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ALO×HUNTER×なのは

作者:メア
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転生×覚醒×襲撃①




 ここはどこだろう…………?
 ボクは 紺野木綿季(こんの ゆうき)…………アスナにOSS(オリジナルソードスキル)のマザーズ・ロザリオを渡して死んだはずなんだけど…………これはまたかな?

「生まれたか」

「はい。私達の愛しい子供です」

「ああ。この娘(こ)にクルタの祝福があらんことを…………」

 どうやら、三度目の人生みたいだね。
 一度目は剣術好きの普通の人生を過ごした。そして、二度目の人生は生後HIVに感染して、その後にAIDSの発症により入院。ナーヴギアを医療用に転用したメディキュボイドの被験者になり、それ以来三年間を仮想世界アルヴヘイム・オンライン(ALfheim Online)で過ごした。
 アルヴヘイム・オンライン(ALfheim Online)は通称はALO。ALOは、SAO(ソード・アート・オンライン)事件の一年後に発売されたVRMMORPG。火妖精族(サラマンダー)水妖精族(ウンディーネ)風妖精族(シルフ)土妖精族(ノーム)闇妖精族(インプ)影妖精族(スプリガン)猫妖精族(ケットシー)工匠妖精族(レプラコーン)音楽妖精族(プーカ)の九つの妖精族が高位種族である光妖精族アルフへと至るべく、世界樹と呼ばれる巨大な樹木の頂点を目指すという内容で、種族間抗争が前面に打ち出されている。レベル制をとっておらず、戦闘はプレイヤーの運動能力に大きく依存しており、他種族間ならPKも可能とかなりハード。最大の特徴はフライト・エンジンを搭載している事で、自らの翅によって自在に空を飛ぶ事が出来る最高のゲームだった。

 そして、新たに三度目の世界…………何か嫌な感じもして怖い世界かもしれない…………でも、新たな人生…………今度こそ、ちゃんと生きて幸せになろう。



 この世界に生れ落ちてから四年が経った。
 ボクは、ルクソ地方の山奥にひっそりと暮らしているクルタ族という少数民族の少女に生まれたんだ。リリス母さんは東方出身の黒い長髪に黒い瞳の綺麗な人、お父さんカイルはクルタ族の族長の息子で金髪碧眼のカッコイイ人。

「しかし、ユウキは母親似だな。嫌な所は俺の血…………クルタの血を受け継いでくれたのは嬉しいが……………………」

「そうよね。まさか…………クルタ族の緋の目を常に発動しているなんて…………」

 そう、ボクの容姿はお母さん譲りの黒髪に、お父さんから受け継いだクルタ族特有の緋の目がそのまま、ボクの目になってるんだ。
 クルタ族の目は、感情が昂ぶると鮮やかな緋色となるみたい。一番の問題は、クルタ族の緋の目は世界七大美色の一つに数えられ、最低な事に闇市場で高値で取引されているらしいんだ。そして、僕はその緋の目が常に発動しているんだよね。でも、ボクの容姿ってALOのユウキそのままなんだよね。

「まぁ、嘆いても仕方があるまい。ユウキには力を付けてもらおう」

「うん。ボク、頑張るよ」

 それから、ボクはお父さんと修行を始めた。


 ボクがお父さんから言われた事は簡単で、ランニングや腕立て伏せなどの基礎トレーニングだ。だから、ボクは山の山頂で様々な訓練を行う。

「ん…………やっぱり、おかしいよね…………」

硬い岩を思いっきり拳で叩いてみると、轟音が轟き、岩が粉々に砕け散った。そして、殴った拳は全然痛くないの。

 これは、色々試してみようかな。その為、隠密や索敵などパッシブスキルをALOの感じで意識して起動すると、半径五百m以内の生物の気配や身体の奥底からあふれ出て来る力。

「…………やっぱり、ALOのユウキそのままの力を持っているみたい。 さっきは、パッシブスキルが勝手に発動したのかな?」

 それから、僕は色々と試していった。その結果、HPとMPなどステータスは見れないけど、ボクの身体能力は間違い無くスリーピング・ナイツのみんなにアスナを含んだメンバーでボスを攻略した時のまま…………つまり、ALOのMVPBOSS(最前線)を7人で攻略した時のステータスのままなんだよね。

「羽は無いけど…………飛べるかな?」

 ALOでインプだったボクは、存在しない翅を意識して動かしてみたけど無理だった。やっぱり、空は飛べないんだね。

「剣技はどうかな?」

 その辺に落ちている木の枝を剣に見立てて、ALOのSS(ソードスキル)をなぞってみる。結果、システムアシストは無いけど、魂が覚えているのか、そのまま出来た。当然、OSSも出来たけど身体が痛くなってきた。

