ALO×HUNTER×なのは
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転生×覚醒×襲撃②
ボクが集落にある家に到着したとき、そこは地獄だった…………家は火が放たれ、みんなの目は抉り取られて殺されている。
「そんな…………」
「…………ユ…………ウ…………キ…………」
ボクの耳に聞きなれた声が入ってきた。
「お母さんっ!」
ボクは瓦礫に埋まったお母さんを見つけて、慌てて瓦礫を退けて救い出した。
「だいじょ…………っ!」
お母さんの両足は無くて、肺にお母さんの剣が突き刺さっていて…………両足と剣の刺さった場所は、真っ黒に焼けていて、その周りに血の水溜りが出来ていた。
「もう、無理みたいね…………ごほっ」
「そんな…………」
念を送って回復を促しても、全然回復しない…………ぐすっ。
「…………いいから…………ユウキは地下室にある物を持って…………早く…………逃げなさい…………」
お母さんは辛そうに顔を辛そうに顰めながら、ボクの事を心配してくれる。
「お母さん…………」
「…………ちょっと、早いけど…………それが…………最後の誕生日ぷれぜんとだから…………かならずよ…………」
「何言って…………」
ボクの身体がお母さんの暖かい念で包まれた。
「おっ、まだ生きてやがったか…………それに、餓鬼までいやがるな」
ボクが後ろを振り向くと、炎を纏った剣を持ってこっちに近づいて来た茶髪の男が見えた。こいつがお母さんをこんなにした奴だ!
「こいつはついてやがる! 餓鬼の方はちゃんと緋の目が発動してやがる…………くっくくく、お前の父親と同様に、緋の目を奪ってやるから安心しな」
「そんな事は…………私がさせない…………」
お父さんが…………死ん…………だ?
「おい、何してやがる!」
「時空跳躍…………かはっ!」
「お母さんっ!」
ボクはお母さんの発により、強制転移させられた。
「ちくしょうっ! どこにやりやがったっ!」
次にボクの目の前に現れたのは、お母さんとお父さんの地下にある仕事部屋。ここは、ボクが立ち入りが禁止されてい場所。
「………………………………おかあさん……………………おとうさん………………ぐすっ………………ボクはまた両親を失った………………………………」
ボクの頭の中には六人の顔が思い浮かび、膝を抱えて声も気にせずに泣き出した。
次に現れたのはお父さんとお母さんを殺したアイツの姿。
「……………ゆる…………さ…………ない…………絶対に…………赦さない…………殺してやる…………」
決意を新たに立ち上がって、周りを見ると作業台の上に包装された四角い箱と細長い箱があった。
「……………これが、お母さんの言ってた誕生日プレゼント……………」
箱にはメッセージカードが挟んであり、読んでみると誕生日おめでとうという祝いの言葉と、生まれて来てくれた事に関する感謝の気持ちが書かれていた。
「……………お母さん……………お父さん……………ぅぅ……………」
眼から涙がまた溢れてきた。
泣きながら四角い箱を開けてみると、昔にボクがお母さんに見せたALO時代の愛用していた装備品と似た服が三着出てきた。青を基調にして、赤いベルト、首には十字架のマークが入っている。
「胸当ては無いけど……………裏地に念字で防御力を高めている……………それに、仕様書通りならこの服はブラックドラゴンの素材が使われているし、この服自身もオーラを放ってる」
机に置いてあった仕様書には、ブラックドラゴンの心臓の半分と鱗を溶かして糸に染み込ませて作ったみたい。
「もう一個は……………やっぱり、漆黒の刀身の片手剣……………」
こっちも、ALOで愛用していた黒曜石の片手剣に似ていてしっくり来る。今回は黒曜石とブラックドラゴンの心臓の半分、牙、爪を使って作られた。
こっちも、念字がびっしりと刻まれていて剣自身もオーラを放っている。
銘はノワールって書いてある。
「また、ボクに力を貸してね……………みんな……………」
これは、ALOの装備じゃないけど、お母さんとお父さんやみんなの思いが篭っている大事な装備達にボクは着替えて装備する。
「よし、行こう!」
ボクは音が鳴るほど頬っぺたを叩いて気合をいれ、お母さんの念能力時空跳躍を使って外に出た。
外に出たボクを待っていたのは炎の嵐と、それを起こした茶髪の男ともう一人の人影だった。
「やっと出て来きたわね」
「だからいったろ? 燃やしちまえば出てくるってな」
ボクが炎から抜け出した時、眼に入ったのは目を抉り取られた知っている人の顔……………もう、動かないエナとロナの切断された頭を持っている銀髪の女。
「なっ!?」
「ん? この娘達は知り合いだったの?」
「なら、安心しな。先に天国に行ってるってよ! キャハハハハハハ!」
そんな……………二人が……………死んじゃったなんて……………また、お姉ちゃんとお母さんの時と同じでボクは何も出来なかった。
