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銀色の魔法少女

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第四十二話 黒

 
前書き
最近伸び悩んできましたが、
遂に総合評価が2000、お気に入り数が350を超えました! 

 
side 遼

「ねえ、誰がショウって人を倒したの?」

 私がそう言った途端、皆黙り込む。

 さっき話からして変だった。

 私が気を失ってからここに運び込まれるまでの流れが省かれている。

 聞かされたのは、私を刺した人が倒されたことだけ。

 誰がどうやって倒したのか、誰も口にしない。

 結界が張られたあの場面に介入できる人間は限られている。

 そしてこの髪。

 昨夜は確かに銀色だったし、侵食も50%までしか達していなかったはずだ。

 以上のことを合わせると、一つの仮説が成り立つ。

 そのための揺さぶりだった。

 そして今の反応から、やはりその仮説が事実であると確証できた。

「私がやったの?」




side リンディ

 恐ろしい子。

 こちらが隠していたことをすぐに見破られるなんて思いもしなかった。

(この子は嘱託魔導師よりも執務官や捜査官の方が向いているのかもしれないわね)

 けれどそれはこの子が大人になったらの話。

 今を生きる気がないこの子には関係のない話だ。

「ええ、少しショックなことだったから秘密にしようと思っていたのだけれど、杞憂だったようね」

 そう言って、私はあの時の画像を映し出す。

「これが、あなたが刺された後に起こった出来事よ」




side ALL

 最初に異変に気がついたのは、ユーノだった。

 抱えていた遼が急に動き出した。

 それを止めようとして、彼は気がつく。

 全身が黒く染まり、目の奥は紅く輝き、体には奇妙な文様が刻まれている。 

 彼の豊富な知識から、今遼がどんな状況にいるのかをすぐに理解した。

 遼の危機に反応して、システムが過剰反応しているのだ。

 不完全な侵食を一時的に完成させ、意識のない遼を無理やり動かす。

「――――――――――――――――――――――――――――――――」

 彼女は天に向けて叫んだ。

 それは怒りか悲しみか、それとも生まれでた喜びか、誰にも分からない。

 それは五人の戦いを中断させた。

 なのはたち四人は驚いた。

 あれは確かに人間だったはずだ。

 あの子は優しい子だった。

 アイツはこんなヤバイ奴じゃなかった。

 あの子は決して、こんな化物ではなかった。

 固まる四人に対して、ショウはいち早く行動を開始した。

 素早く印を結び、口から膨大な量の火炎を放つ。

 『NARUTO』の世界の忍術、火遁・豪火滅失の術である。

 本来ならそれは、近くにいたユーノすら燃やし尽くす威力を持っていた。

 けれど、それは呆気なく消えた。

 遼は特別な何かをしたわけではなかった。

 ただ、迫り来るそれらを右手で払いのける、それだけだった。

 遼の右手が触れた瞬間、それは奇妙な音を残して消えた。

 その光景にユーノは目を奪われた。

 反対側から見ていた五人は、何が起こったのか分からなかった。

 いや、転生者である二人には、心当たりがあった。

 すべての魔術、異能、奇跡を問答無用で消し去る右手。

 『とある魔術の禁書目録』の幻想殺し(イマジンブレイカー)

 そう確信したショウは次の術を放つ。

 右手が無効化するのならば、右手では防ぎきれない量の範囲攻撃をすればいい。

 火遁・龍炎放歌の術。

 炎で創られた龍があらゆる方向から遼に襲いかかる。

 右手は一本しかない。

 故に上下左右からくる同時攻撃は避けきれない、そう思っていた。



 しかし、全ては無駄だった。


 遼は迫り来る驚異に対して、何もしなかった。

 何もせず、ただじっとショウを見つめていた。

 そして、すべての龍が遼に喰らいつく。



 喰らいついて、全て消えていった。



 まるで最初から何もなかったかのように、そこには遼しかいない。

 そして、遼も消えた。

 遼が何をしたのか、最初から最後まで認識できたのはショウだけだった。

 遼は誰の目にも止まらない程速く、ショウの元へ移動した。

 そしてそのまま右手を突き出す。

 彼はその赤い目、写輪眼、の恩恵で彼は咄嗟にそれを避けることができた。

 しかし、完全には避けきれず、右肩が切り裂け、凍る。

 ショウは距離を取ろうとして、避雷針の術を発動させる。

 けれど、彼が別の場所に跳ぶことはなかった。

 彼は混乱した。

 体内のチャクラを一切感じなくなっていたからだ。

 そして混乱したまま、最後の一撃をその身に受けた。

 彼女の左腕の一撃は、彼の体のあらゆる部分を破壊した。

 それだけではなく、その衝撃で吹き飛び、ビルを突き抜け次のビルに叩きつけられてようやく止まった。

 誰がどう見ても、瀕死の状態だった。

 けれど、彼女の攻撃は止まない。

 次の一撃を加えんがため、右手に魔力を集中させている。

 それを見て、なのはが動いた。

 彼女は両手を広げ、遼の前に立ちふさがる。

 ダメだと、なのはは遼に叫ぶ。

 その声が通じたのか、遼は動きを止め、腕の魔力も霧散した。

 そして、彼女はそのまま落下した。

 なのはは急いで彼女を受け止める。

 肌の色は元に戻り、傷もある程度ふさがって、彼女は気持ちよさしそうに寝ていた。

 だた、その髪だけは、元には戻らなかった。



side 遼

 すべてを見終えて、私は考える。

(あれが暴走……、ちょっと厄介だなぁ)

 あれが私の本来の実力じゃないことは私自身がよく知っている。

 けれど、それも予想以上に強かった。

 そして、あれに対処できる人間がここにいないのが問題だ。

 これでは、なのはたちを殺しかねない。

 前はまだ不完全な状態での暴走だったからなのはの声で止まりはしたが、完全状態での暴走にそれが通用するとは思えない。

(あと二週間、それまでに手を打たないとマズ…………あ!)

 っと私の寿命のことを思い出して、最大の難問が待ち受けていたことを思い出した。





      すずかに、なんて説明すればいいだろう、、、、、、、、、、、、、



 
 

 
後書き
ショウの特典
・NARUTOの全忍術(血継限界なし)
・永遠の万華鏡写輪眼
・血継限界忍術(輪廻眼、白眼、写輪眼なし)

三つに分けた理由
・一つにまとめて更に特典二つなんてチートすぎるから。

遼の特典
・特典無効
・危険予知(自分や周りの人が死ぬときにしか発動しない)
・ブリュンヒルデの適合者
・確実に原作に巻き込まれること




なお、今月中に最終回を迎える予定 
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