古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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弐号機来訪? 少女が知る死の怖さ 前編
アメリカ キョウスケ所有の館
夕食の食卓に席についているキョウスケ、エクナ、エクスナ、シンキ、スティング、ステラ、アウルそしてキラ。ナンブ一家は本日はキョウスケが手掛けた夕食を美味しそうに食べていた。特に、家族一の食いしん坊のアウルが料理にがっついていた。
「ガツガツッ!はふはふ!!んぐ!?」
アウルはいきなり食事の手を止める、顔が徐々に青くなっていきドンドンと胸を叩き始める。どうやらガッツキ過ぎて喉に料理を詰まらせたらしい。それを見たちゃっかり夕食に同席しているキラはコップに水を入れてアウルに渡す。アウルはそれを受け取って直ぐに水を飲み干す。何とか飲み込めたのか、ゼェゼェと息を荒げている。
「ゼェゼェ・・・旨過ぎて死ぬかと思った・・・」
「全く・・・天使が料理を喉に詰まらせて死ぬなんて笑い話にされちゃうよ?」
「そうだよアウル。折角の父さんの料理なんだから味わって食べないと」
シンキは行儀良くゆっくりを料理を口に運んでいる。そんなシンキを見てアウルはむっとしながらも今度はゆっくりと食事を再開した。それを見たエクナはニコリと微笑んで、キョウスケのコップが空になっていることに気づき、水を注いだ。
「すまんなエクナ」
「いえいえ、だって夫婦ですから♪」
「全く、母さんときたら何時まで新婚気分なのかしらね」
そんな愚痴を溢すのは、シンキの隣に座っている女性だった。身長は大体160から170ほど。髪は母であるエクナから受け継いだのか、背中まで届く長い金髪だった。だがその顔つきはエクナとは違いとても凛々しくかっこ良さも感じられるものだった。キョウスケを思わせる顔つきだ。彼女はキョウスケとエクナの間に生まれた実の娘、エクスナ。白銀の天神と呼ばれる上級神の一人である。
「でもエクスお姉ちゃ~ん。こうやってお父さんとお母さんが仲良しって良い事じゃない?」
「ステラ、まあそうかもしれないけど。何時も何時も母さんがこんなに父さんにベタベタじゃ最高神としての威厳って物が立たないじゃない・・・」
「そんなもの最初から無いと同じじゃないかエク姉。ステラ、口周り拭くからじっとしてな」
「それを言わないで頂戴スティング・・・」
エクスナの横で口にミートスパゲティのソースを付けながらスパゲティを食べているステラの言葉にエクスナは少し肯定するが、どうも完璧に納得出来ない。スティングはステラの口周りについているミートソースを拭いてやる。ステラはソースがふき取ってもらうと、スティングにありがと♪と言ってから再びスパゲティを食べ始めた。
「ったく、それじゃまた口周りが・・・」
「そだキョウさん。エヴァンゲリオン弐号機が日本向って輸送されているらしいですよ。太平洋艦隊を護衛に」
キラは自分のマグカップにコーヒーを注ぎながら、キョウスケにエヴァが輸送中という事実を告げる。キョウスケは水を飲みながら首を動かす。
「確か・・・今度の奴って魚の天使って奴だっけ?え~っと・・・なんていったけスティング?」
「おいおいしっかりしてくれよアウル。ガギエルだ、ガギエル」
アウルはスティングが使徒の名前を口にすると、それだそれだ!と少し大きな声を上げて水を口にする。スティングは世話の掛かる弟だっと呟きながらスパゲティを口にする。
「それで今度の舞台って海だろ?って事は俺のアビスが十分に活躍出来る舞台じゃねぇか!!なぁなぁ!今度は俺に行かせてくれよォ~!!」
「おいおい、幾ら海だからってお前だけで行かせる訳が無いだろお調子者」
「え~?」
アウルは文句を言いながらキラキラと目を輝かせてキョウスケを見つめる。キョウスケは溜息を吐きながら口を開く。
