バカとテストと召喚獣~規格外の観察処分者〜
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『終戦と報復』
前書き
バカテスト
問題 以下の問いに答えなさい
『女性は( )を迎える事で第二次成長期になり、特有の体付きになり始める』
路瑞瑞希、司馬飛鳥の答え
『初潮』
教師のコメント
正解です
土屋康太の答え
『初潮と呼ばれる生まれて初めての生理。医学用語では、生理の事を月経、初潮の事を初経という。初潮年齢は体重と密接な関係があり、体重が1.5kgに達する頃に初潮を見るものが多い為、その訪れる年齢には個人差がある。日本では平均12歳。また、体重の他にも初潮年齢は人種、気候、社会的環境栄養状態などに影響される』
教師のコメント
詳しすぎです
吉井明久の答え
『明日』
教師のコメント
随分と急な話ですね
東條深羅の答え
『所長』
教師のコメント
字が違います
「貫けえぇぇ!」
槍を振りかぶり――投げる!
紅い槍は丁度良く並んでいた近衛部隊に突き刺さって行く
『Fクラス 東條深羅 数学466点』
VS
『Bクラス 近衛部隊 戦闘不能』
「おぉう、我ながらいい制槍力……後は頼んだぞ、康太!」
「……無論、物の分は働く」
窓から現れたのはムッツリーニこと、土屋康太。どうやら保健体育の教師の唯一の特徴――並外れた行動力を使って連れてきた
「土屋康太、根本恭二に保健体育で挑む……サモン」
「き、貴様あああぁぁ!!」
『Fクラス 土屋康太 保健体育441点』
VS
『Bクラス 根本恭二 保健体育203点』
「加速………」
一閃━━康太の召還獣が根本の召還獣を真っ二つに切り裂いた
『Fクラス 土屋康太 保健体育421点』
VS
『Bクラス 根本恭二 戦闘不能』
こうして今回の戦争もFクラスへ軍配が上がった
◆
「明久よ、随分と思い切った行動に出たのう」
「うぅ…痛いよう、痛いよう……」
痛みのフィードバックで、両手を抑えて呻いている明久。召喚獣でやったとは言え鉄筋コンクリートを壊したフィードバックは相当なものだろう…やったことはないが
「ま、でもお前らしい作戦だな」
「で、でしょ?もっと褒めても良いと思うよ?」
「後の事を考えず自分の立場を追い詰める、男気溢れる素晴らしい作戦じゃな」
「それ、遠まわしにバカって言ってない?」
「心配するな……元々お前はバカだ」
「うるさいよ深羅!」
本当の事を言って何が悪いのやら?
「ま、それがお前の強みだからな」
「まぁ、んなどうでもいいことは放っておいて……それじゃ嬉し恥ずかし戦後対談と行くか…負け組代表こと根本恭二」
「…………」
雄二の視線の先には、先程までの強気が嘘のように消え失せた根本の姿があった
「本来なら設備を明け渡して貰い、お前らには素敵な卓袱台をプレゼントする所だが……特別に免除してやらんでもない」
雄二の発言に周りがザワつき始める…
「落ち着け皆、前にも言ったが俺達の目標はAクラスだ……ここがゴールじゃない」
「……条件はなんだ?」
「条件?それはお前だよ、負け組代表さん」
「俺、だと?」
「ああ。お前には散々好き勝手やって貰ったし、正直去年から目ざわりだったんだよな」
それに関して先程の教室の備品破壊を皮切りとすれば、喧嘩にはナイフは当然、試合では相手に一服盛った、テストでカンニングは当たり前……挙げればきりがないが、目障りだった事には違いは無い
「そこで、Bクラスに大チャンスだ。Aクラスに行って、試召戦争の準備が出来てると宣言して来い。そうすれば今回は設備については見逃してやっても良い……ただし、宣戦布告はするな。すると戦争が避けられないから、あくまで戦争の意思と準備があるとだけ伝えるんだ」
「……それだけでいいのか?」
それで済むと思っておるのかね根本?
「ああ、Bクラス代表ががコレを着て先程言った通りの行動をしてくれたら見逃してやろう」
そう言って雄二が取り出したのは、秀吉の変装の為に用意しておいた女子制服…ザマァ
「坂本君、そうじゃないでしょ?」
雄二の条件に異を唱えたのは……まさかの飛鳥だった
「司馬、何か不満でもあるのか?」
「あるよ」
飛鳥はひと呼吸置き━━
「やるなら徹底的にだよ!様々な衣装を着させて撮影会は勿論、写真集なんてどうかな?」
「おぉ、その案は使わせてもらうぜ!流石だ軍師飛鳥!」
……イキイキとしてんなぁ、雄二と飛鳥の奴。まぁ面白いから問題なし!
