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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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抱え込む少女2

sideなのは

私の名前は高町なのはです。
今、ブランコに乗っていた私の前には二人の男の子が喧嘩をしています。
何でこんな事になったかというと………。



ー回想ー

「………………」

お父さんが怪我をして病院に入院しちゃったの。
お母さんやお兄ちゃん達は忙しくて毎日が大変そうなの。
私はわがままで迷惑をかけたくなくて、
友達と遊ぶといって何時も一人公園に来るの。

でも今日は違った…。
金髪で目の色が右と左で違う男の子が気持ち悪い笑みを浮かべて話しかけてきたの。

「よぉ、なのは!俺と一緒に遊ばないか?(ニコ)」

気持ち悪いの、何でなのはの名前しってるの?
会ったこともないはずなのに……。

「よぉ、なの……おい!モブ!俺のなのはに何してんだ!」

おんなじような人がまたふえたの……。
今度は銀髪でまたまた目の色が違う男の子。
流行ってるのかな?

ー回想終了ー

早くどこかに行かないかなって下を向いてため息を付いたとき、
ドサッと何か倒れる音がしたの。
顔を上げてみたらさっきの男の子達が倒れてもう一人男の子が立っていたの。

何ていっらいいか分からないけど、カッコいいと思ったの。

sideユウジ

やれやれ、こんな公共の場所で何をやらかすつもりだったんだか。
神に何の力を貰ったか知らんが公園ふっとばすきかよ…。
取りあえずブランコ女の子に目を向けると…………目があった。

「………」

「………」

長い。長すぎるぞ沈黙。
しかしふと気がついた。
この子は何か願いを持っている。
ならばする事は一つだ。
願いを聞き出し、それを叶え、悲しみを取り除く事。

「あー…えー…うん、災難だったな」

俺の言葉に女の子はビクッとなったがおそるおそる言葉を紡いだ。

「だ、大丈夫なの」

正直無理してるようにしか見えない。

「ふむ、何で泣いてんだ?」

「ふぇ!?泣いてなんかいないの!」

少女は目のあたりを確認するが涙なんて出ていない。

「いやいや、顔に出ていなくても心が泣いている。
何か悩みがあるのだろうが、ソレを聞いてはいけないだろうかな?」

ちょっとストレートすぎたか?
何て思ったが少女は図星を刺されたかのようにまた俯いてしまった。

やがて口を開き、
「貴方には関係ないの」と言った。

「なるほど…じゃあその悩みを解決するといったら?
話してくれないか?何を悩んで居るのかを」

少女は解決の言葉に反応し、口を開いた。

「そんなのできるはずないの……。
…お父さんを治すなんてできるはずないの!
何でほっといてくれないの?!なのははいい子にしてなきゃいけないの!
良い子にしてればお父さん帰ってくるってお母さんが言ってたの!
だからだからお母さん達に迷惑かけないように一人でいたのに!
邪魔しないでよ!ほおっておいて!」

少女は息をきらしてハアハア言っている。
しっかし、良い子…ね。
最近の子供は健気と言うか、思想が激しいと言うか…。

「ふむ、残念だが君の[良い子]という概念は間違っているな「!?」
子供に置ける良い子とは、大人しくすることではなく親等に甘える事で成り立つ。
君は自分がいらない子だと勘違いしてはいないか?
もし良い子で居ようとするのなら親に甘え、よく食べ、よく寝る
それが一番だと俺は思うがね?」

少女は頭が追い付かないようで困惑の表情を浮かべやがて静かに言い放つ。

「じゃあ……何が…あなたに何ができるの?」

「君と君の家族の間を救うことができるな」

即答で言ってやった。

「何でそんなに…「悲しみの念を見過ごせないんでね」…悲しみ?……念?」

子供には難しい言葉だったかな?
まあ、軽く自己紹介でもしておこうかね。

「俺は…そうだな…願いを叶える者。
俺にできる範囲でだが、出来ないことはほとんどないよ」

俺にも嫌いな物とか苦手な物はあるからな。
そして再度俯いている少女は、やがて俺のの目を見て言った。

「じゃあ…助けてよ……お父さんを助けてよ…」

涙を堪えるように弱い声で願う。
ソレを聞いたら黙ってはいられない。

「承った…じゃあ早速案内してくれないか?その親の所に」

そして二人は病院へ歩き出した。
道中言葉をかわさずに、ただ黙々と歩いた。  
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