「よし、今日は帰ろうかな」

 行きしは三時間かかったけど、帰りは三十分で集落に戻ってこれた。これらは全てパッシブスキルを意識して使った結果だ。パッシブスキルは偉大だね。




 家に戻ったボクはお母さんのお手伝いをする。前世じゃ、ずっと入院中だったから、親孝行が出来なかったんだ。だから、ボクは今度こそ親孝行をするんだ。

「じゃあ、今度は握ったお米に魚を切った切り身を乗せるの」

「お寿司だね」

「そうそう」

 お母さんと一緒にお寿司を色々作っていく。すると、お父さんの気配が一直線に家を目指してきた。

「ただ…………いま…………」

「「お帰りなさい」」

「ユウキ、お前…………何をした…………なぜ、円を使えているんだ?」

「お父さん、円ってなに?」

「知らないで円を使っているのか? いや、この距離は有り得ないが…………まぁ、いい。ユウキ、明日は山に居る魔獣を一人で狩って来てくれ。それ次第で、円について教えよう」

 この世界特有の技術かな?
 どちらにしろ、ボクにとって未知の技術だから知りたいや。

「なら、武器は私の剣を持っていきなさい」

「うん。ありがとうお母さん」

「では、頑張ってこい」

「じゃあ、ご飯を食べましょう」

「「「風と大地の祝福に感謝を…………」」」

 それから、親子三人で豪勢な特上寿司を食べた。お母さんは美食ハンターっていう職業だったみたい。だから、ボクの料理スキルはかなり高いよ。





 次の日、ボクは朝早くに起きてお弁当を用意する。

「ある食材はトマト、レタス、キュウリ、卵かな…………マヨネーズもあるし、サンドイッチでも作ろうかな」

 まずは、小麦粉と酵母を捏ねて型に入れて竈で焼く。
 次に、ゆで卵を作る。
 次に、トマトとキュウリをスライスして、レタスを適度な大きさに千切る。
 次に、ゆで卵を潰してマヨネーズを入れて掻き混ぜる。
 次に、焼けたパンを適度な大きさに切って、レタスを乗せ、卵を塗る。
 後は、キュウリ、トマトを乗せてパンで蓋をする。

「これで、半分に切って終わり」

 お弁当箱三つに、サンドイッチを入れてお弁当は完成。

「朝食は目玉焼きとパンでいいから…………」

 分厚いベーコンを薄く切って、食べやすい大きさに変更する。
 次に、熱したフライパンでベーコンを乗せて片面だけ焼いた後、裏返してその上に三つの卵を割って塩胡椒をかけて焼く。
 少ししたら、水を入れて蓋を閉めて水蒸気で蒸す。
 一分半で半熟の目玉焼きが出来た。

「おはよう」

「おはよう、お母さん」

「ここはやっておくから、ユウキはカイルを起こしてきて」

「うん。じゃあ、お父さんを起こしてくるね」

 ボクはお父さんを起こしに、両親の寝室へと装備をもって向かった。


 寝室に入ると、やっぱりお父さんは熟睡している。まともな手段じゃ起こせないからボクは、装備して来たオタマとフライパンを思いっきり叩いて騒音を轟かせる。もちろん、自分に弱体化とかの魔法をかけて。
 この騒音は聴覚を逆撫でし、嫌な感じが伝わってくるために、とても寝ていられないんだよね。

「なっ、なんだ!?」

「お父さん、おはよう。朝だよ」

「あっ、ああ…………起きた」

「それじゃ、下で待ってるね」

 三人で朝食を食べた後、ボクはお母さんか片手剣を受け取った。

「気をつけて行って来るんだよ」

「山頂の洞窟には行くんじゃないぞ」

「うん。行ってきます」

 ボクはお父さんとお母さんに見送られて山へと入っていった。



 山の中にいる魔獣を狩りに魔獣を追っていくんだけど、問題がでたんだよ。
 魔獣はボクが近づいただけで、思いっきり逃げるんだよね。

「仕方ないから、隠密を使って行かないとね」

 隠密スキルで完全に気配を切って、魔獣の背後から接近して切りかかる。

「ギャッ!」

 はっきりいって魔獣は敵じゃなかった。
 どんなに硬い毛革の鎧だろうと、粘土のように軽く切り裂き、一刀両断出来た。
 それほどまでにこの身体…………ALOのユウキのスペックは高かった。

「歯応え無いや…………んっ、この気配は…………」

 ボクの索敵範囲に巨大な気配が進入して来た。
 それも、ボクを一直線に目指してやって来る…………面白いや。

「全スキルを起動させて、支援魔法をかけて準備…………何が出てくるかな?」

 それから、少しして翼を羽ばたく音を盛大に轟かせながら、空を覆う様に巨大な存在が現れた。
 その身体は巨大で、全身が深淵の様に真っ黒な鱗に覆われており、身体中からオーラの様な物を噴出している。
 それは、トカゲのうな顔に獰猛な牙に爪、さらに巨大な身体を浮かせるほどの強靭な翼をした空の王者といわれる存在。

