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妖刀使いの滅殺者

作者:雨の日
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第35話


「つー!今日もデュエルかぁ」

昨日の今日で若干気がめいるかな?と昨日はおもっていたが、いざ勝負となると気持ちが高ぶる
昨日のコルンの言葉に不安を抱きながらもサチも目が覚めたので、一緒に朝食をとる

「ねぇレイ?」

「ん?なんだ?」

「今日のデュエル、私も見に行って良い?」

上目使いの少女の頼み。断れる人を見てみたいものだ…。もちろんokと快く承諾する
するとサチは何やら張り切ってキッチンに向かった。どうやら弁当を作ってくれるらしい

「サチぃ、慌てなくていいぞー。どうせまだ連絡ないし」

「わかったー。時間かけておいしいの作ってあげる!」

…うれしい言葉だ。今頃キリト達もこんな感じなのかな?
とか考えつつ、コーヒーを淹れソファにすわる
だがその時メールが入る。リズからだ

『レイ!お客さんが言ってたんだけど、75層の入りぐちに何やらいかついスキンヘッドがつわもの探してるらしいよ!psこれ、貸しだから』

スキンヘッド。エギルか?ってなわけねぇな。つか貸しかよ!
いろんな事が一気に頭を廻る中やはり一番気になったのは対戦相手の事だった。どんな奴なのか、武器は?動き方は?
そんなふうに思考の海に溺れていると、サチが意識を引き戻してくれた

「?レイ、変な顔してるよ?」

「変な顔?」

慌てて顔を触ったが眉間にはしわがあるが、口角は上がっていた
なるほど般若か

「大丈夫、対戦相手の事考えてただけ」

「ふぅん。あ、準備出来たよ?」

「あぁ、こっちも情報ありだ。行くか?」

サチは俺の腕に腕を絡めて来てうん!と力強くうなずいた





「お前か?強い奴探してんのは?」

情報の場所に行くと身長が二メートルを超えているであろう巨人がいた

「そうだ!わたしが…きききき貴様ァ!」

男、アショールは俺ら2人を見ると突然指を刺して叫んだ

「貴様!女を戦地に連れ込むとは何事だぁ!!」

「…落ち着け、こいつも一応戦士だ」

「五月蠅い!貴様、潰す!!女と一緒、それだけで万死に値するわぁぁぁ!」

なんだコイツ…非リアか?
っと、兎に角クエストを受けて戦闘スタートだ!

「サチ、下がって見てろ」

「うん!」

パタパタと下がるのを確認して俺は黒印を抜いた
アショールの武器はハンマー。豪快なスイングをするパワータイプだな。俺と同じタイプだが、流石に分が悪い

「いくぞぞぞぞぞぉおお。ぬおおおおお!」

ハンマーを振り上げ脳天目掛けて振り下ろす。横っ跳びでかわしたが衝撃の余波がすさまじい。武器も凄いが筋力も凄い。しかし命中率は悪いようで、続けざまに放った攻撃は空を切った。俺はそのすきに黒印を構え≪千雷・貫≫を放つ。八連撃の突きがアショールを襲う
巨体は案の定動きが鈍い。お陰で全弾命中した。しかし驚くことに体力がそこまで減っていない。防御力がかなり高そうだ

「かてぇな…」

「肉体こそ力!力こそ防具!」

意味がわからん…
だがその言葉は本当なようだ。おそらく俺程のパワーファイターでなければろくにダメージも与えられまい

「しゃぁねぇ。最初っから本気だ!!!」

「当たり前だ」

黒印を一旦引き、アショールの攻撃をかわしてから反撃する策に出た
ハンマーが音を立てて襲いかかるがサイドステップで避けた。しかし、次の動きは俺の予想を裏切った。豪快な動きで一回転しながら全方位にハンマーを振りまわす
なんとか腕で衝撃を多少カバーしたもののダメージはとんでもない量だ。普通なら今すぐに回復するところだが、せっかく懐に潜れたチャンス、そうやすやすと逃げない
≪疾風雷神・斬≫≪氷雷・風≫≪千雷・貫≫を立て続けに発動し、体力を奪い、なおかつ大ダメージを与えた

