R-TYPE TACTICS 2 提督の裁量
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テスト部
テスト章
大規模演習
前書き
君のジャーナリズムはともかくとしても、
演習のときまでついてくる必要はないんじゃないかな…
大昔にあったプロ野球のキャンプに無断で入っていくようなものだよそれは
改めて見るとすごい迫力だね。
UFBS-010、ヘイムダル級かぁ
「初めての戦艦ですからね…」
うん、それじゃ演習前に艦内を少し周っておこうか
「そうしましょう。」
艦入り口から見て右手は応急処置室か、すぐそこの扉もどうやら艦載機連絡路の扉みたいだね。
「さすがは戦艦、人員の命も重要事項というところでしょうかね。」
恐らくはそうだろうね。そしてその奥が戦闘機用の弾薬庫のようだ。
かなりの量が入るね。輸送艦とは大違いだ。
「これを見てしまうと、どうにも輸送艦の存在意義を見失いそうです…。」
ハハハ、輸送艦には輸送艦にしかない魅力もあるからね。
「成程、おや?向こうはエンジンルームですかね?」
いや、エンジンルームは艦底部分からしか行けないはずだけど…ああ、分かった、食料庫だろう。
腹が減っては戦ができぬってやつだね。
「戦艦ともなると、かなりの人員が居ますからね…加えて小隊の数も比べ物にならないでしょうし。」
そうだね。兵糧は士気にも関わるし、ある意味一番損なっちゃいけない部分だ。
さて、お次は艦橋のほうに向かってみようか。
…電子機器で一杯だねぇ、どうやら艦首砲とミサイル砲はここで操作するようだけど
向かって奥のモニター前にあるトリガーが艦首砲操作用、右舷側に設置されてる操作盤がミサイル砲用のようだね。
「この辺は後に行う演習で分かりますね。」
ああ、そのことなんだけど今回の演習に実際に戦艦を使っている第十二番隊の隊長と連絡が取れたんでその人に教えてもらう形をとったんだ。
「そうでしたか。というか提督はもう他部隊の隊長と交信してたんですか…」
そりゃ、実際に戦地に赴いたときに君は誰かな?って言われると少し寂しいからね。
顔は覚えてもらったほうがいいだろう
主砲はこのまま艦橋通路を伝っていけばいいし、ビーム砲も直通通路があるようだね。
さすがは戦艦だ。
「隊員休憩室も見たほうがよろしいかと。」
そうだね、それじゃあ休憩室を最後に全員ブリーフィングルームに集まろうか。
「了解です、提督。」
ここが隊員休憩室か。まるでホテルの一室みたいだな
「これは隊員の錬度上昇も期待できるんじゃないですかね?」
ハハハ、そうだね。彼らの奮戦振りに期待しよう。
それじゃ、各隊に召集をかける。いつも通りブリーフィングルームに先行しててくれ。
「了解です。」
「それでは提督、今回の演習ブリーフィングをお願いします。」
うん、今回の演習について課題は『艦の構造及び特性を覚える』ことだ。
無論ここにおける覚えるとは感覚的なものを指すが。
戦闘機隊は各自サイバーリンクホログラムシステムを使い、ホログラム戦闘機を操作してくれ。
操作されているホログラムファイターを照準とし、駆逐艦・巡航艦・戦艦の順で攻撃方法の確認及び実践を行っていく。
忘れるところだった。本演習より新規配備される戦闘小隊を紹介する。コールサインはそれぞれ
「メルジム」
「スパーク」
「ターリアラート」
この三隊だ。今後もよろしく頼む。
また、本演習以降の艦のコールサインはそれぞれ
UFDD-02
UFHC-008
UFBS-010
とする。まあ、個人的な趣味でこうなった。理解と協力を頼む。
そして本演習に助力してくれることとなったゲストを紹介する。
太陽系主力艦隊第十二番隊隊長、グラン少将だ。
「君達の活躍はかねがね耳にしている。太陽系艦隊へようこそ。」
お言葉ありがとうございますグラン少将、それじゃあ1100より演習を開始する。