「ブラックドラゴン?」

 そう、その存在は強大で、ゲームなどで最強の存在と詠われる強者。

「いかにも、貴様が我が領域で好き勝手してくれた者か」

「? ボクは魔獣を狩ってただけだよ?」

「この様な巨大な円を出して、我に挑発をくれたくせに何を云う」

「円なんて知らないよ。 今日、帰ったら教えてくれるらしいけど」

 ボクが使っているのはスキルだからね。

「まぁ、どうでも良い。 貴様にはここで死んでもらおう」

「丁重にお断りするよ」

「そう云うな!」

 ドラゴンが巨大なドラゴンがその爪を振り下ろして来たので、ボクは後ろに飛びのく。

「ヤァッ!」

 ボクは単発水平斬撃技ホリゾンタルを全身を捻って放つ。しかし、その攻撃は分厚い鱗によって防がれてしまう。

「クルタの小娘よ、無駄な足掻は止めよ」

 確かに、鱗はダメージ入って無いし、お母さんの剣は刃こぼれしちゃったし…………どうしようか。

「喰らえっ!」

「っ!」

 オーラが纏った巨大な爪が、ボクにまた迫って来た。だから、バックステップで射程から逃れた…………はずなんだけど。

「痛っ! なんで、完全に避けたはずだよっ!」

それなのに、ボクの肩には切り傷が出来ていた。

「貴様、念を知らんのか?」

「念?」

「ふっ、念を知らないならば何も出来ずに死んでいくといい」

「むぅ〜、なら、覚える!」

「無駄なことよ!」

 ボクは回避に専念しながら、ブラックドラゴンを緋の目で見つめ続けた。

「きっ、貴様何をしたっ!」

「あれ? ボクにも出来たよ」

 数分見ていただけで、ボクはブラックドラゴンみたいに黒いオーラを纏い出し、自由に操れるようになった。
 そういえば、ボクってこの世界に生まれた時から、見ただけで大抵の事は出来るようになったけど、これもそのせいかな?

「くっ、早めに殺さねばならぬな!」

 ドラゴンはオーラを爪に集めて振り下ろしてきた。その一撃に中れば一たまりも無いと思える程、馬鹿げた量のオーラを纏っている。

「なるほど、こうやって操作するんだね」

 ボクは足にオーラを集めて地面を蹴ると、爆発音と共に二百メートル程バックした。そして、ドラゴンの爪が、さっきまでボクの居た場所に中り、土煙と轟音を発生させて百メートルもの巨大なクレーターを作り上げた。

「ん〜オーラを纏わせるだけで威力は格段に上がるんだね。 だったら……………………」

 ボクは剣にオーラを全て纏わせて、ドラゴンに向けて走った。
 そして、地面に突き刺さったままの腕を駆け上がって、ドラゴンの首にボクが放てる最大のOSSを放つ。

「マザーズ・ロザリオ!」

 これは、ALOで絶剣と云われたボクが開発したOSSで片手剣で、十字を描くように神速の十連続突き放ち、フィニッシュとして十字の交差点に強烈な十一撃目の突きを放つスキル。

「ギャァアアアアアアアアアア!」

 マザーズ・ロザリオは、予想通り衝撃波を発生させながら、ブラックドラゴンの首を十字に穿ち、最後のフィニッシュでブラックドラゴンの首を吹き飛ばした。

「よし、倒せた♪」

 腕はボロボロになって痛いけど、バトルヒーリングのお陰で放置しても問題ない。このバトルヒーリングは、10秒間立つと自動的にHPを回復してくれるスキルで、ボクは熟練度MAXだから回復量も高い。熟練度を上げる方法は、常に致命的なダメージを受ける事だったから苦労したよ。

「ドロップは何かな〜?」

 うん、いつまでたっても出てくるはず無いよね。とりあえず、持って帰ろう。



 ブラックドラゴンの死体をずるずると引きずって帰ったボクは、お父さんとお母さんに驚かれたけど思いっきり怒られちゃった。なんでも、このブラックドラゴンはプロハンターでも討伐は無理だったらしく、触らぬ神に祟り無しという感じに放置されていたみたい。いつもは、山頂にある洞窟の奥深くで眠っているらしいんだよね。

「まぁ、いい。これから、ユウキにはしっかりと念について勉強してもらう」

「うん、お願いします」

「まず、念とは自らの肉体の精孔(しょうこう)という部分からあふれ出る、≪オーラ≫とよばれる生命エネルギーを、自在に操る能力のこと。 念を使う者を≪念能力者≫と呼ぶ。 俺やリリス、ユウキもそうだ」

 あれが生命エネルギーなんだね。

「念の基本といわれる四大行、(テン)(ゼツ)(レン)(ハツ)とういのがある。
 (テン)は、オーラが拡散しないように体の周囲にとどめる技術。纏を行うと体が頑丈になり、常人より若さを保つことができる。
 (ゼツ)は、全身の精孔を閉じ、自分の体から発散されるオーラを絶つ技術。気配を絶ったり、疲労回復を行うときに用いられる。
 (レン)は、体内でオーラを練り精孔を一気に開き、通常以上にオーラを生み出す技術。
 最後に(ハツ)だが、これは自分のオーラを自在に操る技術。念能力の集大成。必殺技ともいわれる」

 発はボクのマザーズ・ロザリオにあたるのかな?

