魔法少女リリカルなのは 小さい頃から時空管理局に勤めていた少年
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査察と報告
殉職者の送別会から数日経ったある日。
現在では部隊稼働率73.6%まで回復した。
しかし魔法指導部は稼働率0.0%を通していた。
新人の教導官を三人転属されてきた。
でも以前との違いで部隊がついていけてない。
「本日よりこの部隊の魔法指導部は排斥とすることが決定しました。それで新たに非戦闘部隊を設けたいと考えたいと思います。」
僕は今までの実行部隊の様子を見て変えるべきことがあると思い非戦闘部隊の設立に至った。
何故非戦闘部隊なんかを作ったかと言うと、従来は実行部隊が調査、査察と戦闘を行ってきた。
だがそれでは実行部隊に大きな負担がかかる。
それなら実行部隊は戦闘のみにして、調査、査察を新たな部署に任せれば良い。
そう思ったからである。
「構成人数は地上本部と話し合いをしてから決定します。」
僕は一旦深呼吸をして、
「突然では有りますが、今日本局から査察が入ることになりました。」
一瞬にして会議室内が騒がしくなった。
「ですのでボロを出さないように気を付けてください。以上で朝礼を終了します。」
各部署の首席、次席が自分たちの持ち場に戻る中、情報部だけは会議室に残っていた。
情報部は今日一日だけ活動休止。
「情報部は何としても本局に総合調査隊隊舎(旧隊舎)の資料室に行けないようにロックをしておいて。」
「了解です。しかし未来准将。最近休まれていないようですが大丈夫ですか?。」
僕は睡眠十分に取れず、仮眠状態が続いていた。
「大丈夫です。それに査察が終われば眠れると思いますから。」
僕はまだ分からないけど査察が終われば寝れると言ってしまった。
それにしても本局が査察に来るなんて罰当たりの気がする。
「残された時間は少ないから急いで。」
「了解しました。では準備に向かいます。」
僕も部隊長室に戻ろうとした。
「すみません。少し話があるので聞いてくれませんか?」
オオカリ二佐が僕に話があると、僕が部隊長室に戻ろうとするのを止めた。
「実は今日の査察はクロノ提督が来る予定だったらしいのですが、急用のため代理が送られて来るそうです。」
「代理?一体誰なんですか?」
オオカリ二佐は言いにくそうな顔をしている。
そして僕もだんだん予想がついてき。
「まさか狸こと八神の二佐?」
オオカリ二佐は首を上下に降った。
査察に来るのが狸と言うことは、対策を練らなくてはならない。
「オオカリ二等陸佐。今日一日八神二等陸佐の監視を命じます。」
「あっ、はい、了解しました。」
これでいつ来ても大丈夫。
僕は部隊長室に戻り書類の整理を始めた。
査察が始まれば気づくだろうし。
何しろオオカリ二佐が連絡をしてくれる。
僕は部隊長室にあるマイクを使って。
『スクライア二等陸士。至急部隊長室まで来てください。』
僕は部隊局員寮にいるスクライア二士を呼んだ。
僕は八神二佐が来る前にやるべきことがあった。
部隊局員書類の重要書類保管室への移動。
今更だけど部隊に戦闘機人(ナンバーズ)の引き抜きに関する書類。
「何なんですか?」
「この書類を重要書類保管室へ運んでください。」
何故スクライア二士に頼むかと言うと、重要書類保管室はドアがない。
転移魔法が使える人しか入れない。
「了解しました。」
スクライア二士はすぐに持っていってくれた。
スクライア二士が書類を運んでいる間に査察に来た狸こと八神二佐が到着した。
出迎えたオオカリ二佐は狸を連れて部隊長室まで来た。
「失礼します。本局機動六課より査察に来られた八神はやて二等陸佐をお連れしました。」
「ご苦労様。そしてようこそ強行調査専門部隊に。僕の事は知っているだろうから自己紹介は省くよ。」
僕は机の中からこの部隊の施設見取り図を出した。
もちろん極秘施設は記入してはいない。
「オオカリ二等陸佐は八神二等陸佐をご案内してあげて。僕はこれから会議があるから。」
もちろん会議なんてない。
嘘ではあるがしばらく顔を出せないのだから間違ってはいないであろう。
なぜ顔を出せないかと言うと、重要書類保管室にいって整理をするからだ。
「それでは失礼します。八神二等陸佐こちらです。」
オオカリ二佐に連れられて八神二佐は出ていった。
そして僕の部屋に戻ってきたスクライア二士。
「スクライア二士。今から重要書類保管室にて聖王のゆりかごについて調べます。情報部を収集してください。」
「了解です。」
これで聖王のゆりかごの事さえ分かれば僕たち管理局の勝利。
絶対にデータはあるはず。
だから探す。
「准将。情報部の半数は向こうに残るようです。今準備をしているそうです。」