「やるな貴様ァ」

「あったり前田のくら」

「っかーーー!!」

オチ知られてた!?
ていうか体力まだグリーンなんですけど…
若干へこむが気を取り直す。後ろではのんきにサチが応援してくれている

「レーイ!がんばれ~!」

「ッ!ゆるさーん!貴様、絶対ゆるさん!」

ハンマーが黒く光る。と思った時にはもうすでにハンマーが頭上にあった

「速ッ!!」

振り下ろされるハンマーに俺もスキルで対抗する。≪氷雷・風≫の二連撃で抵抗したが、一撃目は弾かれ、二撃目でなんとかハンマーを受け止めたがいまだ互いのスキルは生きている。つまり、どちらかが負け、どちらかがダメージを受ける事に

「まける、、かぁぁ!!」

「ぬおおおおおおお!」

お互いの力は五分五分。一瞬の力の加減で決まる。しばらく硬直が続いたが、残念なことにお互い、スキルが消えてしまった。しかし、俺の強運はまだ生きていたスキルの硬直が「無効化」された
その刹那、≪業輪・破≫で切り裂き、打ち上げる。しかし重いからだはそこまで大きく打ちあがらず、若干足が地面から離れた位だった
しかも、アショールのハンマーがまたエフェクトを帯びていた

「どらっしょい!」

意味不明な掛け声とともにハンマーが唸る。俺は無様にも直撃したが、ダメージを気にしている場合ではない。黒印を振り上げ両断しにかかる。近距離で繰り広げられる攻防はまさに一進一退だった
だが、俺が斬ると体力は回復する。その差が徐々に表れ、遂にアショールの体力がイエローになり、俺の体力はグリーンのままだ

「む。貴様ただのぷれいぼーいではないな!?」

「ったりめぇだ!何言ってやがる!!」

大丈夫か!?こいつ!?
一旦バックステップで距離を開け、≪風雅・散≫を見舞う。その攻撃はハンマーに阻止されることなく巨体に吸い込まれた
ここで俺は強硬策に出る

「≪煉獄・嵐≫!!」

妖刀スキル最多の攻撃。だが、精神的に疲れるし隙もでかい、留めに取っておきたいのだがこのままではらちが明かないし、どうせライフ・ドレインがあるんだ。出し惜しみはしない
≪煉獄・嵐≫は禍々しい覇気を放ちながらハンマーを掻い潜り、巨体の中心にさく裂し、18連撃の斬撃を叩き込んだ

「ぐぬおぉぉお!?」

「どう、だ?」

体力に目を向けると体力は残り数ドットになっていた

「むぅ。やるしかなさそうだな」

「オウ。来いよアショール!」

「レイ!最後までしっかりねー!」

サチ、そんな聞こえるように言ったら…

「やっぱりゆるさぁん!!」

「あぁもう!うザってぇ!さっさとこいやァ!」

アショールはハンマーを高く掲げた。するとハンマーは赤く輝き、恐ろしい程の風が生まれた

「一回だけの攻撃だ。避けるのか?」

分かりやすい挑発だな

「…いいだろう、受けて立つ!」

黒印を水平に構え、≪居合・真≫で迎え撃つ体制をとる
そして、互いに足を開き、その動作を合図に駈け出す

「ハァァァアアアァ!」

「ぬおおおおおおお!」

――――体力がけしとんだのは、アショールだ

「見事、だ」

俺は納刀して、歩み寄る。サチも一緒に

「ふッ。その女、大切にしろよ」

…なに、この空気

「巨龍がここを壊せば、転移門が破損し、どこの階層にも行けなくなる。しかも、安置は全て、消える」

「なにぃぃ!?」

「それ、やばいよね?」

サチ、そんな軽いことじゃない…

「そこで、これを貴様に…」

アイテムを渡すと同時にアショールは消えた
≪龍の魂≫寿命を延ばす最上級の霊薬だ。飲めば体力四倍で防御力も飛躍的に上がる

「…これで、三つだ」

「レイ、頑張ってね!ってことでお昼にしよっか」

「あぁ、そうしよう」

俺らは仲良く手を繋いで景色の良い丘に向かった

――――やっぱりゆるさーん!

「!?」

「ん?どうかした?」

「いや、何か聴こえたきが…」

 
 

 
後書き
レイ「※作者は非リアです」
雨の日「言わんでいい!!」
サチ「・・・きっといい人みつ、かる?」
雨の日「疑問形やめて・・・」
レイ「ま、作者は非リアだけど、感想どしどしまってまーす!」
雨の日「非リア関係ないでしょ!!」 
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