「まぁ、一通りやってみよう。(テン)(ゼツ)(レン)(ハツ)

 お父さんのやった事を確りと観て、ボク自身もやってみる。

(テン)、オーラが拡散しないように体の周囲にとどめる。
 (ゼツ)、全身の精孔を閉じ、自分の体から発散されるオーラを絶つ。
 (レン)、体内でオーラを練り精孔を一気に開き、通常以上にオーラを生み出す。
 (ハツ)、これは自分のオーラを自在に操る」

 全部、ちゃんと出来たよ。絶は隠密のお陰で感覚が掴みやすいから一番簡単で、他は同じくらいかな。

「うん、ユウキは天才だね」

「天才を超えているぞ……………まぁ、これなら応用に行っても問題ないな」

「そうね」

 念の応用技ってなんだろう?

(シュウ)は、纏と練の応用技で、物にオーラを纏わせる技術。刃物の切れ味を強化するなど、対象物の持つ能力を強化する。
 (イン)は、絶の応用技で、自分のオーラを見えにくくする技術。凝を用いても、全ての隠を見破ることができるとは限らない。
 (ギョウ)は、練の応用技で、オーラを体の一部に集め、増幅する技術。オーラを集中させた箇所は攻防力が飛躍的に上昇し、その他身体能力も上がるので、打撃の際に手や足に集中させて威力を増したり、首やみぞおちなどの急所に集中させて致命傷を逃れたりと様々な局面で使われる技術だが、通常に凝と言う場合は、目に集めてオーラを見ることを意味する。熟練者は隠で隠されたオーラをも見ることができる。
 (ケン)は、纏と練の応用技で、練で増幅したオーラを維持する技術。念での戦いは主に堅を維持したまま闘うことになり、これが解けたり、解いたりすると、防御力が著しく落ちるため、よほど実力に差がない限り一瞬で敗北という状況にもなりうる。」

 全て、実演しながら見せてくれるので、確りと覚えられるよ。

(エン)は、纏と練の応用技で、体の周囲を覆っているオーラを自分を中心に半径2m以上に広げ、1分以上維持する技術。円内部にあるモノの位置や形状を肌で感じ取ることができる。その広さは個々人によって異なり、達人になると50m以上に達するといわれているが…………ユウキのは出鱈目だな」

 ボクのは索敵スキルだね。確かに半径五百メートルは凄いよね。

「次に、(コウ)は、纏、絶、練、発、凝を複合した応用技。練ったオーラを全て体の一部に集め、特定の部位の攻撃力・防御力を飛躍的に高める技術で、凝の発展形とも言える。凝による強化との違いは、絶を併用してオーラをより強く集中するため、攻防力が桁違いに高いということである。その代わり、オーラを集中していない箇所はオーラが薄くなるのではなく絶状態になってしまうため、攻防力は凝の時よりもがた落ちする。
 (リュウ)は、凝の応用技で、オーラを体の各部に意識的に振り分ける技術。凝の時に説明したとおり、凝は他の部位の攻防力が落ちるのでリスクをともなう技術である。しかし、未熟な者はオーラを集中させるのに時間がかかったり、力んだ箇所にオーラが集中してしまったり、集中するオーラ量に加減がきかなかったりする。そうなると凝での打撃のつもりが凝が間に合わず素手での打撃になってしまったり、相手の攻撃を察知してからでは凝での防御が間に合わなかったり、フェイントをかけたつもりが本命の方にオーラが集まってしまっていてバレバレだったり、不必要にオーラを浪費してしまったり、という問題が起こるので気をつける様に。まぁ、それらを解決するため、凝を素早く行う技術や、凝に使うオーラを必要最低限の量でセーブする技術、複数箇所で同時に凝を行う技術などが求められる。これらを総称して流と呼ぶ。この流による攻防力移動は、念能力者同士の戦いにおいて基本であるとともに、奥義でもある」

 結構あるんだね。やっぱり、練習しないと駄目だよね。

「ユウキがドラゴンをやったのは、(シュウ)(コウ)(リュウ)になるわね」

「うん、意図的に武器に全部のオーラを集めたんだからそうなるよね」

 あれ、バトルヒーリングってHPを一分間毎に回復するスキルだけど、HP=生命力=オーラなんだよね?
 じゃあ、ボクって一分立つと使ったオーラがどんどん回復して来る?

