転生者拾いました。
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ノルン火山
混成軍
前書き
少し改正(10月3日)
翌朝、小屋の前に今居る全員を集めてもらいメンツを確認する。
人間、エルフ、犬狼人、猫人か。よくもまあここまで増えたものだ。
盗賊、山賊、奴隷商にヤミ商人。なんとも迫力満点な連中だよ、ホント。
「ヤローども!我らがリーダー、カズヤ・クロサキ様がこの城、ナハトガルにお出でなさったことはすでに知っているだろう。
ボス、これからも、我らバニッシュデーモンをお導きください。」
「「「Bosman Jahre(ボスマン ヤーレ)!」」」
なんとも騒がしい奴らだ。それにオレがボスとはな。気分はBI◯・BOSSか?ならここは差し詰めアウター◯ブンか。たしかにここは地獄でも天国でもない。唯一天国の外側ってだけは一緒か。これが終わればオレ達は地獄に落ちる。
しかし、オレ達に死は許されない。仲間を残して死ぬなど以ての外だ。
「すごい士気……。」
「ええ、圧倒されますわ。」
「まあ、勢いだけはいっぱしだから。」
万歳三唱が盛大に行われ、熱も最高潮に達した頃ここのリーダー格だったメンバーがオレの所にくる。
「ボス、何か御言葉を我らに御授けください。」
オレは神か何かか?そりゃあ、死神と呼ばれて長いが神になった覚えはない。
男の後ろにざわめくメンバーは期待に満ちた目でオレを見てくる。
「ボス。」
「わかった。わかったからそんなに見るな。」
そこら中から雄叫びがあがり熱気が最高潮に達する。
お立ち台代わりの木箱に上り連中を見渡す。しばらくして静かになった。
「久しぶりの奴もいれば初めましての奴もいるだろう、だから少し自己紹介をする。
オレはカズヤ・クロサキ。死神と呼ばれている。一度は聴いたことがあるだろう。」
再び雄叫びが上がる。オレは静まるのを待って続ける。
「オレは白光教会に喧嘩を売った。人間至上主義を掲げる連中だ。
オレも人間だが、この世界は人間だけのモノではないと考える。ここにいる所謂亜人族と共生してこそこの世界は動くと白光教会に思い知らせてやろうじゃないか!」
「「「おおおおぉぉぉぉお!!!!」」」
一際大きい雄叫びが森と崖を揺らす。
「オレ達はバニッシュデーモン。天使たちを死神と悪魔の手で葬ろうではないか!」
「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
……あいつらの喉、大丈夫か?
にしてもこいつらの心酔っぷり、どうかしてるぜ、まったく。
「「「Bosman Jahre!!!」」」
熱が冷めるのには一晩をようしたが出陣までは時間はまだあるはずだ。
その夜。寝室としてあてがわれた部屋に入り、いざ眠らんとしたとき壁に立てかけてあった剣の刃が揺らめいた。魔法かと警戒してベッドの後ろの棚から短剣を取り出しセリナとエリザを後ろに回す。
徐々に揺らめきは正確な波紋に変わり剣から感じられる魔力が増大する。
「来るぞ……。」
短剣に魔力を通して強化魔法を掛け警戒を厳とする。
波紋の中心から手が生えてくる。二の腕、肩に続いて銀の糸のような髪の頭が出てきた。
全身が剣から出てきてその姿をさらす。抑揚のない体と幼さの残る顔によく似合ったかわいらしい服装。だから一瞬誰かわからなかった。
「シルバさん?」
第一声はエリザだった。そして、現れたのは敵であるがエリザが必死に庇った白光教会の騎士、シルバ・ミラーだった。
「てめー、何のようだ。」
敵意むき出しでシルバを睨みつける。だが、シルバはゆっくりとした動作でベッドに近づいてくる。そして、端に足をかけて上りすぐ目の前まできた。
攻撃する時間はたっぷりあった。なのに攻撃できなかった。なぜなら、
「なんで脱いでんだよ!?」
一歩進むごとに彼女は上衣のボタンをはずし膨らみかけの慎ましい胸部をさらしながら近づいてきたからだった。
後書き
Bosman Jahre ボスマン ヤーレ 「ボス万歳」
寝所に現る銀の騎士
当惑する悪魔たち
次回 叫宴
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