異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
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第十八話 結局止めるのはワタシなのですネ・・・
前書き
お久しぶりです。比較的早く更新出来ました。
しかし、早く更新しても、三ヶ月以上かかっても書けるのは二千文字いくかいかないかって………。
兎も角、これで本当に二巻は終了です。今迄有り難うございました!
それでは、どうぞ!
………三巻、やりますけどね。頑張って。
―――火竜本陣営・春日部耀の個室。
魔王のゲームが終了した後、証は、呪いが解かれたものの疲労の残っている春日部耀を個室へ運ぶために向かった。久遠飛鳥も誘ったのだが、
「ごめんなさい。先に急がなければいけないところがあるの。春日部さんもお大事に」
と言われ、十六夜もどこかに行ってしまったので一人耀を背負って個室へと戻った。
「ふう、問題は何も無いよ。完治というか呪いも解かれているね」
「……そう、ありがとう。けどどうしてあの剣はペストの風を防いだの?」
「それはあの剣には………ん?」
ふと扉の方に目を向ける。すると控えめにドアがノックされる。
「はいどうぞ」
「……どうして証が応えてるの?」
「あ。」
ドアが開き顔を出したのは……
「「あ、」エミちゃん」
ドアから顔を覗かせたのは金髪の幼い少女。耀にエミと名乗った少女である。
「そ、そのお礼を言いたくて来たんですけど………、男の方もありがとうございました」
「知り合いなのか?」
「うん、魔王との戦いの時に助けた。証も知ってるの?」
「おう、魔王と戦う前に」
「………そう」
そこで話は途切れる、そこまで口数の多くない証と耀では話題が出せない。慌てたエミが取り繕うように話題をだす。
「そ、そうです! "サラマンドラ"が今回活躍したので白夜叉様から表彰されるらしいですよ!」
「ふーん、"サラマンドラ"がねぇ……?」
嫌味のあるしかめっ面で嗤う。サラマンドラ全体の茶番に付き合うはめになったのは不満ではあったが、魔王という存在と戦えたことと、自分と似た存在がいることを知ったのは有り難かった。しかしエミのフォローを無駄にしているのには気付いていない証。
「まあ、それは十六夜が調べてるからいいか」
「え?」
「なんでも、それでどうする? もう治ったんだし外に遊びに行っても大丈夫だよ?」
「うん、飛鳥と合流して遊ぼう。エミちゃんも」
「は、はい。ありがとうございます!」
その時、証は耀が先に部屋を出たために耀の表情を窺うことはできなかった。
▽
"ノーネーム"農園区。
「それでもしもだが………土壌の肥やしになるものがあったら、それを分解して土地を復活させることは出来るか? 廃墟の廃材とか、本拠の周りの林を肥やしにして」
おお? とメルンは考える仕草を取る。それはなかなかの名案だったらしい。
「………できる‼」
「ホント!?」
「かも‼」
ガクッ、と飛鳥は右肩下がりに気が抜ける。しかし試す価値はあるらしい。
ギフトカードを取り出した飛鳥は、ディーンを召喚して命令する。
短く無骨な返事のディーンと元気に飛び出して行く子供達を見送り、証も苦笑して伸びをしながら、
「んじゃ、俺も肥料でも作ってみようかな、美味しい料理に期待するか」
「へぇ? それもお前の恩恵?」
十六夜の軽薄な笑みと言葉に欠伸を止める。あくまで笑いながら、
「違うぞ。普通に学んだ技術だ。そんな発達した所にはいなかったからな」
「そうか? ……そういえば、一番面白そうなお前とは戦ってなかったな?」
「ノン、同じコミュニティなんだから戦うこともないだろ」
証は十六夜の誘いを苦笑して受け流す。十六夜は不満そうだったが、黒ウサギは二人の静かな闘志に冷や汗をかいていた。証が断ったことで内心ホッとする。
(なにしろ、止めるのはワタシなので戦って欲しくないのですヨ)
ウサ耳をへにょらせ、溜息をつく。この二人が戦うときはそう遠くないように思えた。
後書き
どうでしたか? ほとんど原作と違いは有りませんが。剣の説明は前回の後書きで、ということで。
そういえば十六夜と戦わせてないな(確信犯)。
いや、なにしろ相手はチートですから、どうすれば倒せるか悩んでたので。生半可なチートじゃ粉砕されますしね魔法効きませんしね刀通らなさそうですしね。
しかし、頑張って戦わせてみます! きっと勝たせてみせる‼
ホント、どうすれば勝てる………?
感想を頂ければ幸いです。
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