「それじゃ、今日から出来る限り堅と流をして過ごしていきましょうね」

「それがいいな。ユウキのオーラの量は膨大みたいだからな」

 ゲームじゃHP万単位だから、オーラの量も万単位だよね。

「うん、頑張るよお父さん、お母さん」

「それじゃ、私達はブラックドラゴンでユウキの装備を作ってあげるわね」

「そうだな。ユウキは何がいい?」

「細身の片手剣がいいかな…………九十センチくらいの」

 壊れたり、盗まれたら大変だからね。

「分かった」

「ついでに、服も用意してあげるわね」

「ありがとう♪」

 それから、ボクは常に堅をするようになった。





 あれから一年が経過した。
 ボクはその間、堅を三日に一回解くという生活を続けていた。

「何やってるんだユウキ?」

「あっ、ブラレスさん、おはようございます」

 修練場にやって来た友達と挨拶しました。そう、私は今修練場の床の上をゴロゴロと転がっていたのです。
 ちなみに、この修練場は半径五百メートルです。

「ああ」

 ブラレスさんは、金の髪で茶色の目をしたクルタ族の戦士を目指しているマッチョな14歳。

「ユウキちゃんは、今日から発の修行なんだって…………」

「それで喜んで転げまわってるだけよ」

「エナはひどいな〜」

 最初に発言したのはロナで、後に発言したのがエナ。この二人は双子の少女で、ボクの友達だよ。
 容姿は二人共一緒で、緑の髪を左右対称(エナは左にサイドテール、ロナは右にサイドテールを結んでいるの)のサイドテールにしているんだけど、それを目印にしなきゃ見分けが付かないんだよね。年齢は13歳。
たまに入れ替えて悪戯してくるので要注意だよ。

「そうか…………随分早いんだな」

「「普通は最低でも、十二歳を超えないといけないのにね」」

「ボクは今年で六歳だよ?」

「クルタの歴史じゅうでも、類をみないくらい優秀らしいな」

「皆もそうだけどね」

 ここにいるボク以外の三人も優秀なんだよ?
 十歳前に念に目覚めた子供達を集め、教育を施して英才教育を行うのがこの修練場なんだけど、その中でもトップクラスの実力者を集めたクラスがここなんだよね。

「エナは、ユウキちゃんと一緒にして欲しくないかな」

「がーーん」

「ロナも同意。念無しで強化系と殴り合えるのはおかしいと思う」

「だよな…………まさか、硬を全力で纏った拳を素手で止められるとは…………あの時は、泣けて来た」

「あははは…………でも、やっぱりみんなはヒドイと思う…………」

 クレーターを平気で量産する強化系の拳を素手で受け止めてみたんだけど、なんとかなっちゃったから…………ボクはこの世界では、常識外の存在みたいだよ。

「よしよし、泣かないの」

「いい子いい子」

「泣いてないもん…………」

 いつの間にか、涙か出ていたみたい。ボクの友達はこの三人だけだから仕方ないかもしれないけど。

「ん〜〜〜」

「やっぱガキだな」

「どうせ、五歳で友達も三人しか居ないよ〜〜(ぷい」

 常時緋の目が発動してるせいか、同年代の子供達は怖がってボクに近づかないし、近づいても、泣いて逃げちゃう。それは、動物達も変わらないんだよ。まともに話せるのは大人の一部とこの三人だけ。

「ブラレスが泣かした〜」

「泣かした〜」

「てめぇらもだろうが!」

「「よしよし」」

「ん…………」

 二人の頭を撫でてくれる感触が気持ちいい。

「まぁ、悪かったな…………」

「うん…………もう、平気…………」

「あっ、シュテル先生が来たよ」

「時間だね」

 シュテル先生は外見九歳くらいで、ショートカットの茶色い髪に水色の瞳をした少女。服装はどこかの学校の制服を改造して黒くしたような感じで可愛いんだけど、無表情でクールな先生は何を考えているか一切分からないんだよね。

「おはようございます」

「「「「おはようございます!」」」」

「出席はいりませんね。では、さっそく授業に入ります」

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 礼をした後、シュテル先生の指示に従う。

「ブラレスは私のブラスターを破壊するか、逃げ続けてください」

「おうっ!」

 そう言って、シュテル先生が赤い半径十五センチくらいの念弾を多数作り出してブラレスさんに放った。

「エナとロナは、いつも通り温度操作の練習ですね。素早く低温と高温の念弾を作る事と、出せる温度の限界を伸ばすことです」

「「分かりました」」

 二人は修練場の端のほうに向かっていきました。二人の練習は色々と危ないからね。

「さて、ユウキですが…………今日から系統別の修行ですね?」

「はい、よろしくお願いします!」

「わかりました。まず、各系統について説明します」

「はい」

 シュテル先生が黒板を持ってきて、図形を書きながら説明してくれた。

「念能力は、オーラの使われ方によって6つの系統に分類されます。念能力者は例外なくこれらのいずれかの系統に属した性質を持っており、それがその者の才能でありその系統の能力を最も高いレベルまで身に着けることができます。これらは六角形の図で表されるような相関関係を持っており、それぞれ相性の良い系統・悪い系統が存在しますので、自身が属する系統と相性の良い系統は、天性の系統には及ばないまでも高いレベルで身に着けることが可能であり扱う際の威力・精度共に高いのですが、そうでない系統…………つまり、本来の系統から遠い能力ほど習得できる念のレベルと共に念の扱いが不得手となるために威力や精度が落ちます。だから、得意分野を身に着ける事が一般的ですね。ここまでは、いいですか?」