それまでに各自バイタルチェックなど済ませておくこと。以上、出撃準備だ。
―こちら『マーシレス』、各小隊無線は聞こえるかな?―
「フォルネウス1通信状態良好、隊長の咳払い一つ聞き逃さないぜ。」
「同じくアンガム。オールグリーンです。」
「ロックバードも状態良好。」
「メルジム1、確認完了。ノイズありません」
「スパーク各員状態良好」
「ターリアラートOK」
まあサイバーリンクホログラムだし、良好には良好だろうね。今後作戦中はこの周波数がマーシレス、
低周波数帯がタイタン、高周波数帯がサジタリウスになる。
なお、この周波数帯は艦ごとに共通になっている。
同宙域にて作戦中の同じタイプの艦対隊無線も入ってくるからしっかりコールサインを覚えてね。
それじゃあホログラム投影開始
ではグラン少将、乗組員への指示願います。
「分かった。まず、こちら側に火器管制ユニットがあるのだがこちらのロックを外さないと各種兵装及び艦首砲が撃てない仕組みになっている。作戦前にこのロックを外すことを忘れずにな。
FCUのロックはナンバーロックと指紋認証の二重だ。これはマンティス少将が外すほうがいいだろう」
成程。覚えておきます。
「次に、このフレースヴェルグ級には艦載機構もある。まあこれはどうでもいいか。
ではそろそろ火砲使用に入る。」
お願いします。
「フレースヴェルグ級の火砲はミサイルと亜空間砲撃システムの2つだ。
ミサイルは追尾型改、光子魚雷、誘爆型の3つだ。それぞれ戦闘機のものと同型になっている。
威力を信頼するのは些か難があるな。
そして、最も留意すべき点は亜空間砲撃システムだ。
この亜空間砲撃システムは敵味方問わず亜空間に在する次元戦闘機のみを対象に攻撃するシステムだ。
威力だけなら波動砲並みだが、弾数制になっている。無駄撃ちをしないようにな。
そして、誤射にも気を配って欲しい。過去の作戦に亜空間バスターの誤射で味方小隊が五以上消えたこともある。それほどこのシステムは危険だが強力なのだ。」
要約すると、時と状況を弁えよということですか。
「うむ、そういったほうがいいだろう。では試験砲撃だ。
砲門アルファからクリエイトまで開け!」
お、ミサイルが射出された。垂直じゃなくて水平に飛ぶのか…
「その辺は気にしないでくれ。直撃判定も出たし、続いて亜空間砲撃に移る。
スパーク隊が確か亜空間機のサイバーリンクだったはずだ。
亜空間に潜行してくれ。」
「スパーク1了解、各員亜空間潜行開始」
お、潜った。
「現状スパーク隊へは通信が出来なくなるが、今回はホログラム操作だから特殊回線を使って指示する。
スパーク、亜空間潜行状態では燃料消費が割り増しになる。
いつも以上に燃料消費に気を配ってくれ。では、そのまま旋回飛行を頼む。
亜空間砲撃を開始する。座標入力!」
「了解、座標入力!」
「次元振動砲開門!射出用意!」
「開門完了、射出用意!」
「撃て!」
…何も見えないし聞こえないけど、撃墜判定が出たね。
「次元を揺らす特殊な兵装でな。そう簡単に見破られては困る代物なんだよ。
故に仲間の被害にも気づきにくくなったがな。」
それで誤射による被害が多いんですね。
「うむ、よしフレースヴェルグ級のテストはこんなものだろう。続いて巡航艦ガルム級に移る!
判定が出ている隊はリセットをしてくれ。」
「こちら《タイタン》、各員周波数はバッチリか?」
各隊より返答が確認できました。良好のようです。
「よし、それじゃこの艦の特性を説明する。
このガルム級は巡航艦と言い、艦首砲と主砲、本体武装として追尾型光学兵器を装備している。
前期型にヴァナルガンド級を持つ、後継艦でな。正直ウチにも欲しいくらいだ。」
なぜ配備されたかは僕自身分かりません。
「それだけ軍からの期待が大きいのだろう。胸を張るといい。
この艦で特に留意しなければならん点は『艦首砲』だ。」
チャージ兵器であるが故、ですかね?
