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ネギま!?の世界で憑依?

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第九話 冤罪

 
前書き
お待たせしました。
 
 

 
1983年9月30日~10月31日

■魔法世界 オスティア→現実世界 京都

オスティア落下もないという原作ブレークで分烈(ベルム・スキスマティクム)戦争は終わった。今王宮ではアリカ姫の正式な即位式が行われていた。その傍らには無理矢理、騎士礼服を着せられたナギの姿も有ったが、周囲のお祝いムードと裏腹にアリカ姫もナギも余り嬉しそうには見えなかった。

人々はその態度を大戦で亡くなった人々への鎮魂と好意的に考えて居たが、実際には全然違う事を二人とも考えていたのである。

ナギは“姫さんに惚れちまったんだが、国を捨てさせる訳にもいかねーし、俺が王宮へ入るなんてとんでもねえ”と考えていたし。

アリカは“ナギの事は好きだが、オスティアの民の為に妾が確りせんと、出来ればナギに我が伴侶として共に歩んで欲しい”と考えていた。

その姿を見ながら、他の面々は不器用な二人だと呆れていた。

その後、アリカとナギは隠れて熱い抱擁をしておったけど紅き翼(アラルブラ)の面々にはうちの偵察樹でライブ映像を流したので丸わかりだったんや。あとできっと冷やかすんやろうなと思ったで。

ナギに思いを告げたアリカやったけど結局は、ウェスペリタティア王国国民を捨てることは出来ないと、世直しの旅に出るナギを笑って送り出す事にしたんや、感動的やったで。

アスナ姫に関しては、アリカと話し合った結果、魔法世界を救う為に封印されたことにしてうちが引き取る事にしたんや、無論アリカにはうちの正体が近衛木乃香だと言う事を教えてやけど、正体知った途端にアリカは驚きまくっていたで。

そんでうちら三人が魔法世界からの帰国するにあたって、メガロメセンブリア元老院がマスターアジアを完璧なる世界の黒幕の一人として指名手配し、ゲートで待ち構えていると判ったんやけど、うち等は関係ないんやけど、面倒に巻き込まれたくないので、転移符で帰還してしもうたので、メガロの奸計は空振りに終わって悔しがっているようやで、ざまあ見ろや。

こうしてうちとちーちゃんの大冒険は無事終わったんや、終戦一ヶ月目にはお父はん達が全員無事で復員してきてパーティーを行ったんや、みんなからうちの護符のお陰で助かったと賞められまくりや、そのせいで又ぞろ、うちを次期当主にするべきとの話が上がって良い迷惑や、うちはのんべんだらりと生活したいんやで。



1985年3月20日

■京都 関西呪術協会本山

頻繁に連絡が来ると面倒臭いので、本当の緊急時だけ連絡できるようにした連絡護符を渡しておいた、テオドラから緊急連絡が入ったのは戦争が終わりナギ達が人助けの為に地球に帰ってきてから半年程経った頃のことだった。

この護符、映像も映る優れ物なので、うちの正体をばらしていないので月詠に変身して対応すると、テオドラが相当慌てているのが判った。

「月詠、大変なのじゃ!、アリカがアリカが逮捕されたのじゃ!」
「アリカが捕まった?」
「そうなのじゃ、メガロメセンブリア元老院が完璧な世界の黒幕としてアリカを逮捕したのじゃ!」

ほほーオスティアが墜ちなくてもメガロメセンブリアの糞虫共の考えることは一緒と言う訳やな、やっぱあん時サクッと潰しておくんやったな。

「テオ、そんでナギ達には知らせたん?」
うちの質問に暗い顔をするテオ、これは伝えられないって事かいな。
「それがの、ナギ達は旧世界へ行ったきり連絡が取れないのじゃ、其処で月詠に連絡をしたのじゃ」

テオ、アリカの命がどうなるか判らへんから、慌てているんやろうけど、今見たマホネットでも、アリカ逮捕のニュースが流れているから、ナギ達も気が付くはずや。

「テオ、マホネットでも流れてるさかい、ナギ達も気がつくはずやで」
「そっそうか?じゃがじゃが、アリカが危険なのは事実なのじゃー!」

んー、原作通りやとアリカの処刑は二年後なんやけど、オスティアが墜ちてないし、死の首輪法無い以上、災厄の女王として罪擦り付けるには些か理由がこじつけるには弱いんやけど。