「それでは中に入りますか。スクライア二士、お願いします。」
僕はスクライア二士に転移をしてもらい中に入った。
中に入るのは初めてだが極秘書類が沢山あるのは知っていた。
「これって。」
僕が見たのは新暦58年[人工魔導師生産計画]のレポート。
中を見てみると、
~人工魔導師生産計画~
コード[future]。
クローン培養。
地上本部AAAの夏村千秋一等空佐をベースにした人工魔導師を生産する。
結果。
成長過程で問題がある。
一定まで成長すると成長が止まる。
魔力値はS+でベースよりも上回った。
結果は失敗とする。
研究者責任者、ジェイル・スカリエッティー。
保護責任者、夏村千秋。
人工魔導師の名前を夏村未来とする。
~レポート提出新暦58年8月8日~
僕は今見たのがなんなのか分からなかった。
でも一番最後に僕の名前があった。
そんな僕にスカリエッティー から通信が入った。
『まさか君に見つかるなんてな。』
「ジェイル・スカリエッティー。なんのよう?」
何て言うか凄すぎる。
このレポートを見つけた時に通信が入るなんて。
『もう知っているのではないかね。人工魔導師生産計画の失敗作。コード[future]。』
「やっぱり僕のことなんですか。薄々自分が他の人とは違うと気がついてはいた。それが確実になっただけ。」
僕はフェイトさんとは違う。
その程度のことで落ち込まない。
でも涙が止まらなかった。
『管理局の上層部は密かに君を殺そうとした。だから急な転勤があったんだよ。』
管理局が僕を殺そうとした?
そんなまさか。
『証拠を知りたいかね。だったら新暦60年の人工魔導師計画のレポートを見てみなさい。』
僕は今さっき見つけたレポートの近くをもう一度探した。
~人工魔導師計画~
コード[facsimile]
クローン培養。
細胞提供者;キリエ・オオカリ一等陸尉。
目的
前実験の失敗作を超える作品の製造。
成功したのちには[future]の抹消。
結果
[future]よりも魔力量が減少。
より失敗。
任務
[future]の監視。
名前をリカ・オオカリ
実験担当者;プレシア・テスタロッサ
保護責任者;キリエ・オオカリ
~以上~
「そんな。」
まさかオオカリ二佐が僕を殺すために造られたなんて。
そんなの嘘だ。
嘘に決まっている。
「こんなの嘘だ。」
僕はスカリエッティーに向けて言った。
しかしスカリエッティーは顔色を変えずに、
「これが事実なのだよ。」
僕は一瞬にしてスイッチが切れたように倒れた。
最後にスカリエッティーが言っていたのは、
『これで全ての準備が整った。』
だった。
僕が次に目を覚ましたのはベットの上だった。
「准将。よくご無事で。」
となりにいたのはオオカリ二佐だった。
僕は怖くなった。
「オオカリ二等陸佐。あなたの任務は何ですか?」
僕はオオカリ二佐を疑ってしまった。
これが良くないのはわかっていた。
「私の任務は夏村未来。あなたのサポートです。」
「嘘だ。僕を殺すために造られたんだろ。そう言えばいいじゃないか。」
「何を言っているんですか?確かに私はあなたを殺す為に作られました。でも計画書にもあったように、今はあなたのサポートが私の任務なのです。証拠です。」
オオカリ二佐は聞かれるのが分かっていたのか、計画書の続きを見せた。
~追加計画~
先の実験で造られた二人の人造魔導師は互いに協力することで一定の成果を出すものであることが判明した。この事より二人を同じ部隊に所属させることが望ましい。
さらに[future]と[facsimile]は[fate]には備わっていない機能がある。
融合魔法(ヒュージョンマジック)。
二人が同時に同時に悪魔の砲撃(デビルシーリング)を発動することで威力が数十倍増加する。
また、人造魔導師計画は一時中断とする。
コード[fate]、[future]、[facsimile]は極秘扱いとする。
~新暦60年~
この計画が本当なら確かに僕とオオカリ二佐が協力すれば大きな力になる。
僕の予想ではSSSランク以上は確実であろう。
「ゴメン。僕の早とちりだったよ。」
「誰だってありますよ。それよりも准将。人造魔導師にとって生みの親は誰だと思いますか?」
「ジェイル・スカリエッティー。突然どうしたの?」
いきなりバリアジャケットを展開するオオカリ二佐。
「時は来たのですよ。管理局に復讐する時が。」
本局
「強行調査専門部隊に異常はありません。しかし部隊長である未来がショックで倒れるなど意外な事が起きました。」
はやてによる査察の報告。
「ご苦労様。明日からはアースラだっけ、老朽艦だから気を付けるんだぞ。」
「わかっとる。」
アースラによる活動再会前日であった。
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