「よ、寄るな変態グフゥ!?」
Bクラスの男子が根本の腹部に一発…スジいいなアイツ
「取り合えず黙らせました」
「お、おぅ、ご苦労」
変わり身の早さに呆気を取られ、明久を初めとするFクラス全体が罪悪感を感じ始めていた……え、俺と飛鳥?んなもん微塵も感じませんが?
「……ぅ、うぅん……」
うめき声を上げ始めた根本…まだ寝てて貰おうか
「は~い、まだ寝てろ腐れ外道」
「グブボゥ!?」
水月……つまり鳩尾に一発ブチ込む
「う~ん…コレどうやって着せるんだろう…」
当たり前なのだか、男子と女子の制服は構造が違う為作業は早い段階から難航し始める
「私がやってあげるよ」
「そう?折角だから可愛くしてあげてよ」
「それは無理、土台が腐ってるから」
「それは言い過ぎだぞ……俺からの餞別で、ファブリー○とアルコールの消毒液だ。明久も使えよ?」
「深羅、ソッチの方が酷いと思うんだけど……それじゃ頼んだよ」
「着せかえ終わったらファブリ○ズを吹きかけてやるとイイ。消毒も忘れずにクラス全員に回してな?」
「……見かけによらず優しいのね、東條君って」
「元はこーなの、皆して不良だーヤクザだー何だ言ってっからよ。風評被害も甚だしいわ」
ちょいと喧嘩強いからって散々言いやがって……
「フフッ、見直したわよ東條君の事。まぁとりあえず有り難く使わせてもらうわ」
「……見直される事とかあったのね俺」
ちょいと傷つくのよ?…まぁとりあえずいい事をしたのには変わりないから問題ない
◆
あの後、明久は根本から奪ったズホンのポケットを漁っていた…何やってんだアイツ?
「おい明久、なにやってんだ?」
「うあっ!?な、何だい深羅?」
……あからさまに怪しいなコイツ
「いや、何で根本のズホンを漁ってんのか……あぁ」
「い、いや、これはその!?」
今一瞬ではあったが、明久のポケットから何やら可愛らしい封筒が見えた。恐らく姫路の物だろう……ったく、格好つけやがって
それに気付いた俺はニヤニヤしながら明久の顔を見る
「ハハッ…良いぞ若人よ!」
「な、何だよ…年寄り臭いなぁ」
「何でもねぇよ…ま、返すなら早く行ってこい。本人に気付かれる前によ」
「なっ!?気付いてたの!?」
「さぁな~。ま、頑張れ」
俺は明久から逃げるように出ていった…根本のズボンを持って
◇
あの後、焼却炉に根本のズボンを突っ込み、お陀仏となった…うん、良いことした後って何かスッキリするよな!
そして今、荷物を取りに教室へ向かっている途中である
「も、もう一度壁を壊したい!」
Fクラスのドアに手を掛けた時、とあるバカのトンデモ発言が聞こえてた
「……明久、もう一度壁を壊したら留年だぞ…?」
「し、深羅!っていつからそこに!?そして僕はもう一度壁を壊したいって言う願望は無いからね!?」
「分かったから。腕の良い精神科を紹介してやるから、話はその後でな?」
明久を軽くあしらう様にしポケットから携帯を取り出す
「だから誤解だってば深羅!それに精神科に行く程僕の頭は異常じゃないよ!?」
……いや、ねぇ、あの明久ですから、ねぇ?
「……ま、んなことは良いか。んじゃ後はお二人でごゆっくりってか?」
カバンを持ち、姫路と明久の声が掛かる前に教室を出ていく
◇
「……今日はシフト入ってないし、誠に暇であろー」
フラフラと廊下を歩いていると――
「おい!ちゃんと歩け!」
「お、お前等!こんな事をして後でどうなるか分かっているのか!?」
Fクラスの男子に連れて行かれている根本の姿があった……チャイナ服で
「もし何か抵抗すれば、悪鬼羅刹と天災鬼神の名の下に私刑が下されるだけだ…死にたくなければ言うとおりにするんだ」
何か、本人の承諾得てないのに俺も私刑する事なってるし。ま、いいけどねぇ
「ち、ちくしょおぉぉぉ!!覚えてろ坂本雄二、東條深羅あぁぁ!!」
…負け犬の遠吠えはまさにこの事
「……さて、帰るか」
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