「テオ、詳しい罪状と道のように捕まったか判る?」
コラ考えるな、全然事実関係も調べずに慌てて連絡してきたな。
「えーとなのじゃ、詳しくは知らんが、噂ではアリカが父王を殺害したとかと言う事とアリカが完璧なる世界の関係者として指名手配中のマスターアジアと親しくしているからとかどうとか」

はぁ???メガロメセンブリア元老院の老害共、脳みそ腐ってるんじゃね。こじつけるにしても適当すぎるで。

「なんやねん、その理由」
「そうなのじゃ、ヘラスではそんな理由を信じる者はいないはず……じゃ!」
「ヘラスはそうだろうけど、MMの連中は魔法至上主義で自分対は偉いと考えとるから、恥知らずにもアリカを犠牲の(スケープゴード)にするんやな」

「何とかしたいのじゃが、妾では手が出せんのじゃ!」
「それでうちに連絡と言う訳やな」
「そうなのじゃ、月詠、アリカを助けてたもれ」

「フフフフフフフフフフフフフ」
「月詠どうしたの……」

うちの中からどす黒い笑いが起こったんで、それ見ていたテオが真っ青な顔で怯えてしもうた。
「テオ、あの糞虫共、よほど死にたいらしいの」
「月詠、その無表情で坦々と言うのは怖いのじゃ」

テオが今にもションベンチビリそうな怯え方や。
「そやな、大規模転移でメガロメセンブリアごと太陽にでも放り込むのがええか、それとも金星の硫酸地獄へ叩き込むのがええか、はたまた真空中へ放り出すのがええか、テオどれがええ?」

「ヒッイ、月詠が怖いのじゃ。其処までしないで良いのじゃ、メガロメセンブリアにも善良な市民はおるはずじゃ」
テオがうちからわき出す覇気を感じて半泣き状態になったので、それは止める事にした。

「判った。テオのたっての頼みであれば、アリカの救助に全力を尽くすで」
「頼むのじゃ、妾に出来ることなら何でもするのじゃ」
「それじゃ、アリカの詳しい罪状と現在のオスティアの情報を調べて欲しいで」

「判ったのじゃ、父上にも頼んで全力で調べるのじゃ」
「それじゃ、此方は、青山詠春に連絡をして、ナギに伝わるようにしておくから」
「頼むのじゃ」
「では」



んー、原作通りと行かないまでも、歴史の修正力なのかアリカ逮捕か、しかし原作では確か二ヶ月目に逮捕だから時間的に三倍掛かっていると言う事は元老院でももめたんやな、しかし此でナギとアリカが結ばれる前提条件が整った訳だけど、どう転ぶか判らないぐらい原作乖離してるしな。

うちがサクッと助けに行けば三分もかからへんのやけど、そうなるとケルベロス渓谷でのナギの出番が無くなるしどないしようか?

あー面倒臭いけど、ナギルートで行くしか無いのやろうか、しかしマナを拾ったり、ちーちゃんの両親も無事帰国したし、歴史が完全に狂ってしもうたから困ったで。

取りあえずは、詠春にマホネットを見させなきゃあかんな。


1985年3月20日

■京都 関西呪術協会本山  青山詠春

ふう、魔法世界から帰還して早半年、ナギ達はそれぞれ世直しの旅に出たというのに私は近衞家の婿になる為の修行とは、更に魔法世界で遭遇した謎の神鳴流剣士月詠の事と妖刀ひなの事で、ひなた荘へ行って、ひなを引き取ったり、月詠さんに負けた事で鶴子にシバかれたりで大変な事ばかりだよ。

それに、近右衛門さんは平気だという言うが、本当に私が木乃葉さんの婿になって良いのだろうか?神鳴流剣士が関西呪術協会の長になること自体異例なのに、木乃葉さんより従姉妹の木乃香さんの方が歴代最強の術者なのに、私は長なんてなりたくないのに、ままならないんだよな。あー人生って何だろう。

「詠春殿!」
ん?噂をすれば影で木乃香さんだ。何か慌てた風だがどうしたのだろうか?
「木乃香さんどうか為されましたか?」

「大変や、さっきマホネットを見とったら、アリカ姫が逮捕されたって出てたんや。アリカ姫って詠春殿の知り合いやろ?」
何ですって、アリカ姫が逮捕っていったい何が起こったのでしょう?