「はい、大丈夫です」

「では、続けます。念能力の中には複数の系統の能力を必要とする能力が存在しますが、相性の悪い系統を組み合わせた能力は習得が困難であり、高いレベルまで完成させられないなどのデメリットが存在します。そのため、能力を身に着けるならば自身の系統にマッチしたものが良いとされるが、実際に身につける能力がどんなものになるかは本人の性格や嗜好にも強く左右されるので正解はありません」

「自己責任で自分にあった能力を決めろって事だね」

「そうです」

 ボクがシュテル先生の話をメモしていると、修練場を揺らす程の爆発音や温度の落差が激しくなってきた。

「次は系統についてです。確りと聴くように」

「うん」

「まずは強化系です。強化系は、モノの持つ働きや力を高める能力ですね。主に自分自身の身体を強化する能力者が多いです。その理由ですが、自分自身を強化すると、攻撃力だけでなく防御力や治癒能力も高まるため、戦闘面では最も安定しているからです。
 簡単に言うと、単純で一途な熱血馬鹿です。例はそこにいる馬鹿のブラレスです」

「毒を吐くよね」

「口答テストで赤点なのですから、当然です」

 ブラレスを観ると、赤い念で出来た念弾を必死に避けながら、オーラを練って拳に溜めていく姿が観えた。
 ブラレスが飛来した念弾を避けた瞬間、硬で右手に纏った拳で念弾を殴りつけると、修練場が轟音とともに自身のように激しく建物全体が振動して、視界が赤い光に染まった。

「しっかりと念弾に込められた念の量を、観るべきでしたね」

 光が収まった修練場の床には、半径百メートルもの巨大なクレーターが出来ていました。

「し、死ぬかと思った…………」

「堅を解いていたら死んでいましたね」

「大丈夫?」

 ブラレスは全身ボロボロで、身体中から黒くなっているんだけど…………死なないよね?

「ちょっと無理かも…………」

「では、死になさい」

「ちょっ!」

 瞬時に飛来する赤い念弾は、容赦をしらない。
 うん、シュテル先生はスパルタなんだよね。本当に死に掛けるギリギリまで何もしないしね。

「ユウキ、続きをしますよ」

「うん」

「放出系とは、通常は自分の体から離れた時点で消えてしまうオーラを、体から離した状態で維持する技術の総称です。この系統の能力としては、単純にオーラの塊(=念弾)を飛ばす技が最もポピュラーですね。また、体外に離した人の形などに留め操作系の能力で操作するという使い方もあります。具現化系や操作系などと併用されることが多い系統となります。
 私は放出系が得意です」

「だよね」

 そうじゃなきゃ、念弾が強化系の硬に打ち勝つなんてまず無いよね。

「次に、変化系ですが、これは自分のオーラの性質を変える能力です。オーラに何かの形をとらせる技術も変化系に分類されるで、使い勝手はいいですね。オーラ自体を別の何かに変えるという点では、具現化系と共通点のある系統でありますが、変化系はオーラの形状と性質を変化させ、具現化系はオーラを固形化させ物に変えるという違いがあります。具現化系と同じく、オーラを別の何かに変えるには、その何かに対する強いイメージが不可欠であるので訓練が大事です。
 操作系は、物質や生物を操る能力です。オーラ自体に動きを与える能力や、他の何かにオーラを流し込みその動きを操る能力もありますが、前者である場合、具現化系・放出系など他の能力と併用することが多いですね。逆に後者の場合は操作系能力単体で完結することも可能であるが、道具などを操作する能力である場合、道具に対する愛着や使い込みが能力の精度に影響することが多く、その道具を失うと能力が発揮できなくなるリスクがあります。
 これの例は、エナやロナですね」

 二人は、超高温と絶対零度の冷気をぶつけあている。

「二人は変化系と操作系を使って熱エネルギーを操っています。特質系だから出来る芸当でもありますが、基本的に変化系と操作系に分類されますね」

「凄いね」

「さて、具現化系ですが、これはオーラを物質化する能力ですね。オーラに形を持たせるという点では変化系と共通する部分がありますが、オーラを物質化するほどに凝縮するには相当に強いイメージが必要です。そして、物質化したものに特殊な能力を付加する者が多いですが、人間の能力の限界を超えたものは具現化できません。例えば、なんでも防げる盾とかです。
 具現化系はだいたいこんな感じですね」

