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100年後の管理局

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第十一話 夜天、魔剣

 
前書き
さらに続き。
今回はタイトル通り、ひさめさんの戦闘です。 

 
「とばせ!!」
「分かってる!全力で逃げるぞ!」
誠也の前から逃走した二人は、全力でグラールの空を逃げていた。
未だに維持されている転移妨害の結界のせいで転移ができないため、転移が可能となる場所まで全力で逃げていたのであった。
「これを持ち帰られれば……。」
「ああ……。希望が見えてくる……。」
二人の表情には笑顔があった。
あと少しで妨害結界の外。手に入れたロストロギアを持ち帰ることができる。
「まあ、持ち帰らせたりはせんけどな。」
その声同時にその声が聞こえてきた方向から砲撃が撃ち込まれた。
二人は間一髪でかわしたかに見えたが、その砲撃は二人の目の前で炸裂し、巨大な渦となって二人を巻き込んだ。
「「うあああ!!!」」
渦に巻き込まれた二人は吹き飛ばされてしまう。しかし、その手に持ったロストロギアを離すことはなかった。
「さて、こっから先に通すわけにはいかへんで。」
体勢を整えた二人の先に立つのは白と黒を基調にした白の六枚羽が印象的なバリアジャケットを着る少女であった。
「八神…ひさめ……。」
二人の表情には苦々しさがあった。
けれどひさめはそれを無視して告げる。
「ここでそのロストロギアを渡してもらえへんやろか?そしたらこっちもさっき以上の武力行使をせんで済むんやけど。」
そう問いかけるも返答は返ってこない。
いや、帰っては来ていた。態度と言う形で。
二人は戦闘をする構えをとり、抗戦の意思を示す。
「………ならしゃあない。倒してから奪わせてもらうで!!」
『Balmung』
ひさめの背中から剣の形をした魔力弾が打ち出される。
剣群は二人に向かって高速で迫っていく。
二人は散開し、剣群を回避する。
しかし、そこにたたみかけるように魔法を繰り出していく。
「ブリューナク!」
『Brionac』
無数の魔力弾が放たれる。
二人はそれも完全にかわしていく。
そのうえでロストロギアを持たない方は剣を武装として出現させ、ひさめに迫っていく。
ひさめもそれを確認して、迎え撃つためシュベルトクロイツに呼び掛ける。
「クロイツ!モード、レヴァンティン!」
『Ja』
円環の十字槍がガシャガシャと音をたて変形していく。
変形が完了した時、そこにあったのは鞘に入ったバイオレットカラーの一振りの剣だった。
相手は剣に雷をため、ひさめは剣に炎をため互いに振りかぶる。
「豪雷一閃!」
「紫電一閃!」
剣同士が激突し、ぶつかり合ったエネルギーがその場で炸裂する。
「ぐっ!」
「きゃあ!」
そのエネルギーの大きさ故に二人は吹き飛ばされ、距離が開く。
この瞬間、ひさめは一つのことが頭から抜け落ちていた。
「逃がさへん!」
一気に遠ざかるロストロギアを持つ相手に気付いたひさめは相手を追おうとするが、横からもう一人が斬りかかってくる。
それをレヴァンティンでもって応戦していくが、そんなことをしている間にももう一人が遠ざかっていく。
「飛龍一閃!」
一気に倒すため大魔力を込めた剣を振りかぶる。
「雷刃一閃!」
それもまた大量の雷をまとった剣で応戦される。
また巨大なエネルギーが炸裂し、吹き飛ばされる。
勝負を一気に決めたいひさめとなるべく時間を稼ぎたい相手。
ひさめは大魔力を込め剣をふるい、時間を稼ぎたい相手は同じだけの剣をぶつけ、エネルギーを炸裂させていく。
互いの思惑が衝突しあい、時間ばかりが過ぎようとしていた。
幾合もの打ち合いの末、戦況は大きくひさめ側に傾く。
「これで終わりや!火龍一閃!」
今までで最大の魔力を込め、剣を叩きつける。
隙を見つけた一撃だったため、相手はその剣に応戦できず、直撃してしまう。
「ぐはっ!!」
そのまま相手は気絶して落下していく。
すぐさまひさめは身を翻し、ロストロギアを持つ相手に体を向ける。
「待ちや!」
全力で追いかけようとするも、間に合わない。ひさめはそう確信した。
後わずかの距離で転移妨害の結界を抜けられてしまう。
「ボーゲンフォーム!」
『Ja』
ひさめは剣の柄と鞘を一つに合わせる。
すると二つに合わさった剣と鞘は白色の光を発しながら一つの弓に形を変えていく。
飛び去っていく鳥を狙う隼のごとく狙いを定め、弓を引こうとしたその瞬間ガカァ!!と稲光が轟いた。
 
 

 
後書き
ブリューナク(Brionac)、バルムンク(Balmung)はなのはのゲームではやてが使用する魔法です。
本作の設定として、シュベルトクロイツは変形機構を持っています。なぜレヴァンティンに変形できるのか、グラーフアイゼンとかはどうなのかについては後々出していくつもりです。 
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