「うむ。射線上に居る自軍機及び友軍機を退避させてから撃たないと先の亜空間砲撃よろしくになる。
しかし、補給機などが持つデコイで敵の視界を遮らせつつ撃つという戦法もある。
使い方はマンティス君に任せるよ。」
重責ですね…
「そう肩肘を張らなくてもいい。未だ生存率百パーセントなんていうほうが素晴らしいことなのだ。
よし、それでは今から艦首砲・主砲、並びに本体追尾ビームの試験砲撃に移る。
艦首砲充填開始!」
「了解、艦首砲充填開始!」
ウチは艦の乗組員が少ないからなぁ…あの捕虜をこの隊に引き入れれば心強かったんだが…
そうも言ってられないか…
「艦の乗組員は最低でも五人はいるからな。
指揮官、副官、砲撃士、整備士、衛生士 二人で回せたのは恐らく輸送艦隊だからだっただろうな。
まあもう少し待つといい。戦果をあげれば人事も動くさ。」
「艦首ヴァーン砲、充填完了しました。」
「では、トリガーをマンティス君へ。」
よし、スペシャリティFCUセフティ解除。艦首波動砲発射!
「うむ、見事な腕前だ。敵撃墜判定確認。」
手汗が凄いです。
「ハハハ、そのうち慣れる。
では次、主砲だ。セカンダリFCU解除。主砲射撃角調整。」
「了解、主砲射撃角調整。方位1030方面へ150ミリ秒調整!」
「ではそのまま射撃。」
おおー、可視色はオレンジか。
「この艦もまだ新造されたばかりだがまだまだ改良中とのことだ。
先が楽しみだな。」
そうですね。ではお待ちかね、戦艦のテストへ行きましょう。
「うむ、君自身ヘイムダルの方が気になって仕方ないだろう。
では撃墜判定のリセットを頼む。」
――こちら《サジタリウス》、各隊無線はバッチリだね。――
「よし、それでは戦艦の特性を説明する。
戦艦は文字通り戦う艦船だ。本体追尾ビーム甲型・主砲甲型・ミサイル砲・艦首陽電子砲を揃える重火力艦となっている。」
噂に聞くヘイムダル級の火力を間近で堪能できるとは…しかも所有して…
「艦載可能数は五小隊分だ。まあ自身の火力に加えてこれだけ艦載出来たら言うこともないだろう。
ではまず追尾ビームHの試験砲撃から入る。」
かなりの砲門数が確認できましたからねぇ…これだけで凄い火力なんだろうなぁ…
「本体追尾ビームH発射!」
おお、凄い数のビーム。敵機撃墜の確認!
「しかも個々のビームが別々でロックすることも、集中砲火することも可能だ。
使い方次第でもっと戦力になるだろう。」
さすがは追尾型ですね。
「うむ。では続いてミサイル砲だ。
プライマリFCU解除確認、砲門一番から六番まで発射!」
うおお、これもまた大型なミサイルだ…これは喰らったら一たまりもないだろう…
「現状戦艦の兵装の中で一番信頼を寄せるのがこのミサイル砲だ。
補給機を随伴させると延々撃ち放題だぞ?」
是非ともそんな場面に出会いたいです。
「ハハハ、好戦的で何よりだ。
では主砲の実践砲撃だ。セカンダリFCU解除確認、射撃角無調整でそのまま発射!」
うわぁ…これぞ主砲、という感じですねぇ
「上方限定な分、火力も絶大だ。では今回の実践演習はこの辺で終わりにしよう。」
ありがとうございました。
「そういえばマンティス君、本部へ帰投する時に戦闘機の残骸を見なかったか?」
はい、周辺空域に敵艦隊が居るかどうかを警戒しながら帰投していたので。
「それに関する情報が先ほど我が艦隊の調査部より入ってな。
被弾していた戦闘機から極少程度ではあるがプラズマによる堆積荷電が見られたようだ。」
プラズマによる堆積荷電…?荷電粒子砲の類ですかね?