「解った解った、だからそんな目で俺を見るな。今回の戦闘はお前に任せよう、だが幾らお前の階級が少佐でもパイロット一人では対面上良くない。だから今回は闇夜、藍、ミゲルを同行させよう。ミゲルには一応グルンガストを持っていくように言っておく。だがアウル、戦闘の際はしっかりと闇夜と藍の指示に従えよ?」
「解ってるって!おっしゃぁ~!!今回は海だからやるぞ~!!しかもミゲルのあんちゃんが一緒だから戦艦守るのに集中せずに戦いに集中できるぜ!!」
「そういう問題じゃねぇだろ・・・」
太平洋上
太平洋上を進むグライナルリーゼズ。その移動に使用していたのは三胴型船体で設計された大型イージス艦2隻であった。通常のイージス艦と異なると言えば、少々大型しているのと、大型のハッチの様な物があるという点ぐらいだろうか。イージス艦は自足換算で80キロの速度で海上を航行しており、太平洋艦隊との合流を目指していた。今回の目的は、太平洋艦隊の援護と護衛。太平洋艦隊にこの申し出をした所、不服に思われる所かグライナルリーゼズと共に居られるだけで光栄だと艦隊司令から申し出があった。
「あ~良い風~♪」
アウルは甲板に寝転がって心地良い潮風に当たって気持ち良さそうな声を上げていた。大海の天使というだけあって海という場所はアウルにとって絶好の場所だ。海ならば自身の実力の100パーセント以上の戦いが出来る。それに、アウルの搭乗機となっている『アビス』は水中での運用を重視されている。ステラの『ガイア』と同じように変形機構を有しており、水中での高速機動戦闘が機能となっている。更にアビスの基本状態は『ガイア』や『カオス』『インパルス』と同じ人型であるため、陸上での機動性も確保されている。
が、今までは出番がなく不満げだったが今回は自分の独壇場とも言える海が戦場。アウルはとても嬉しそうだった。
「アウル、ここにいたのか」
そんなアウルに一人の女性が話しかけた。青と白が目を引くスーツに身を包んだ傾国の美女が立っていた。美しい金髪に凛々しくも美しさと厳しさを兼ね備えた八雲 藍だ。アウルは身体を起こして藍を見上げるようにする
「どうしたのよ藍さん」
「見えてきたぞ、太平洋艦隊だ」
藍が指差す方向にアウルも視線を移すと其処には大艦隊と呼べるものが航行していた。アウルは見え始めた艦隊に興奮しながらどんな艦があるのか数え始めた。
「空母が五隻に戦艦が四隻。その他巡洋艦、駆逐艦、護衛艦、補給艦を含む補助艦艇多数っておいおい豪勢だな。小さな国だったなあの艦隊だけで滅ぼさせるんじゃね?」
「確かにそのぐらい可能でしょうね。正に海上の覇者いわんばかりの迫力と堂々たる航行ぶり。うむ良い物を見られたな」
藍は最後に壮観だなっと付け加えて口を閉じた。そしてイージス艦は艦隊と合流し、アウル達は一旦小型ヘリに乗り、艦隊の司令部となっているオーバー・ザ・レインボーに向った。そしてオーバー・ザ・レインボーのブリッジにて艦長と直接談話する事になったのだが・・・
オーバー・ザ・レインボー ブリッジ
「これはこれは良くぞ御出で下さいました!グライナルリーゼズの皆様!!」
ブリッジに居た艦長と副長、その他の軍人達はアウル達が入るとすぐさま其方を向いて敬礼してから大きく頭を下げたのだ。これはアウルは呆気を取られたのかポカンとしていた。そんなアウルを見て笑いが零れたのは、金髪で男前な顔つきなミゲルであった。
「そのようにしないでください、一時的とはいえ我々は其方の指揮下に入るのですから。まあ、緊急時は独自に動きますが」
「いえ、我々にとって世界最強のグライナルリーゼズと共に航行でき、更に共闘出来るとは。正に軍務に身を置く身としては光栄の極みです!」
「そ、そうですか・・・。申し遅れました、私が今回グライナルリーゼズ隊長から指揮権を預かっている八雲 闇夜少将です。お見知り置きを」
闇夜が自己紹介を始めると藍やミゲルも続いて自己紹介を始めた
「私は旦那さmじゃなくて八雲少将の補佐の八雲 藍准将です」
「私はミゲル・アイマン大佐です」
「アウル・ナンブ少佐です、宜しくお願いします艦長さん」
アウルはちょっとフランクな言い方を混ぜながら拍手を求めると、艦長は笑いながら握手に応じてくれた。