「おい、何してやがる。団長からそろそろ戻って来いって連絡が来ただろう」
巨体で毛深い野性的な外見をした大きな男がやって来た。
「ああ。今、隠れていた小娘をあぶりだしたところだ」
「ほぉーー」
「だから、ベレイドが終わるまで待っててウボォーギン。どうせ、私達幻影旅団にはかなわないんだからね。あと、これ持って行っておいて」
「まぁ、いいだろう。俺から団長に伝えておいてやるよ」
大きな男は、銀髪から二対の緋の目を受け取って、背を向けて去っていく。
「という訳だ。とっとと死でくれ」
「……お前……が……死……ね……」
「ん? 命乞いか?」
ボクはパッシブスキルを全て起動し、コンセントレイト、明鏡止水などのアクティブスキルも起動する。
「跳躍(ジャンプ)」
時空跳躍で、空中に移動し絶と隠密を使用して気配を消して念の翅を作り出し、鷹のように空から獲物目掛けて一気に降下する。
「どこ行きやがった!」
「っ!? 避けなさいウボォーキンっ!」
「ん?」
大男が振り向いてけど、もう遅い。
ボクは加速しながら接近して、身体を捻って全身の力を乗せた抜刀術を放つ。
「ちぃっ!」
大男は声に反応して、飛びのきながら瞬時に念による防御を行った。これにより、軌道がずれたので、仕方無く修正し別の目標を捕らえる。
ボクの剣は大男の緋の目を持っていた腕を切り落とした。だから、そのまま緋の目のケースを掴んで、回転した勢いのまま回し蹴りを大男のお腹に叩き込む。
「ぐっ!?」
大男は吹き飛ばされ、燃えている家の中に消えた。その時に、音の壁を越えた衝撃が二回響いた。
「てめぇ……………」
「大丈夫……………なようね」
「くそがぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!」
家を吹き飛ばしながら大声をあげる大男を冷めた眼で見詰め、ケースについていた腕を遠くにおもいっきり放り投げた。
「ぜってぇ……………殺してやる!」
「やめろ。こいつは俺の獲物だ」
「そうよ。それに、貴方はとっとと腕を拾って糸使いのお嬢ちゃんに治して来て貰いなさい」
「ふざけ・・・・・・・表」
銀髪がコインをどこからか取り出して投げた。それを観た大男が即座に答える。
「裏だ」
「ベレイドの勝ちね」
「ちっ、しゃぁねぇな……………その代わり、確実に殺しておけよ」
「ああ」
向こうが何かを話している間に、ボクは緋の目をケースから取り出して、お父さんの念で異空間に繋げた懐に仕舞う。
「後で弔ってあげるから……………少し、待ってて」
「さて、二人でいく?」
「まさか……………俺だけでやるぜ」
剣に纏った炎を増大させて斬りかかって来る男。
ボクは自ら進んでその剣に自分の剣を合わせつつ、半歩進んで剣の軌道を変えて威力を後方に流す。
「へっ、無駄だぜっ!」
男の炎が剣から私に燃え移ろうとしてくる。
「アプソリュート・ゼロ」
「なっ、なんだこれはっ!?」
ボクはエナの念能力を使って炎諸共、男のまわり全ての分子運動をだんだんと停止させ、ゆっくり凍らせていく。
「やっ、やめろっ!」
「ベレイドっ!?」
「そのまま氷漬になって、苦しんで……………崩れて……………」
「このっ!?」
女は数百にも及ぶ大量の氷柱を具現化させた。その氷柱をボクの上に雨のように大量に降らせた。
ボクは左手を上に向けて殴るように突き上げながら、ロナの念能力を使う。
「エターナルブレイズ」
男に付いている氷に影響が出ないように、ボクの背後から金色の炎の柱が噴きあがり、一切の抵抗すら許さないほど瞬く間に氷柱を消滅させた。
「化け物ね……………」
「こっ、こいつ特質系かっ!?」
「みんなの苦しみをちゃんと味わって死んで……………」
「あづっ!?」
女は、永遠の炎が苦痛を与えながらゆっくりと身体を焼いていく。
男は、究極のゼロで身体がゆっくり凍りつき、崩れていく。
どちらも、激しい苦痛を伴うけど、ボクはお母さんやお父さん、ロナにエナ……………集落のみんなを殺したこいつらを許す事なんてボクには出来ない。
「くそっ!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
精神的苦痛と肉体的苦痛を味わっている二人を放置して、ボクは円と索敵を使った二重捜査網で生命反応と次の敵を探した。
幻影旅団の糸使い
さっきから、なんだか嫌な予感がするね。
「どうした?」
「いや、ちょっと嫌な予感がしただけだよ団長」
「お前の予感はよく当たるからな」
「そうだぜ?」
団長にノブナガが聴いてきた。なら、答えようか。
「ここに留まると思うと、さっきから嫌な感じしかしないんだよ」
「それは、これに関係があるかも知れないね」
黒いマントを纏った小柄な奴、フェイタンが腕を持ってやって来た。
「それはウボォーギンの腕か?」