「いや、荷電粒子砲ならばもっと高濃度の堆積荷電が検出されるはずなんだ。それが違うとなると…」
まさか、波動砲ですか?
「うむ。貫通性能が高い波動砲ならばあるいはと考えたが…気のせいかな。」
そうですね…うわっ、何だこの振動は?
「分からん、外を見てこないと…」
おや、本部より緊急入電ですね。こちら太陽系主力連隊第十三番隊、どうされました本部
「緊急状態だ。今君達の居る二十六番演習場周辺を敵艦隊が占拠、どうやら連中は演習場内にある燃料が目的らしい。外部は敵の新兵器が強固に守っており他の連隊も手を焼いている状況だ。
敵に気づかれておらずかつ、強固な守りを内側から崩せる君達だけが頼りだ。任せたぞ、マンティス少将!」
これはまた面倒なことに…どうします、グラン少将
「まあ、戦闘するしかないだろう。上からのお達しじゃあな。
私はタイタンに乗艦しよう。君はサジタリウスを。」
了解です。お手数かけてすみませんグラン少将。
「まあこういうこともあるさ。で、作戦はどうする?」
少しお待ちください。今艦隊に緊急招集をかけています。
素早い集合をありがとう。まず簡潔に説明するがこの二十六番演習場の周囲を敵艦隊が占拠した。
彼らはどうやら僕たちに気づいていないらしく、この演習場にある補給施設で燃料を補給しているようだ。
虚を突くならば今しかないが、この敵艦隊迎撃作戦の要は僕たちだ。この第十三番隊が機能しなくなれば本部自体を制圧されてしまう。
「クソッ、グランゼーラの連中め…」
落ち着くんだフォルネウス1、これより敵艦隊迎撃作戦を開始する。
まず、各員にこれだけは伝えておく。扉の修理費用は僕が払うから君たちは何気兼ねなくぶっぱなしてくれ。
「提督、それはどういう…?」
まず作戦はこうだ。
最初にサジタリウスの艦首陽電子砲で兵器搬入口の扉をぶち抜く。この艦の艦首砲は相当の長射程を持つ。
故に相当数の敵機を巻き込めるし、味方にも合図になるかもしれない。
その後、本艦の有効火砲範囲にある敵機をまず撃破する。これにはタイタンの主砲及び追尾ビームにも協力をしてもらう。頼みましたよ、グラン少将
「ああ、艦の扱いには自身がある。」
助かります。
それではフォルネウスはサジタリウスの追尾光学砲撃座へ。アンガムは主砲座
ロックバードはギャラルホルン砲撃座へ。
以上だ、作戦開始!
艦首陽電子砲の発射を合図に自動ロックオンした敵機を撃破する。なるべく効力射内に敵機を巻き込みまくるよう艦の制御に努力する!
「了解!」
それじゃ、ファイナルFCU解除 艦首ブルドガング砲、発射!
「索敵範囲内に敵艦隊の反応確認!3個小隊規模と思われます。旗艦には巡航艦も居る模様!」
何をしている!効力射内の敵機を攻撃!
「りょ、了解!FCU解除 撃てー!」
一斉砲撃で敵艦隊の三分の二を撃破…これが戦艦かぁ
っと、コールサイン《タイタン》 状況は?
「こちらタイタン、オールグリーンだ。艦に損傷もない。」
命が無事で何よりです。あとは自分でも何とかなるな。
フォルネウスはRwf-9AXで出撃
それ以外の各隊はRwf-9Aで出撃せよ!
「了解!」
「こちらタイタン、サジタリウスへ連絡右舷方二時に敵艦隊が二小隊規模出現。
タイタンの火力では厳しい。戦闘機隊を数隊寄越してくれるか?」
サジタリウス了解。フォルネウス、メルジム、ターリアラートはタイタンの方へ。
残るアンガム、ロックバード、スパークは本艦付随。敵艦隊の掃討をしよう。
「了解しました。」
後書き
戦艦での戦闘も思った以上に大変だ…。
今後はこういった任務に備えて艦に慣れないと…
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