WvsA‘s ジ・ビギンズナイト
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Vとの激闘・鉄槌と鋼鉄
「姿が変わった…?」
吹き荒れる疾風に何とか絶えきったシグナム。そして、彼女の前には左側が黒く右側が緑のライダーがスカーフをなびかせながら立っていた…。
(この間の姿と酷似している…)
シグナムはつい先日、戦った仮面ライダーサイクロンを思い出す。だが、だからといって能力が同じと判断するのは危険だということは彼女も勿論、承知である。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「!!ヴィータ!?」
突然、彼女の横をヴィータが駆け抜けグラーフ・アイゼンで殴りにかかる。
「姿変えようと先手をとっちまえば…!」
そのまま、アイゼンを振り降ろそうとしたヴィータだったが…
『翔子!!』
「オーライ!」
跳躍され軽く避けられてしまう…。
「うわ…危な…!」
「何の!!」
しかし、ヴィータも空中のWを追跡する。
「ヤバい!!」
焦る翔子だが…
『なら…』
Wはドライバーの右側のメモリをサイクロンメモリから黄色のメモリに入れ替える。
『ルナ・ジョーカー!!』
そして、Wドライバーを再び両サイドに弾くとWのスカーフが消え、右側が緑色から黄色に変化する。
『はあ!』
そして、右腕を振るうと鞭のようにしなり、ヴィータを襲う!
「ぐあ!?」
ヴィータも何とか受け流すが衝撃によって壁に叩きつけられる。
「ヴィータ!」
助太刀に回ろうとするシグナムだが…
スカルが立ちはだかる…。
「これはアイツ等の戦いだ…手出しするなら容赦しないぜ…。」
スカルはスカルマグナムを構える。
「く…」
シグナムも感じていた…。今、ここで戦うのは得策ではないと。空中に上がればあるいはといった所だが…元より近接特化している自分では距離が離れてしまうし、射程の長い技は無いわけでは無いが大技であり、消耗も半端ではない。そこをスカルマグナムで迎撃されたら終わりだ…。
(なら、地上で…)
とも思った…。しかしこれも間合いが広いとこちらが不利だ。
(仕方ない…ヴィータに任せるか…。)
沈黙するシグナム。彼女はヴィータは弱くは無いことを知っているのでしばらく様子を見ることにした…。
しかし、彼女は後ろから忍び寄る人影に気づかなかった…。
一方、Wとヴィータ激戦を繰り広げていた・・。
「ナイス!フィリップ!!」
フィリップを誉める翔子。
『油断しちゃダメだよ。』
「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
しかし、ヴィータは瓦礫を押し退け再び猛攻を仕掛ける。
「フィリップ!!何か武器は!?」
『ジョーカーからメタルに替えるんだ!!』
フィリップの指示に従いメモリを替えようとドライバーに手をかけるW。
「ごちゃごちゃうるせえ!」
だが、ヴィータの猛攻がそれを許さない。
『レディの顔を殴りたくは無いけど…』
そう言うとアイゼンをバック転でかわし、距離をとるW。その際に肩肘をついてしまう。
「終わりだ!」
ヴィータはアイゼンを構え直す。
「カートリッジロー…」
『かかったね…』
「!?ぐあ!」
しかし、一撃で決めようとしたヴィータに黄色い拳が襲う。それは何と地面から伸びていた。フィリップが着地した瞬間にあらかじめ忍ばせていたのだ。反応が遅れた彼女はモロにアッパーを食らう。
『翔子、今だ!』
「これで良いのかな…」
『ルナ・メタル』!!
左側のメモリを鉄のような銀色をしたメモリと替えるW。電子音声が鳴り響くと左側がメモリ同様の銀色に変わる。
「舐めた真似すんじゃねぇ!」
頭に血が昇りきったヴィータがアイゼンを振るう。
「くっ!」
翔子も体を動かそうとしたがなぜか先程より体を重く感じる。
ガン!!
ギギギギギギギギギギ!!
