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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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後日談
  ③~戦闘機人達

 
前書き
今回は戦闘機人たちのお話です(*^^*)

 

 
side 士郎


12月に入った頃、私は仕事でとある場所を訪れていた。


「お!赤の旦那じゃん。なんか用?」
「セインか。今日は仕事だ」


訪れたのは戦闘機人たちのいる更生施設。はやてから様子を見て来るように言われて来たのだ。


「士郎さん。あの子の様子は…?」


控えめに聞いてきたのはディエチ。真面目でいい子だ。


「ヴィヴィオなら元気にやっているよ」
「そうですか……よかった」


と、ディエチと話していたら突如後ろから抱きつかれた。


「……ウェンディ。降りてくれないか?」
「嫌ッス。にーさんの背中は乗り心地最高ッスから」
「理由になってねーぞ。困らせてないでさっさと降りろ」
「んー?もしかしてノーヴェは羨ましいんスか?」
「な訳ねーだろ。仕事で来てるんだ。邪魔したら悪いだろ」
「へーいッス」


背中に張り付いていたウェンディが渋々といった様子で降りる。


「助かった。ありがとうノーヴェ」
「こちらこそこのアホが迷惑かけてすみません」
「アホじゃないッス!」
「「「「「「いや、アホでしょ」」」」」」


見事なシンクロ。


「みんなしてひどいッス!」



…………………………………………………………


「そう言えば、衛宮。聞きたいことがあったのだが」


喚いていたウェンディがセインとディード、オットーによって押さえられたあと、チンクが聞いてきた。


「なんだ?」
「クアットロが拘置所で「剣が…剣が…赤い大地が…」と意味不明な事をずっと繰り返しているらしいのだが、理由はわかるか?」


………私はどうやらものすごいトラウマを与えたようだ。


「さらに金属を見ると発狂するらしくてな、私達も抑える方法はないか、と聞かれたんだ」
「……そっとしておいてやれ」
「何か知っているのか?」
「……まあ、な」


と、そろそろ本題に入らねばな。


「それより、私が今日来たのは君達の今後についてなんだ」
「私たちの?」
「ああ。これからどうするんだ?今日はそれを聞きに来たんだ」
「私とディエチ、ノーヴェ、ウェンディはナカジマ家にお世話になる予定だ。ゲンヤ氏の養子として、な」
「なるほど……」
「セインとディード、オットーは聖王教会の方にシスターとして迎えられるらしい。詳しいことは知らないがな」


チンクから一通り聞きたいことを聞き終えた私は、


「さて、今日は土産がある」


と、言った瞬間に、


「どこどこ!?どこッスか!?」
「なになに!?また美味いもの!?」


ウェンディとセインが食いついた。


「残念ながら食べ物ではない。が……あながち間違いでもないな」
「謎かけは苦手ッス。もったいぶらずに教えてくれッス!!」


そう言いながら詰め寄ってきたウェンディは……


「やかましい!少しは大人しく待てねーのか!!」


ノーヴェに殴られた。


「痛っ!?」
「自業自得だ」
「でも待てないッス!!」


と、いつまでも教えないのは可哀想なので、持ってきていたそれを見せる。


「これだ」
「にーさん、これがお土産ッスか?」
「ああ。鍋だ」
「鍋か……」


あからさまにがっかりした様子を見せるセインとウェンディ。


「ん?これはどこかで……」


そして、見たことがあるのか記憶を探っているディエチ。


「これは土鍋と言って、私の出身地ではこの鍋でパーティーのようなこともする」
「へぇ~」


間の抜けた声を出すウェンディと対照的に、何かに気づいたセイン。


「旦那、もしかして……」
「今日は食材も持ってきている。早速これを使って見せよう」
「「やったー!!」」
「相変わらずの食い意地だな……」


チンクのつぶやきは二人には届かない。



…………………………………………………………………


「あー!!ウェンディ、それはあたしの肉だぞ!!」
「へへーん、隙を見せる方が悪いっすよ~」
「野菜も食べるんだぞ、セイン」
「え~、チンク姉だって茸食べてないじゃんか」
「そ、それはそれだ!!」
「今のうちに……」
「ふふふ……」


肉を取られたノーヴェが怒り、チンクとセインのやり取りの隙をついて自分の分を確保するオットーとディード。それを見守るディエチ、という構図が出来ていた。


(こうして見ると普通の姉妹のようだな……)


「あの……」


と、物思いにふけっていたらノーヴェに話しかけられていた。


「なんだ?」
「ありがとう……。士郎さん達のおかげであたし達はこうしてみんなで過ごせてる。新しい生き方を探せる。だから……この恩はちゃんと返す」
「そうか。それならば自分の幸せを見つけてくれ。それが私への恩返しだ」
「ああ。きっと」
「ノーヴェ~早く来ないと肉無くなるッスよ~」
「何!?てか犯人はお前だろウェンディ!!」


彼女たちも変わっていく。戦闘機人として戦う事しか知らなかった彼女たちは普通の少女として生きていくのだろう。
私も、先へ進まなくてはならないな……。
なのはとの事。これからの事。やるべきことはまだまだあるのだから。




side ノーヴェ


士郎さんが帰ったあと、一人で考える。


「幸せ、か」
「お悩みのようだな。姉が相談にのるか?」
「チンク姉……あのさ、幸せってなんだと思う?」


あたしは隣に来たチンク姉に聞いてみた。


「幸せ、か。わからんな」
「…え?」
「ノーヴェ。幸せを知っているならばすでに私達は幸せ、ということではないか?」


やはりチンク姉は頭がいい。そんな風に考えるなんてあたしには出来ない。


「時間はたっぷりあるんだ。あせる必要も、慌てて探し回ることもしなくていいだろう。先は長いんだからな」
「そうだな……ありがとう、チンク姉」
「フッ、これも姉の勤めだからな」


そうやって得意気に言うチンク姉は戦うことしかしらなかった時のような冷たい笑顔ではなく、慈愛に満ちた笑顔だった。
これからあたし達は変わって行くのだろう。自分の目指す方向に向かって。
何が待っているのかはわからないけど姉妹みんながいれば頑張っていける。
それだけは変わらない。
 
 

 
後書き
次回からリクエスト話に入ります(*^^*)

ですが、下書きが全く出来ていないため更新速度は亀になると思われます(T_T)

それでは~

 
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