敢えず、明日から授業とは別に補習の時間を二時間設けてやろう」
…...二時間も!?っていうツッコミをしたって逆に増やされるだろうな。
「さぁ~て、アキ。補習は明日からみたいだし、今日は約束通りクレープでも食べに行きましょうか」
「い,いや今日は蒼空と遊ぶことになってるんだよね...」
こっちにふる。
…...さて、さっきの仕返しをしようか。
「だったら、明久が僕たちにおごるってことで交渉成立でいい?島田さんに姫路さん?」
こっちを見ていた姫路さんも入れる。
「「交渉成立ね(ですね)織斑」」
「ノォォォ!」
ざまぁ。
ネットだったらwwwを使いたいところだ。
「僕の生活費が!」
明久が悶えてるところで姫路さんたちに小声で言う
(僕行けないから3人でどうぞ)
さて。明久が明日どうなってるか楽しみだ。
後書き
第一章終了。
ついでに一巻部分も終了。
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