両手を交差し、防御するW。その際、ぶつかり合う摩擦音が響く。
「パワーで私と勝負とは良い度胸じゃないか!」
「くっ…」
徐々に押されていく。踏み込むアスファルトにビビが入る。
『翔子、メタルシャフトを使うんだ!』
ヴィータの攻撃をなんとか受け流し背中の棒状の武器に手をかける。ヴィータもアイゼンを振るおうとしたがWが速かった。
「「はっ!」」
「っ!!」
抜かれた武器は鞭のようにしなりヴィータを叩く。彼女は叩かれた勢いで地面に転がる。
この武器こそ『メタルシャフト』である。
「フィリップ…これってもしかして…………」
『そう、僕(右側)が属性を司り、君は武器担当だよ。』
良くできてるな…感心をする翔子。
「てめ…」
「てい!」
「ぐはあ!?」
立ち上がろうとするヴィータに容赦無くメタルシャフトを振るW。ヴィータは防御に徹するに精一杯で反撃出来ない。
『よし、一気に決めよう!』
Wはメタルメモリを抜くとメタルシャフトのスロットに差し込む。
『メタル・マキシマムドライブ!!』
電子音声が鳴り響く。
「「W・ルナバスター!!」」
必殺技の名を高らかに叫ぶとメタルシャフトが激しく龍のようにうねり、ヴィータを襲う。
「!」
ヴィータも回避をしようにも消耗した体力では体が言うこと聞かない。
(ごめんなさい…はやて…………)
ヴィータはやられることを覚悟したその時…
「「「!!」」」
何者かが割って入りメタルシャフトを止める。浅黒く白色の髪をした大男だったが青いフサフサとした耳は決して人間のそれでは無い。
「ザフィーラ!!」
ヴィータは驚きの声を上げるが…
「シグナム!後ろだ!!」
「!」
ザフィーラと呼ばれた大男はシグナムに叫ぶ!シグナムは反応し、後ろを見るとスカルと黒いハット帽の男と組み合っていた…。
(私が……今まで気付いていなかった…だと…!?)
確かに戦士としてはかなりの経験のあるシグナム。しかし、その彼女が気付かないとなると…
(かなりの…手練れ…)
確実にスカルがいなければ今頃どうなっていた事か…
「コイツの相手は俺だ…」
スカルは援護を不要と言わんがごとく言い放つ…
「おや?良いんですか?」
謎の人物が挑発するように呟く…。
「貴様の相手は俺じゃないと務まらないだろ?」
「それはどうですかね?」
男は顔を上げる。月明かりに照されて凶悪な笑みを浮かべた鍵鼻の悪人相な顔つきが垣間見えた。
『ウェザー』!!
「貴方でも務まらないかも知れませんよ?」
男は銀色のWと似たメモリを懐から取り出すとボタンを押し首に差す。
「「「「!!」」」」
すると、メモリは男に吸い込まれていき男の姿が白い怪人に変わる。
『不味い!ドーパントだ!!逃げろ翔子!!』
「遅いです…。」
「「!!」」
翔子の反応より一瞬早く怪人が右手を向けると絶対零度の吹雪が放たれる。
「「ぐあ!?」」
回避することも叶わず直撃を食らうW。その体の殆どが凍てついている。
(マジかよ…)
戦慄を覚えるヴィータ。いくら迂闊な行動をしたといえど自分の苦戦を強いられた相手をこうも簡単に圧倒する存在…。しかも、明らかに自分達には友好的では無い。
(どうする……)
相手は氷雪系の攻撃をするとして間違いないだろう…。
(しゃあねぇ)
シグナムなら炎熱系の技をもつがここは戦況が悪い。
「シグナム!ここは一旦…」
ヴィータが撤退を支持しようとした時…
『ヒート・メタル!!』
電子音声が鳴り響く。
「全く…やってくれるじゃない…」
「な…!?」
右側が赤くなったWが立ち上がる…。凍てついていた部分も蒸気をあげながら溶けだしている。驚きを隠せないヴィータ。
「おじさん…どこのどなたか知らんけど、随分良い度胸してんじゃない。」
やせ我慢が見え見えの挑発をみせる翔子。
「ほう…まだ立っていられたとは…」
感嘆の声をあげる怪人。
「舐めんじゃないわよ!」
Wはメタルシャフトを振り回し怪人に突っ込んでいった…。
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