 シュテル先生が指を鳴らすと、オーラが放出されて先ほど出来たクレーターが何事も無かったかのように、瞬きする間も無く消滅し、元通りとなった。

「修練場ってシュテル先生が作ってたんだ」

「ええ、具現化能力で作りました。念能力には強く作ってありますが、物理攻撃には脆いので気をつけてください。といっても、普通のビルくらいの強度はありますが」

「うん」

「最後に特質系ですが、他の5系統に分類できない特殊な能力ですね。血統や特殊な生い立ちによって発現します。他の系統に属する者でも後天的に特質系に目覚める可能性もあります。特に特質系と隣り合う操作系と具現化系の能力者が特質系能力に目覚める可能性が高いとされているので、この位置になります。
 血統に関してはクルタの血族がそうですね。エナとロナは熱の操作ですね…………正確には分子の操作でしょうが…………」

 シュテル先生の口からボソッと凄いことが聞こえてきたけど、聴かなかったことにしよう。

「まぁ、クルタ族は緋の目になると特質系が多いです。さて、ユウキの系統を調べましょうか」

「どうやってやるの?」

 わくわくが止まらないよ!

水見式(みずみしき)という物を使います。これは、グラスに溢れるぐらいの水を入れて、その上に水に浮く葉っぱを浮かべ、両手をグラスの脇にかざし練を行います。すると、何かが変化しますから、自分のオーラがどのタイプに属するがか分かります。心源流に古くから伝わる方法とビスケがいっていましたし、確実に判明します。
 どんな変化するかはこの表通りです。
 強化系は、グラス内の水の量が変化します。
 放出系はグラス内の水の色が変化します。
 変化系は、グラス内の水の味が変化します。
 操作系は、水面に浮かぶ葉っぱが動きます。
 具現化系は、グラス内の水の中に、不純物が生成されますね。
 特質系は、他の系統以外の変化が起きます」

「分かった。やってみるね♪」

 溢れるぐらいの水が入れられたグラスの上に、水に浮く葉っぱを浮かべて、両手をグラスの脇にかざし発を行うと………………水に浮かんだ葉っぱが二枚に増えて、さらに四枚になって、四枚が八枚に…………八が十六に、十六が二百五十六枚になっちゃったよ。

「間違いなく特質系ですね。葉っぱが増えるという事は、念が増える……………いえ、話を聴いた限りでは、観ただけで念を理解していましたね。という事は……………」

 シュテル先生が考え込んじゃったけど、どうなんだろう?

「ユウキ、発を行いながら集中してエナとロナを見続けてください」

「うん、分かった」

 それから、ボクは一時間ほど二人を観続けていると、頭の中に熱の操作の仕方が浮かんだ上に、身体中のオーラが少し増えた感じがした。

「???」

「ユウキ、試してみなさい」

「うん」

 シュテル先生に言われたとおりに、頭の中に浮かんだ操作を実行して一部の領域の温度をマイナスにすると水分が氷結し、氷の塊が出来た。

「ユウキ、貴女の特質系としての力は観る事で自身の力とする念能力です」

「それって、本当? あの七実さんと同じ能力?」

「それが誰か分かりませんが、間違いありませんね」

 ふぅ、ボクの念能力は間違いなくチートだね。

「その能力を鍛えるのは簡単です。他人の念を何度も良く観て、理解を深めるといいです。それだけで、ユウキは強くなれます」

「うん。じゃあ、ロナとエナを観てるね」

「分かりました。では、私が三人の相手をしましょう」

「お願い」

 それから、ロナ、エナ、ブラレスさんの三人対シュテル先生の戦いが始まったけど……………この人、間違いなく化け物だよ。

「どうしました? まさか、その程度で終わりなのですか?」

「んな訳あるかっ!?」

「「かなり危ないけどね」」

「そうですか、では……………ディザスターヒート」

 シュテル先生の周りに、深紅の念で出来た炎の様に輝く直径三十センチの球体が三つ作り出され、それぞれに向かって一発ずつ放たれた。
 その球体は生きているように三人を飲み込み、焼き尽くそうと貪欲に迫る。

「頼むぜ!」

「ええ、ブリザード!」

 超低音を生み出すことで、温度差による暴風と低温による雹や吹雪を生み出して、深紅の球体にぶつけた。
 二人の力がぶつかり合い、失明しそうな程の閃光がした後、二つの力は消滅していた。

「喰らえ、星皇刃(セイオウハ)!」

「甘い」

 ブラレスさんがシュテル先生の背後から、足にオーラを収束させて回し蹴りを放ったけど、シュテル先生が具現化させた頭部に三日月のようなのが付いた杖で、蹴りの軌道を変えてブラレスさんの足を掴んでエナのいる場所に投げた。この攻防は微か十秒。

「うぉっ!?」

「ちょっと、来ないでよ!?」

 二人が絡まって倒れた。
 ロナはどこにいったんだろう?

