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赤髪の刀使い

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間違えるのは勝手です

アルゴside

―――スッ

「…200」

―――チャリ

「まいド」

―――スッ

これが私、プレイヤー名アルゴの日常。
私がこのソードアート・オンラインでやっていることそれは…情報屋。
下手をすれば人の命を軽く失わせるかもしれない重要な仕事。間違えてはいけない。

情報を売る相手の情報も集める。
それがないと犯罪に利用されるかもしれないから。

命を狙われる可能性もある。
命が惜しければ情報を渡せと迫ってきた輩もいる。
その時は敏捷値極ビルドの足の見せ所。
索敵を使って人のいないところに逃げ込んだらあとはフードと顔のペイントを消して通りすがりの一般人を装う。
そのためにフードの下にはよく女性が装備する可愛い部類に分類される装備を着ている。

ソロ相手だと結構仕事のやりがいはある。
ソロの人たちは情報の大切さをよくわかっているから。
それにソロでないと索敵なんか取ってないからすぐに逃げることができる。

そんな命と隣り合わせな仕事をしていても安心できる場所がある。
妙なキャラを作る必要がない場所がある。
それは

「アールゴッ!
見てみて!できた!」

「ほら、飯できたぞ」

現実でも友達のリズとユウのいるこの貸切にした宿屋。
ここだけは素の私でいることができる。

このソードアート・オンラインでデスゲームが始まってから今まで私が狂うこともなく生活できているのはこの二人の存在が大きい。

ユウは現実の姿になっても元々のアバターとはほとんど変わらない容姿をした男の娘。
リズはそばかすがトレードマークと言ってもいいような普通な女の子。

ユウにはこのデスゲームが始まったときから何度も抱き着いたりしてるけど実は私の内心は結構ドキドキしてる。
その辺の女の子なんて目じゃないぐらい可愛い容姿をしていて、ソードスキルを使わない戦闘ならこのSAOの世界ではトップクラスの実力を誇ると…思う。
現実世界だと本当に女友達としてしか思えなかったけど、この世界に来てからは本当に頼りになる《男の人》を意識し始めてきちゃった。
まだloveなのかlikeなのかは判断できないけど…好きな方だと私は思ってる。


リズは私のクラスメイトで親友。
何度も私をからかったりしてくるけど、からかったりしてくるときは大体私が落ち込んでいるときがほとんどで元気を付けさそうとしてくれているのが分かる。
多分直接言っても本人は否定するでしょうけどね。
リズは鍛冶屋。現段階では上位のスキル値を誇る名匠。私の使う投剣はリズ製ね。
なんといっても低コストながらNPCの売っている投剣よりも性能がいい。
そしてユウの幼馴染。


この二人がこの世界での私の癒し。







私は一仕事終えた後、適当にフードと髭を消して街を散策していた。
情報屋のアルゴの恰好をしていては心無いプレイヤーから命を狙われる可能性があるからね。

狙われるだけに十分な情報を私は持ってる。

今はタフトをぶらぶらと歩きながら情報を集めていると見覚えのある黒尽くめが楽しそうにプレイヤーと話しながら街に入ってきた。

(キリトに…えーと…あとは…サチさんでよかったかな?)

黒尽くめは攻略組のソロの一員でβテストのときから付き合いがある奴でキリトっていうプレイヤーネームね。
サチさんというかこのソードアートオンラインの中での女の人口は極端に少ないから大体の女性プレイヤーの名前は覚えた。
たまーに女性プレイヤーネームの男性がいるからややこしいときもあるけど、なんとかなる。

私は自然とキリトたちの集団の後ろをついてきてしまっていた。

(面白い情報がありそう)

こんな不純な動機だけで。






結果。
途中経過を軽くすっとばすとキリトはこのギルド《月夜の黒猫団》に加入した。
しかもレベルと偽って。

(これはまずいことになるかもしれないわね)

なんか私の女の勘がやばいと警告してくる。
下手したらこのギルドは全滅するかもしれない…でも、今ここで近付くにはリスクがありすぎるし…
ユウに見張ってもらうことにしましょう。
私は極ビルドだから戦闘には向かないし、攻略組のためのボスの情報とかも集めないといけない。
ユウなら実力もあるし問題はないわ。


sideout





「んー」

俺は今アルゴに頼まれた《月夜の黒猫団》というギルドを見ているんだが…

(楽しそうだねぇー)

このギルドにアルゴは何の危機感を抱いたのか分からないが、それぞれのレベルがよく分からないから何とも言えないけど、見た感じ安全マージンはしっかり取ってるしアルゴのいうみたいにギルドの壊滅なんてことはないと思う。

それにしても後衛に分類されるような槍から前衛の片手剣に転向させるのは無茶だと思う。
俺が基本自分の獲物の大太刀しか使わないのは他の獲物を使っても大したことができないからだ。
一応素人なんかよりはまともに使えるといっても慣れていない武器で戦闘なんて怖くてできない。

確かに両手で扱う必要のある槍よりも片手で盾を持つことのできる片手剣は防御力の面ではとても強い。
しかし槍よりも前衛の片手剣なんかではモンスターから感じるプレッシャーというものも全く違う。

(接触してみるか)

アルゴからは必要なら接触しても構わないし、いざとなったら自分の名前を出してもいいと言われた。
《鼠のアルゴ》の名前はSAOの中じゃ《黒の剣士》や《閃光》みたいに有名だからな。







「キリトさん。
お久しぶりですね」

俺は酒場で食事をしていた《月夜の黒猫団》に接触した。

「えーっと…ユウちゃんだっけか?」

キリトが俺の全身を見ながら言ってくる。
俺の今日の服装は1層のエキストラスキルと取った時にもらった浴衣で髪をアルゴからもらった髪留めで止めている。
手にはこれまたアルゴがどこからか仕入れてきた巾着を手に簡単に言ったら祭り仕様だ。

「はい。
覚えてくれてましたか」

俺はキリトに微笑む。

「あ、あぁ」

(おぉ赤くなってら)

デジャブ?知らんな。


「キリト、キリト。
この可愛い御嬢さんはどちらさんで?」

赤みがかった髪の男性…多分ケイタが俺を見ながらキリトに聞いている。

一応アルゴからこのギルドのメンバーを教えてもらってはいるがちょっと自信がない。

「えーとこの子はユウちゃんで、一層のときのボス戦に参加していた子なんだ。
その攻略会議のときにちょっと話した程度でな」

キリトのあの時のちょっと人見知りの感じはちょっと軽減した感じかな。
よきかなよきかな。

「じゃっ俺から自己紹介するぜ!
俺はダッガー。武器は短剣を使ってる。よろしく!」

勢いよく椅子から立ち上がり、俺に握手を求めてきた。
まぁ拒否する必要を感じないから普通にするがな。

「次は俺だな。
俺はササマル。槍を使ってる。よろしくな」

「俺はテツオだ。
このギルドでキリトが入ってくれるまでは一人の前衛だった。
よろしく頼む」

「そして俺がこの《月夜の黒猫団》のギルドマスターのケイタだ。
よろしく頼むよ
それとこいつはサチ。同じ女の子同士仲良くしてやってくれ」

「ぶー。私はケイタに言われなくても仲良くするつもりだったの」

俺と同い年か?ちょっと上かな?
それと俺は女の子じゃない。

まぁ訂正すると面倒だからしないが。


 
 

 
後書き
投稿するペース > 書くペース

という不等式ができそうです…

ストックががが 
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