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魔法少女リリカルなのは 小さい頃から時空管理局に勤めていた少年

作者:stk
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査問勧告と殉職者

地上本部襲撃から一夜が明けた今日。
多くの部隊で被害が出た今回の事件は次元犯罪者ジェイル・スカリエッティーの仕業と言うことで進められた。
僕の部隊では死傷者合わせて28人。
隊舎前を緊急配置で護ってくれていた実行部隊の分隊も大きな被害が出ていた。
魔法指導部の教導官は全員が搬送先の病院で死亡が確認できた。
死者を言うならば実行部隊6人、魔法指導部5人の11人。
こんなにも多くの尊い命が一晩で亡くなったのだ。
僕に関しては左腕の骨折ですんだ。
酷い隊員は集中治療室に入っている。
モンディアル三佐に関しては精神状態が不安定な状況だった。
現在は隊舎にオオカリ二佐を中心に技術研究部と情報部で活動をしている。
僕自信は本局に呼び出されていた。
それも兄のクロノから。
「失礼します。ミッドチルダ地上本部直属強行調査専門部隊、部隊長の夏村未来准将です。」
「どうぞ。」
クロノは普通に中に通してくれた。
中には何故か八神二佐がいた。
「また狸か。」
僕は前と同じように振る舞った。
八神二佐が不機嫌なのは僕にとってはどうでもいい。
「どうして呼ばれたのか聞いてもいいですか?」
口を開いたのは八神二佐だった。
「今回の事件では私の部隊をまもってくれてありがとな。」
意外にも感謝が先に来た。
そもそも機動六課は優秀な人材が揃っているから援助不要だったかもしれないが。
「そのおかげで多くの隊員が大怪我せずにすんだ。ほんまありがとな。」
「それほどでも。で用件は?」
僕は気になったので早くしてほしい気持ちを込めて伝えた。
「本局は地上本部と直属の強行調査専門部隊を査察する事に決めた。」
僕は思わず驚いてしまった。
「本局が地上を?冗談が下手ですね。」
僕は嘘であることを願って聞いてみた。
するとクロノは首を横にふってから。
「本当だ。嘘ではない。」
クロノの目はいつになく本気の目だった。
「そんな事をしたらレジアス中将は黙っていませんよ。」
「そんな事は分かっているさ。問題は強行調査専門部隊に問題がないかと言う事だ。」
「ごもっともです。」
レジアス中将は本局側でどうにかできるような感じだった。
それに今査察に来ても部隊は現在壊滅的な状態。
意味がないと思った。
「クロノ、僕の部隊は現在活動をしていないのだが。」
していないではなく、できないの間違いだったといってから思った。
部隊のほとんどは怪我で病院。
無事な人間は本当に数人だけだ。
「分かっている。本局はだからこそこのタイミングで査察をきめたんだ。」
「人数が少なければぼろが出る。そうかんがえいるんや。」
なるほど。
でも何故僕の部隊に査察をする意味が有るのかは分からなかった。
「査察を行うきっかけは?」
「それは・・・・・・。」
クロノが言葉を濁らせた。
怪しいことである。
「スカリエッティーに協力している可能性があるからや。」
「どうしてそうかんがえたのですか?その様な証拠はないはずやけど。」
僕は証拠を残すようなへまはしていない。
ならどうしてこんなことになっているのかさらに気になった。
「証拠はこれや。」
八神二佐が見せてきたのは戦闘機人(ナンバーズ)の写真だった。
「この二人や。」
更に僕に二人の写真を見せてきた。
写っていたのはチンク姉とオットー姉。
「この二人が何か?」
僕は白々しく聞き続けた。
「調べたところ、この二人には保護責任者がいるみたいなんだよ。そして保護責任者の部隊に所属している。そしてスカリエッティーも協力している。それならばその部隊を査察するのは当然だと思うが。」
「待ってください。仮にそうだとしたら責任を問われるのは保護責任者のはず。部隊は関係ないのではないですか?」
「本当にそれでいいのか?」
クロノの目は僕に向けられた。
何もかもお見通しのようだ。
「わかりました。日程については?」
「後日伝える。」
「わかりました。失礼します。」
僕はクロノの部屋をすぐに出た。
そのまま地上に戻ろうとしたが、
「未来君。前に言っていた責任の重みとは何なんですか?」
「ミッドチルダに住む住人の絶対なる安全。そこには上層部の努力が入っています。その努力に責任を感じなければいけない。と言うことです。」
努力に責任は付き物だ。
どんななことにも責任が問われる。
今回の地上本部襲撃に関してもそうだ。
「では。」
僕は途中で抜けて帰った。

次の日。
強行調査専門部隊では殉職者の送別会を行っていた。
殉職者は一階級特進扱い。
「殉職者名を報告します。実行部隊グラン・フォルス空曹長、ハル・オオモリ空曹、オープ・ティオリー二等陸士、エーフィ・キンジュー空准尉、ユウイ・タンカー一等陸士、ファイス・エナージ二等空士。続いて魔法指導部ウェンディー・オード二等陸尉、エリカ・ハーレン三等空尉、シーフィー・ホスティー三等空尉、シューク・ヒュウド三等陸尉、イナ・ウット空准尉。以上11名です。」
多くの地上関係者が参列してくれた。
中にはレジアス中将もいた。
第二の地上本部と言われる設備であった強行調査専門部隊はどの部隊よりも被害が大きかった。
部隊稼働率21.3%。
事件解決率5.9%。
かなりヤバい状態だった。
「それでは一分間の黙祷をお願いします。」
僕は一息吸ってから。
「黙祷。」
と告げた。
まだこの部隊に来てからそんなに経っていないが、とても辛かった。
まるでゼスト隊の時の気分だった。
「黙祷を終えてください。続きましてこの部隊の後見人であるレジアス・ゲイズ中将からお言葉を頂きたいと思います。」
レジアス中将にマイクを渡し、僕は後ろに下がった。
「今回の出来事は本当に悲劇だった。私の後ろにいる未来准将もとても悔やんでおられる。しかしこの部隊はそんなことで良いのか。殉職した局員たちはこの部隊を助けたかったために戦ったのだ。それならこの部隊を守るのが今のお前たちの勤めであろう。今すぐにとは言わんが今後の活躍を期待している。それから殉職した11名のお家族には特別手当てを用意しておく。以上だ。」
マイクを返されて僕は
「それでは火葬場に移動したいと思います。」
今日、部隊の敷地からとても大きなクラックションが鳴り響いた。

 
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