「本当ですか?」
「ほんまや」
早速調べて事実ならナギ達へ知らせない。

「木乃香さんありがとうございます」
「いいんや」

木乃香さんが先に気が付くとは、未だ未だ修行が足りないか。それはそうと直ぐに調べなければ。

何と、元老院のこじつけも甚だしいですね。直ぐにナギに連絡しないと。


1985年3月21日

■魔法世界 メガロメセンブリア 近衛木乃香

詠春が動いてる間に、うちは長距離転移符で魔法世界へ移動や!
丁度ちーちゃんはご両親と旅行やから単独行やで。

さてさて、アパートごっこの木で秘密基地作って偵察樹と偵察虫で全域のサーチや。
半日もかからずに、アリカ発見!おうおう、尋問されてるの。

『アリカ姫、あの完全魔法無効化(マジックキャンセル)を持つアスナ姫は今何処に居るのかね?』
『アスナはこの世界の為に礎になったのじゃ』
そうだよね、シナリオではそうなってる訳やし。

『嘘を言うな!我々が調べた限り、アスナ姫は姿を隠したと聞いている!』
ん?あの秘密を知るものは居ないはずやのに、憶測か或いは何者かが漏らしたか?
『何を言うか、アスナはアスナは礎になったのじゃ!』

アリカが頬を叩かれた!
殴りおったで、女の顔を殴りおった。
フフフフ、よし殺そう、直ぐ殺そう、あの糞虫共を跡形もなく消し去ろう。

転移でアリカだけを助けた後で、小惑星でもメガロに直撃させたらええな。えーと火星に近い小惑星はイトカワあたりか、その辺で良いかの……

10分程経過


……しもうた冷静に考えたら、イトカワを引き寄せるとして一週間はかかるか、それに堕とすのが魔法世界とはいえ基盤の火星自体に大異変が起これば地球も影響受けるか、こりゃあかんな。

しかしこのまんまでは、埒があかんな、アリカを助けたとしても、濡れ衣はらさにゃあかんし。それに現状のアリカを考えたら、身代わりを置いておかにゃああかんな、それやとナギ達が集まるかもしれへんな、んー迷うわ、元老院の糞虫共を消し去るんは簡単なんやけど……

更に10分経過


……よし決めたで、アリカ救出や、思い立ったら祝日や。
長距離転移&ステルス化で監獄へゴーゴー!!

メガロ全域を、まぬけ時空へ!
(まぬけ時空とはその中にいる人間は通常の100倍間抜けになってしまうのだ)

観察用機器を全て誤魔化して此からのことを記憶させないでずっとアリカが居たように見るんやで。それで、尋問しているこの糞虫を潰す事も出きるんやけど、今は我慢や悪夢でも見てろ。

「アリカアリカ」
「アハハハハ、お空に渦巻きが:¥=?}^、^&&$#??」
あかん、アリカもまぬけになってしもうた。アスナのように完全魔法無効化がないからやな、しかたないこのまま拉致や、アリカの髪の毛から作った身代わり置いて準備OKや。

「アリカ、行くで」
「パポアアアジャオアイアアイゲヘゲヘポポ!」
うわーナギがこの姿見たら千年の恋いも覚めるで。

墓守人の宮殿へ取りあえず転移!!
「ハッ、木乃香私は何を?」
「気が付いたみたいやな」

「助けてくれたのか」
「そうや、テオから緊急連絡があったんや」
「そうか、しかし妾が逃亡したと判れば、国民がどの様な目に会うか判らんのじゃ」

心底国民のことを考えるアリカ。
「心配せんでええで、アリカコピーを置いてきたさかい、その間に此方がアリカの冤罪を晴らせばええだけや、その位の力は有るで」
「木乃香殿忝ない」

「ええんよ、うちとアリカの仲やないか」
「済まぬ、済まぬ」
「押っつけテオから連絡も有るはずや、暫くは大江山で過ごすがええで」

「しかし、国民を捨てては」
「その辺は任せて、ウェスペリタティア王国国民全てに勝利の加護を送るからね」
ウインクするうちを驚いた表情で眺めるアリカやった。

「さあ、いくでー!」





うちの戦いは今始まったばかりや!

 
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