「む……………」

「うわぁ〜」

 ロナは遠くの位置で、金色に輝く小さな太陽のような熱量を持った五メートルもの球体を作り出していた。

「行って、ソレイユ!」

「集え、明星……全てを焼き消す焔となれ! ルシフェリオン、ブレイカー!」

 瞬時に収束されて放たれた三メートルの深紅の奔流は金色に輝く太陽を撃ち貫いて、太陽を鼓膜が破れるような轟音と共に消滅させた。

「私の勝利です」

 いきなり、空を飛んで三人に杖を向けるシュテル先生は化け物だと思う。

「それにしても、変化系を使って空を飛んでるみたい」

 しっかりと覚えさせていただきました。

 それから一年間、シュテル先生に修練をつけてもらった。



 一年後、シュテル先生は旅に出た。
 そもそも、お母さんの知り合いなだけで、クルタ族でもないから、一年と少しくらい遊びに来ていただけらしいから、仕方ない。

「私に会いたければ二年後に天空闘技場まで来てください」

 と言われたので、今度こそ勝ってやると思っているボク達だ。


 決意してからさらに半年の時間が流れた。

「よ〜し、洞窟いってくるね」

「いってらっしゃい」

 お母さんに挨拶してから出かける。



 この頃の日課は、朝ご飯を食べたら山頂の洞窟に行くことなんだよね。
 もちろん、修行をしながらだよ?
 シュテル先生との戦闘訓練のお陰で飛行できるようになったしね♪
 え? どうしたかって? それは、簡単で翅を具現化させたんだよ♪ 翅はALOで散々お世話になったから目を瞑っていても身体の一部として認識できるから、具現化は容易かったよ。飛行能力は翅自体に付与した重力操作によるものになるんだけどね。

「やぁ、今日も山に行くのかい?」

「うん、そうだよ。どうなの?」

「私は剣の修行だな」

 この人はこないだ知り合った十二歳くらいの人。金髪碧眼のお兄さん(?)で、集落の人には結構人気みたいだよ。

「しれじゃ、気をつけてね」

「は〜い」

 お兄さんとボクはそれぞれの目的の為に移動を開始した。

「あっ、また名前を聞き忘れちゃった…………」

 まぁ、いいや。それより早く行こう。あの子もまっているしね。



 そして、直ぐに山頂の洞窟へと到着しよ。やっぱり空は気持ちいいの。

「まだ生まれてないよね?」

 さて、ボクがここに来ている理由は簡単で、ブラックドラゴンの卵の様子観だよ。

「ボクが君のお母さんを殺しちゃったから、責任はとらないとね。ううん、見つけたからだね」

 こないだ来た時に、偶然卵を見つけたんだ。ただ、半分は三個の内二個は死んでいたけど。

「お母さんに許可も貰ったから、今日は連れて帰るから安心だ」

 ボクは掌サイズの竜の卵を持ち上げて、具現化させたインペリアルエッグの中に竜の卵を入れた。
 この竜の卵はオーラを吸って生きているのか分からないけど、卵に触れた瞬間にオーラを吸い取られていく。だから、具現化させたインペリアルエッグにバトルヒーリングで回復するオーラを注ぎ続けるんだよ。後は首から提げてるだけでいいからね。

「さて、修行あるのみと」

 ボクは洞窟の中で一人訓練をする。
 皆はシュテル先生との修練が終わったから、正式に警備隊の仕事に付いたから、基本的にボク一人だ。

「さみしいけど、ボクの力は危険だから仕方無いよね……………よし、鍛練あるのみだよ!」

 まずは、全身に堅を最大出力で行ってから、右手にロナから倣った永遠の炎(エターナルブレイズ)を発動し、数千度という超高温高熱の金色に輝く小さな球体を作成する。
 次に、左手にエナから倣った究極のゼロ(アブソリュート・ゼロ)を発動し、マイナス数千度という超低温低熱の銀色に輝く小さな球体を作成する。
 洞窟の右側は炎の世界となり、左側は氷の世界となる。

「この二つを合わせると……………」

 超高温高熱と超低温低熱が混じり合い、純白となったところで…………………………いつも通り、爆発した。

「あぅ〜まただよ〜」

 地面に寝転がって、頭を抱えてゴロゴロする。
 やっぱり、ドラゴンクエストって漫画で読んだメドローアは出来ないのかな?

「堅が無いと確実に死んじゃうし……………」

 まぁ、嘆いても仕方ないしがんばろう。

「次は星皇刃だね」

 これはブラレスさんから倣ったんだよね。硬で集めたオーラを刃のようして纏い切断する格闘タイプの念。

「よっ、はぁっ、とうっ!」

 一通り、体術スキルを星皇刃を使いながら訓練をして終了。

「後は先生の念だね……………」

 放出系はボクの力を使っても苦手だけど、がんばろう。

「ふぅ、こんなもものかな……………暗くなってきたし外に出よう」

 夜の帳が下り、洞窟を出たボクの目には信じられない光景が広がっていた。

「空が燃えている……………」

 眼前に広がったのはオレンジ色に染まった夜空。

「集落が……………燃えている……………お父さんっ、お母さんっ!?」

 ボクは全力空を飛び、集落へと向かった。







 
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