「ご丁寧にどうも少佐、私は艦長のスティーブ・ディルだ。階級は一応少将だがそこは八雲少将と同じだから敬語など使わないでかまわないよ」
「え?いいの?」
「ああ構わんよ。貴方達グライナルリーゼズの活躍には我々も励ませれている。貴方達は我々の希望でもあるんだよ少佐」
「嫌~そう言われると照れるな~。それに俺の事はアウルで良いですよ少将」
「では私の事もスティーブで良いよ」
アウルは流石に艦隊の司令をそのように呼び捨てするのは気が引けるのか、じゃあスティーブさんでっと言った。その後、闇夜達も階級など気にせずに名前で呼んで貰って構わないと言って名前で呼んでもらえるように頼んだ。
「ってか闇夜さんって何時の間に少将に昇進したんだ?」
オーバー・ザ・レインボー
ブリッジで会談を終えた一行は直ぐにはイージス艦には戻らず、自分達と話したいという軍人達の相手をしていた。そしてそれも終わり、戻る前のコーヒーブレイクを楽しんでいた。
「ああ、前に使徒を討ち取ってからだ。なんか少将の方が都合が良いって昇進したんだ。紫と藍もな。何で二人が昇進したのか謎だが」
「それについても私にも・・・すいません」
「まあいいんじゃねぇ~の?少将って方が確かに便利だし色々と楽になるだろ。それにしても・・・」
ミゲルは疲れたようにコーヒーを口に運び、溜息をついた
「なんでこうもサインを求められるんだ・・・」
ミゲルは先程までずっと軍人達からサインを求められ続け、それに応じ続けていた。それに若干疲れているのか、溜息が多い。
「まあミゲルは生身で総勢50名のテロ集団を壊滅させたり、海上戦でかなり戦果上げてるからそれで有名人になってるからな。だからファンも多いんじゃないか?」
「あ~・・・だから有名になるのは嫌なんだ・・・」
ミゲルがコーヒーを飲み終わり、立ち上がろうとした時、食堂に新たな来客が来た。それは、アメリカでシンキをネルフに強制徴兵しようとした無能作戦部長の葛城 ミサト准尉と碇 シンジ、それと眼鏡を掛けた少年とジャージ姿の少年。そして黄色のワンピースを着た少女、それと無精髭の男だった。彼らは闇夜たちの隣のテーブルに着き、席が足りない事に気付くと闇夜たちのテーブルに余っている席を取ろうと近寄る。
「あの~すいません。使ってない席を使っても宜しいでしょうか?」
ジャージの少年はあまりに慣れないような敬語を使いながら闇夜達に聞く。闇夜はそれをOKと言おうとした時に
「トウジ君、んな許可取らなくても良いから早く席持ってきてちょうだ~い」
っと無能部長が言った。闇夜はこれに若干呆れと怒りを感じた。が声を出したのはミゲルだった
「ったく失礼な女だな。この少年がしてる好意は正しい事だ、使ってないとはいえ俺達の近くにあって使うかもしれない席を借りるんだから了承を取るのは当たり前だろ」
「あんですってぇぇえええ!!?アンタ何様のつもりよ!!!!」
と怒り心頭なミサトの態度を見た闇夜達は呆れながら席を立ちながら、ミサト達の方を向いた
。その時に、ミゲルの顔を見た少女はミゲルの方を見て、ぽぉ~っとする。
「俺たちはグライナルリーゼズ所属の軍人だ。それにお前よりも階級が上だ葛城 ミサト准尉。一応名乗っておこう。俺は八雲 闇夜少将だ、覚えておいてもらおう」
「私は八雲 藍准将だ」
「ミゲル・アイマン大佐だ。ってお嬢さん、俺の顔に何か付いてるか?」
ミゲルが自分の事を話しているときに、何故か自分の顔を妙に凝視している少女に気付き、声を掛けると
「い、いえ・・・」
っと言いながら慌てて顔を横にするが、横目でチラチラとミゲルを見ている。アウルはそんな少女を見て少しニヤリと笑ってから口を開く
「んで、俺がアウル・ナンブ少佐だ。別に覚えなくても良いぜ」
そして、勝ち目の無い言いあいが始まるのであった・・・。だが藍に舌戦で勝てる訳も無く、ネルフ側の惨敗だったという。因みに、藍は全て正論で返していたら、相手のミサトがいきなりキレたので、無精髭の男が何処かに連れて行ったという終わり方だった。
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