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エヴァンゲリオン REAL 最後の女神

作者:竜牙
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使徒大戦
第二章
  2.01

 
前書き
ブクマありがとうございます。
改稿が間に合わなくなってきましたので、同人誌版をとりあえず載せますね。 

 

 ……揺れてる。水面?
 この光はなに?
 疑問の答えはすぐに得られた。自分の中から。
 アレはシンジ。シンジの心。
 揺れているのは不安だから。アタシに拒絶されるのが怖いのね。
 シンジの心がざわめく。バカね、おびえなくても。もう分かってるんでしょう、ここでは隠し事なんてできないんだから。
 知られたくなかったことも、隠さなければならないと思ったことも。恥ずかしいという気持ちさえも。何もかも、もうどうでもいいと思える。アンタは違うの?
 あいかわらずバカね、シンジ。
 アンタのアタシに対する気持ちも分かっているんだから。キレイな想いも、息苦しい欲望も。それは分けられるものじゃないのね。今なら分かる。アタシが欲しいのね。独り占めにしたいのね。アタシを守るナイトの役目も、安心して眠る腕枕の名誉も、アタシを壊す権利さえも。欲張りなんだから。
 もう強がりは意味ないもの。認めるわ。アンタの気持ちがうれしいって感じてる。独占して欲しいって。
 アタシの気持ちも分かるんでしょう?
 アタシは認めて欲しかった。必要として欲しかった。忘れられたくなかった。
 努力して、天才だってもてはやされて、容姿にオトコどもが群がって。でもそんなのちっともうれしくなんてなかった。
 そうね、きっと、自分が求めている相手じゃなければ意味無かったのね。
 そうよ、アタシはママに見ていて欲しかったの。
 バカ、泣いてないわよ。……そりゃちょっと悲しくなったけど。
 アンタの心は暖かいわ。安心する。
 アンタはアタシを見ていてくれたのね。ホントはずっと知ってた。
 でも認めることができなかったの。それをどう受け入れていいのか分からなかったの。
 アンタも同じなのね。愛されたり、愛したりすることがうまくできい。ホントは欲しいのに、拒絶されるのが怖くて手を伸ばせない。アタシは自分から拒絶することでプライドを守ろうとした。アンタはあきらめることで心の傷を避けた。やってることは違っても同じなのよ。裏表。ホントは愛して欲しくて泣いてる子どもなの。
 アンタはアタシを愛してくれる? アンタがずっと変わらない愛をアタシにくれるなら、アタシをあんたにあげる。身も心もアンタにあげるわ。ふふ、喜んでていいの? 浮気したらコロスわよ。生まれてきたことを後悔するような方法でね。
 あら、ずいぶん自身ありげだけど、アタシが知らないと思ってんの? ファーストはどうすんのよ。
 アンタいま動揺したわね。この浮気者! 言ってるそばからこれじゃ先が思いやられるわ。
 アハハ、ば~か、そんなに慌てなくても分かってるわよ。
 アイツはアンタのママからサルベージされたんでしょ。つまり妹みたいなもんだって言いたいのね。でもちょっとアンタの気持ちは妹というには行き過ぎてるわよ。隠し事はできないって言ったでしょ!
 アンタのほうはまあ肉親だって思ってるのは認めてやったとしてもね、ファーストのほうは違うわよ。明らかにアンタを求めてる。
 アンタみたいな優し……コホン。優柔不断なヤツがアイツの生まれを知ってるのに、行き場がないのを知ってるのに見捨てられるの? アタシだけを見てくれるの?
 なにニヤニヤしてんのよ。あっ、アンタ、アタシの心のぞいたわね。イイ度胸じゃないの。なに口答えしてんのよ、つながってるんだから見えるってことくらい分かってるのよ。でも腹がたつんだから!
 まあいいわ。
 多少はアイツにお情けをくれてやっても。アイツも不幸だしね。アンタしかいないって依存する気持ちも分かるしさ。
 でも! いい? アタシが本妻よ。分かってるわね。あくまでアイツはおまけ。いいわね?
 あーもう、ホントバカ正直なんだから。いま考えたようなことはぜっっっったいに無いわよ! このスケベ!
 まあ、それはさておき、明るい未来のためにもあの変態ホモ野郎をぶち殺しに行かないとね。
 なによ、あんたまだあのホモに未練あんの?けっこう気が多いわねー。
 なによ、なんだかすっかり絶好調だねって?
 当たり前じゃない。
 弐号機の中にいたママの魂の欠片もアタシに同化したし、バカシンジもゲットしたし。
 弐号機がシンクロしなかったのはあのボケナスの一部がダミープラグってーの? になって弐号機を強制的に乗っ取ったからでしょ。落ち込む理由は無くなったじゃない。
 え? 使徒になったかもしれないって? べつにいーじゃない。アタシもアンタもそうなら問題ナッシングよ。ついでにファーストもね。人類補完計画ってのが何かしらなけど、エヴァはまだ初号機がいるし、あんたが考えている通り副座で乗ってあげるわよ。あの腐れホモ野郎をぷちっと殲滅したら、ネルフだろうが国連だろうが敵じゃないって。第一、アンタもたぶんアタシもATフィールドはれんのよ? 無敵じゃない。だからさっさとここを出るわよ。

 ……ふう、アスカ完全復活って感じだよね、あのテンションの高さは……わ、ごめんって。
 えっ、ただじゃ許さない? えっ? ええっ? そ、そんな恥ずかしいこと……。
 わ、わかったよ、言えばいいんだろ。
 ……アスカ、愛してるよ。
 ウソじゃないみたいねって……そんなの、つながってんだから最初っから分かってるんだろ。もう。ていうか、そーゆーとこはアスカ変わりすぎだよ。素直になることにした、って言ってもちょっと……。
 いや、その……うれしいんだけどね。そりゃね。ああもう。そうだよ、すごくうれしいよ。
 ……弐号機のお母さんは残念だったね。欠片だけしか残ってないなんて……やっぱり徐々にエヴァに吸収されてしまうんだね。存在の重みが圧倒的に違うからね……普通の人間じゃあ。
 でもさ、そのぶんもボクが……その……。
 う、分かったよ。
 だから……アスカを……守るよ。いまはまだ頼りないだろうけど、これからガンバルから。
 うん、期待しててよ。
 分かった。
 そろそろ出よう。きっとみんなも心配してる。
 
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