妖刀使いの滅殺者
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第34話
翌日。俺は朝起きてからメールを確認して、驚いた
「アルゴ…情報はえぇな」
アルゴから、NPCを見つけたとの情報があった。場所は中央広場から奥に向かったところの路地だ
急いで支度を済ませ、家を飛び出した
そして現地に着くと、何やら歌が聴こえた
「♪~♪」
誰だかわからないが女性の声だ。角を曲がるとその姿がはっきりと見えた
「…あなたは、強い?」
その言葉と同時にクエスト受注表示が
「あぁ、強ぇぞ」
YESを押す
NPCの名はコルン、武器は鞭だ
「…いくよ」
鞭がしなる。その動きは蛇に似た動きで不規則だ
直線からそれて、なんとか攻撃を回避する
そして黒印を抜き、距離を詰める。黒印を振り上げ手首を狙うが体をひねられかわされた。その時、時間差を利用した不自然な鞭が襲い来る
「やべぇ!?」
上体を逸らしギリギリで避けた。しかし鞭の動きは自由自在且変則的。予測不能なその動きに翻弄される。しかし、徐々に慣れ始めた
「…そこッ!」
鞭の隙間に突きを繰り出し胴の中心を捉えた
若干芯を外したが、ダメージは与えられた
「…やるね」
「どうも、でもまだまだ行くぞ?」
黒印を構え、≪風雅・散≫を放つ。飛ぶ斬撃に対応が遅れたコルンに追撃をと思い駆ける。そして、鞭で≪風雅・散≫をかき消されるその刹那、≪氷雷・風≫で大きなダメージを負わせた。コルンは鞭を体に引き寄せスキルを発動させた
紫に輝く鞭が渦を巻きながらとんでくる。俺は見慣れない攻撃に驚き、黒印でのガードしか思いつかなかった
「くっそ、・・・」
「…ガードは無理よ」
案の定鞭が四肢を抉る。俺の体が一瞬のけ反るが直ぐに体制を立て直し、黒印を両手で持ち≪疾風雷神・斬≫を使う。そして与えたダメージのいくらかを回復し、体力をグリーンに引き戻す
コルンは体力をイエローに染めたが何ら動じない
「こっからが本番か?」
「…えぇ」
鞭をもう一本取り出した
どうやら二刀流のようだ。だが、俺は接近する。鞭の弱点は近距離だ、それに対して刀は近距離が得意。俺は黒印を振り下ろし、水平斬りを見舞う。コルンは身のこなしが軽く、中々効果的なダメージを与えられない
黒印を一旦納め、体術に切り替える。その速さにはコルンもついてこれず、拳をもろに受けた
「…強い」
「まぁな」
鞭が側面から飛んでくる。しかし、俺は無視して黒印に手を伸ばし≪居合・真≫を使い、斬る。鞭と刀。それぞれが互いの胴を抉る
しかし、いまだ体力は全壊しない
「しぶてぇな」
「…」
黒印で切り上げを行うが鞭に阻まれる
しかし俺は負じと黒印をふるう。その甲斐あって、一撃だけ胴の芯を捉えた
筋力にものを言わせ、大ダメージを喰らわせる
と、その時コルンが動いた
鞭が淡いエフェクトを帯びだした
突然、鞭が見えなくなる。否、高速すぎて見えない
「はぁ!?」
しかも風を感じる程の超高速が襲いかかってきているのだけは分かる。咄嗟に黒印の柄を突き出し、カウンターの体制をとるが、肝心のタイミングがつかめない
このまま行くと、確実にやられる!
俺は極限まで意識を集中させる。そして、音を感じて肌で気配を感じて攻撃のタイミングをうかがう
そして、スキルが発動した
「…死規則!」
一瞬でも気を抜けば刈り取られそうな勢いだが、黒印を突き出す
そして
「…≪明鏡止水・歪≫」
カウンターが決まるその一瞬で、「スキル」が発動して、コルンのスキルが掻き消えた。そして難なくカウンターがさく裂し、コルンの体を切り裂き、体力を残り数ドットにまで追い込んだ
「…最後のスキルといきましょうか」
どうやらコルンもライフ・ドレインを使うようだ
鞭がさらに二本増え、四刀流になる。と、小さな体で良く動けるな…と関心しそうな動きで鞭を振るう
しかも、一本一本がすごく速い。黒印じゃ防げないだろう。俺は黒印を納め、全力で回避することにした
「ちなみに、何秒だ?」
「…よく秒数制だとわかったな。三十秒だ」
三十秒、俺の脚だと逃げ切るのは難しい。つまり、一撃一撃をよけつつ回復結晶使うしかなさそうだ
俺はポケットから結晶を二つとりだして構える。それが合図となって鞭がしなり始めた
右から来る!と思えば上からも来て、ぎゃくに上を意識すれば下からの攻撃がよけられない。俺はギリギリの動きでなんとかかわすが、よけきれない攻撃の方が多い。しかたなく結晶を使うが、回復量が追いつかず危険な状態だ
俺はなんとかこの状況を打破しようと黒印を抜いてみた。もちろん無駄な足掻きだとは分かっている
「…ッ」
?コルンの動きが鈍った
よくわからないが今が好機と見た俺は垂直に切りおろし、攻撃してみる。と、何故かすんなりよ攻撃が通った
よく見るよコルンは完全にモーションに支配され、「よける」事ができないようで、攻撃に対してかなり不安の色を見せていた
残り約14秒、これなら乗り切れる!
そう確信した俺は結晶を握り回復してから懐に潜り込み、大きく切り上げる。その攻撃も芯を捉えたとまでは行かないがダメージが通る
その時、四方から鞭が迫った。俺は慌てて一本を弾き、一歩を蹴り、一歩を斬る。残念なことに最後の一本はよけきれず命中するが、今の攻撃で三十秒経った
つまり…
「・・・あなたの勝ちだ」
「ヨッシャ!」
俺は小さくガッツポーズを決めた。そして、コルンは唐突にアイテムを差し出してくる
≪龍を砕く腕甲≫その力は天を砕き地を轟かせ、海を荒ぶるとされるドーピングだ。もちろんS級。しかし、笛と同様に一回しか使えない
「…この街、すくってね」
「あ、あぁ」
口数がすくないコルンにすこしたじろぐ。しかし、次にコルンから発せられた言葉は大きく俺を驚かした
「…負けたら、みんな死んじゃうからね」
「……はい?」
負けたら、みんな死ぬ?
その意味を聞こうとした時、すでにコルンの姿は、無かった
後書き
こっから一話ずつ戦闘です・・・
もしかしたら巨龍討伐編はかなり長くなるかも。。。
ちなみに、この次はレイの過去編を予定していますので、出来るだけ早く巨龍編をおわらせたいです!
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