DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第1章:王宮の戦士とヲタ少女
第8話:ピンクの鎧は正義の証
前書き
何かすげーサブタイトルだな…
(湖の塔)
ライアンSIDE
先程からマリーが妙に周囲を気にし始めた。
目の前に下へと続く階段があるにも拘わらず、それを無視してフロア内を探索する…
一体何を求めてるのだろうか?
「わ~お、あれに見えるは宝箱!ライアンちゃん、開けてみてよ!」
どうやら塔内に置いてある宝箱を求めての行動だった様だ。
あまり感心できんなぁ………
「なぁマリー。こんな敵地に置いてある宝箱だ…罠とも考えられるだろう?開けない方が良いのではないか?」
私は出来るだけ優しい口調でマリーを宥めた。
「何を仰るライアン君!私は君を信用しているのだよ!例え宝箱の中身がモンスターだとしても、君なら一瞬でそれを駆逐し、他者の為にトラップを1つでも少なくすると。それにもしかしたら、中に凄いアイテムがあり、格好いいライアンちゃんを更に格好良くするかもしれないじゃない!?」
「………なるほど!確かに凄いアイテムがあるかもしれないな!!それに、その通りだ…他の冒険者達の為に、トラップを減らしておくべきだろう!」
マリーの深慮深い事…感服致す!
後の世の事を考え…
そして私の事を全面的に信用して…
私もその期待に応えなければならないだろうな!
ライアンSIDE END
(湖の塔)
マリーSIDE
私の目の前でライアンちゃんが宝箱を勢い良く開ける。
これで2つ目だ…どうやらお目当ての『破邪の剣』が入っている。
まったくもってチョロいぜ!
「わぁ!凄そうな剣ね♥ライアンちゃんにピッタリじゃない?」
私に褒められ、気取ったポーズで剣を構える。
お父さんだとこうは行かない…
だがライアンちゃんは簡単に煽てに乗ってくれる。
1つ目の宝箱には少額のゴールドが入っていた。
開けてくれたのはライアンちゃんだが、頂いたのは私である!
その代わり『破邪の剣』は彼の物!
まぁ尤も、このダンジョンに人食い箱系のモンスターが居ない事は100%分かり切っていた事だったので、危険な事など一切なかったのだけどね。
でもお父さんだったら宝箱を開けさせてはくれないだろう…あの人、物欲がなさすぎる。
ライアンちゃんの装備も整い、破竹の勢いで突き進む私達。
今の私達に怖い物など何もない。
…あるとしたら“一杯の昆布茶”くらいかな?(笑)
「む!?この先から子供の泣き声が聞こえてくるぞ!」
『饅頭怖い』を思いだしニヤニヤしていると、突然ライアンちゃんが立ち止まり、下層への階段を指差し呟いた。
「ラ、ライアン様…この先に子供達が…敵のボスが居るんだね?」
ホイミン君がライアンちゃんにピッタリ寄り添い、ブルブルと震えている。
う~ん…ラブラブ?
「準備は良いか二人とも?」
「う、うん…ボク頑張るよ!」
「うッス!何時でもオーケー牧場ッス!」
「「牧場?」」
思わず出ちゃった一言に、お二人キョトンと聞き返す。
お父さんが居れば、更なる被せで笑いを取るのに…
「気にしないで下さいませ。ガッツで行こうって事ですから」
「う、うむ…そうだな…」
う~ん…これも違う。お父さんなら『ガッツだぜ!』を歌い出す!
「ライアン様…マリーさんて時々よく分からない事言いますね?」
疑問いっぱいのホイミン君が、小声でライアンちゃんに囁いた。
聞こえてんぞコラ!
「うむ…あまり触れない方が良いかもな…」
触らぬ神に祟りなし…そんな言葉を思い出すライアンちゃんの囁き返答。
お前等、内緒話ならもっと小声でやれ!
私がジト目で睨んでいると…
「よ、よし!子供達を助ける為に行くとするか!」
と誤魔化しながら先へ進み出した。
納得のいかないまま地下へ下りると…
そこには泣き叫ぶ子供達と、子供達を恫喝する2匹のモンスターが!
すると1人の子供がモンスターの手を逃れ、ライアンちゃんの下へ逃げてきた。
「え~ん、おじちゃん助けて!コイツ等僕の事“勇者だろう”って言ってイジメるんだ!」
「もう大丈夫だよププル君!このライアン様がアイツ等をやっつけてくれるからね!」
「あ、ホイミン…助けに来てくれたんだね!?」
どうやらホイミン君は子供達とお友達の様だ。
「ふん、ご苦労な事なだ…無駄な事だと分からずにこんな所まで来るとは…」
2匹のモンスター…『ピサロの手先』と『大目玉』…
私達に一歩近付き、ドスの効いた声で脅してくる。
「我らピサロ様の忠実な部下の目的は、何れ現れるであろう“勇者”を、子供のウチに抹殺する事!キサマらなどに用は無い…だが、この事を知られたからには生かして帰すわけにはいかぬ!何処の誰だか知らぬが、自分の運命を呪うがいい!」
勝手に説明して、それを聞かれたからと殺すという…どういう了見だ!
「はっ、何処の誰だか知らぬとは笑止千万!であれば、冥土の土産に教えてくれよう。ピンクの鎧は正義の象徴!立派なお髭は強さの証!彼こそはバトランド王宮の戦士ライアン様だ!キサマらザコなど物の数ではない!」
先程、腫れ物扱いされた仕返しに、ライアンちゃんを矢面に立たせる私。
みんなの視線が困り切っている彼に集まります。
ホイミン君など「ライアン様カッコイイ…」と呟く程。
「ザコとは何だ!俺さ「メラゾーマ!」ぎゃー!!」
大目玉が出張り騒ぎ出したので、軽く瞬殺してやります。
そして…
「さぁライアンちゃん!ザコは私が片付けましたわ!あっちのメインはよろしくどうぞ♥」
そう言って子供達を一カ所に集め、細波の杖でマホカンタを張り、その他の事を丸投げする。
ちょっと父親に似てきたかもね(てへ♥)
マリーSIDE END
後書き
敵を煽っても、戦うのは他の者…
これぞリュカ家の伝統だね。
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