「多分、そうね」
「ウボォーギンの奴とまともに戦える奴がいるって事だよな?」
「そうね」
「なら、予定を繰り上げて戻るぞ」
団長が決定した時、空からウボォーギン本人が空から降って来た。
「なぁ、こっちに俺の腕が飛んでこなかったか?」
「飛んできたね」
フェイタンはウボォーギンの腕を私に投げてきたから、受け取ってやる。
「治療費は三千万でいいよ」
「治療費を取るのかよっ!」
「当然」
「マチ、頼む」
「団長の頼みなら……………仕方無い……………何あれ?」
私が観たのは、空へと昇る金色の炎の柱と巨大なオーラの力。
「ウボォーギン、報告をしろ」
「ああ、あそこにベレイドとエルネがいた」
「お前の腕を切り落とした奴は?」
「恐ろしく速い餓鬼だ。しかも、俺の防御をあっさりと抜いてきやがった」
さっきの予感はソイツのせいか。
「なら、二人は殺されたな」
「フィンクス、どういう事だ?」
「その餓鬼が集落を焼きながら、接近してきてんだ。しかも、ご丁寧にあの数万度だろう金色の炎がこの集落の周りを囲んで、纏めて焼き殺そうとしてやがる」
「それはまずいね」
「だな。耐えれない事は無いだろうが…………」
「確実に奪った品は消滅するな」
盗賊として、それは完全な負だからね。
「もう充分いただいた。この集落の周りが完全に塞がれる前に撤退する。殿はフランクリンとウボォーギンで頼む」
「了解した」
「おうよ!」
「仕方ないから、私は治療してから引いてあげる」
「すまんが頼むぜ!」
「では、行動開始だ」
さて、とっとと仕事をやるとするか。
ユウキ
進むボクの目は盗賊三人を捕らえた。
そして、その一人は糸を使って治療しているみたいだ…………それも念糸みたい。
だから、ボクは便利そうな念糸を素早く覚えた。
「闇より来たりて我が力となれ」
魔法を詠唱し、ノワールに闇属性を付与して戦場に向かいながらアプソリュート・ゼロで作り出した溶けない氷の槍を上空に大量に作り出して奴等に向かって放った。
「俺の両手は機関銃」
銃口のように改造した両手十指の全てから機関銃のようにオーラの塊(念弾)を連射して氷の槍を迎撃している。
もう一人のは大男は単純に殴って防いでいるし、もう一人の糸使いは逃げたみたいだ。
「コイツがそうか?」
「ああ………間違いないぜ! 本気で戦えそうな強い奴だ、てぇだすんじゃねえぞ!」
「馬鹿野郎、俺達は殿なんだ。援護するに決まってんだろ」
「うるせぇッ! 超破壊拳!」
「ジャンプ」
ボクは上空に飛んで、別の奴等を探す。殿を相手にする必要は無いから…………居た。
「特大なのをお見舞いしてあげる。集え、明星……全てを焼き消す焔となれ! ルシフェリオンブレイカー!」
シュテル先生のを見て覚えた念…………本人曰く魔法…………?。どっちにしてもボクには関係無い。
瞬時に収束されて放たれた三メートルの深紅の奔流は逃げていく一団に向かっていったが、何かに防がれた。
「お前の相手はこっちだ」
「くっ!」
念弾が多数こちらに飛んできたのをジャンプして避けて、念弾を撃ってきた奴の背後から切り裂きに掛かる。
「おらっ!」
「ぐはっ!?」
大男が乱入してきて、ボクを殴り飛ばした。
ボクの身体にかなりのダメージが来たけど、これくらいなどうにかできる。
「っ!」
飛来した多数の念弾をどうにか転がって避ける。
「どうやら戦い慣れていないようだな。隙がでかいし力に振り回されている」
確かにボクの身体はALOの力を持っているけど、肉体その物は子供でALOの時の動きが殆ど再現できていない。
「二人なら楽勝だってんだろ?」
「ああ。だが、経験を積まれるとまずい。確実に仕留めるぞ」
「一対一でやりたいがしかたねぇか」
これは本格的にまずくなって来た………けど、それなら逃げるだけ………ボクはここで…………いや、みんなの眼を取り返すまでは、絶対に殺される気は無いから。
「エターナルブレイズ」
「はっ、悪あがきか?」
「アプソリュート・ゼロ」
「待て」
「融合………」
「逃げろっ、これは不味いッ!!」
「くそっ!?」
「開放………ジャンプ」
辺り一帯が白い消滅の光に飲み込まれていった。
幻影旅団
「くそ、あの餓鬼、やってくれやがったな」
「地面に逃げなかったらまずかったな」
「地表は綺麗に吹っ飛んでやがる……………あの小娘の死体がねぇな」
「普通に考えたら死んでいるんだろうが、あれは例外中の例外だ。恐らく逃げられたな」
「探すか?」
「いや、団長と合流しよう」
「OK。あの小娘、ぜってぇ、今度会ったら殺してやる!」
「あの小娘は要注意人物だ。団員全員に通達すべきだな。戦闘に向いてない奴なら瞬殺されるおそれもある。少なくとも、俺達クラスの奴だ」
「だからこそ、楽しめるってもんだぜ」
「それは団長次第だ」
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