真・恋姫†無双 これはひとりの仙人無双
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スキマと武神と糞爺と人の子
「ここは・・・・・・」
俺は何もない真っ白な空間で目を覚ました。
こんな家族もいなく、猟をして生活している俺は周囲の人からはそう見えないらしいが、オタクだったりするわけである。
だから、あの後輩とも喋ったりするようになったんだけどなぁ・・・・、などと思い出した。
で、どうせ死んで三途の川渡るのならサボり魔の死神さんに運んでもらいたいんだけどね。地獄の裁判長はやたらと説教したがる白黒つける閻魔様でお願いします。
とでも言いたいのだが、俺が死んだことは確定である。
間違いなくさっきあの狼と殺し合って死んだ。
勝ったけど死んだ。
まあ血の失いすぎかなんかといったところだろうな。
「・・・・・・とりあえずココドコだよ」
目先の問題に当たろうじゃないか・・・・・。
どうやら、俺はなんだか白い世界にいるというのに、小さな部屋に閉じ込められているようなものらしい。
一定以上歩くと、見えない壁のようなものにぶつかり、進めなくなる。こえられるかと思って壁を駆け上ってみたら3m超ぐらいしたところで天井らしきものにぶつかった。
「はぁ・・・・、天国ではないだろうなぁ。拷問でしかねぇ、こんなところに長くいれば気が狂うことは間違いなしだ」
「そうね、ここは地獄ではないわ」
「うわっ!!」
何もいないと思っていた部屋のどこからか声が聞こえてきた。
声のした方を向くと、先ほどまでいなかった三人の男女が立っていた。
「ここは神界の一室のようなものじゃよ」
「神界?というか男性二名の方は知らない顔だが・・・、女性の方は八雲紫?」
オタクであったから知っている。
この顔、服装、完全に八雲紫だ。いくらコスプレでもここまでにせることは出来まい。
「ええ、知っているのね」
「これでもかなりのヲタクだったからな」
「ふふ・・・」
胡散臭いというか・・・・、つかみにくい。
どこかのらりくらりとした感じがする。
「まあいいわ、こちらの髭面の爺は神。こっちの和服着て真っ赤な番傘を持っているかっこいい人は私の師匠で最強の武神薬師出雲っていうの。ちょっとの間だけだけどよろしくね」
「は、はあ・・・・・・。神?武神?」
というよりも何でこんなわけわからん状態になっているんだ・・・・。
八雲紫は創作上の存在じゃなかったのか?
それにもし本物だったとして神や武神が出てくる意味がわからん。おそらく神と言われたほうがこの中では一番偉いんだろうと思うけど・・・・、爺とか馬鹿にされまくってる?
「自分が死んだのは理解できているか?」
「ええ、まあ。それは分かっていますけど・・・・・」
「ならいい、その死んだ原因に問題があるんだよ。まず世界について簡単に説明すると、並行世界というものがたくさんあり、その全てを統括しているのがここの爺だ。こいつの直属で世界を管理する神々がいて、仮にAとしておく。そいつらと対をなすのが八雲紫という勢力だ。仮にBとしておくぞ」
「は?」
八雲紫って一人じゃないのか?
今勢力って言わなかったか?
「すべての並行世界には一人八雲紫がいる。その姿は男だったり、女性だったり、たまに竜神だったりするんだが、彼女らは全てこの爺が生み出した存在だ。元々はお前も知る東方projectの八雲紫がオリジナルでそれ以外はアレンジみたいな関係だが、彼女らはお互いに対してそんなことで差別をしたりはしていないから内部紛争は起きていない」
ほうほう、とりあえず理解できたが・・・・・、なんでそんなスケールのでかい話を俺にしているんだ?
「で、お前が死んだ理由はAの連中がミスをしたからだ」
「なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁ」
なに、要はあれか、テンプレってやつだったわけか。
ここまで簡単な勢力についての話なんかした意味ないじゃんか。
最初っからそう言えよ。
つーかそいつら連れてこい。
殴らせろ、矢で穿ってやる。
「怒るな、俺も数億年以上前に同じ目にあった」
「あんたもかっ!?」
「まさか恐竜の中に日本刀一本で投げ出されるとは思ってなかったがな・・・・・」
そ、それはまた・・・・・・・・。
「ご愁傷様です」
「お前もな」
なんだか最強ってい紹介されてたのにエピソードが悲しいな。
イメージも狂わせられたし・・・・・。
「まあ続きと行こう。八雲紫は世界の境界が崩れることを防ぐ役割にある」
「?どういうことだ?」
「つまりは世界の境界が崩れるとあるの世界から別の世界へとものが流出したりする。だが、そのほころびが大きくなると世界同士の境界がなくなって崩壊する」
ん、ちょっとまて。
何か一つ分かった気がする。
「もしかしてAの連中がしたミスって境界を歪めちゃって、そのせいであの狼が俺らの世界に流れついて、そのことに気がついた八雲紫が治そうとしたが、それより先の俺が倒して、死んじゃったってこと?」
「そのとおりよ、すごいわね。結構な逸材じゃない?師匠」
まさかあの妖怪の賢者八雲紫に褒められるとは・・・・・。
結構貴重な体験をしていないか?
「まあそうだな、こいつはオリジナルじゃなくてアレンジだが、全八雲紫中最強だからもっと喜んでもいいと思うぞ・・・・」
あ、なんだかとんでもなくやばい人物がここにいることがわかった気がする。
その最強の隙間妖怪の師匠でしょ。
さっきイメージ崩れたせいか余計に怖く思える。
「で、お前の前にも一人死んだ奴がいたからここに来るのが遅くなったんだが・・・、あとは言うか?空気となりつつある神」
「・・・・・、なにげに酷いのう。まあそうさせてもらうかの。おぬしにはテンプレ的に転生してもらおうということじゃよ。今回はこちらにミスがあったのでの。もちろん記憶を持ったままでという意味じゃ。ただの転生なら誰でもしておるからの」
そうか、ようは転生しろと。
「だが断る」
「なんじゃとっ!?」
うん、あれだ。のんびり生きたいから。
「元の世界に返しやがれ」
「うん無理じゃの」
・・・・・・、やっぱりテンプレだ。
「おぬしが倒したあの狼は神の一端じゃ」
「はい?」
「じゃからそこの出雲と八雲に依頼して捕縛してもらうつもりだったのじゃが・・・・、ぬしが殺してしまったのじゃよ」
「いや、だからって関係ないだろオイ・・・・」
なんでそんな巻き込まれ方をしなきゃいけないんだか。
気楽にいきたいものなんだが。
「そうでもないのじゃよ、あやつは暴走しておったし元から気性は荒かったがの、それでもしっかりものであった。じゃからとある世界の管理人に組み込む予定だったのじゃが・・・・」
「そんなこと知らんわ、普段からしっかり部下を教育していればこんなこと起こらなかっただろ」
このじいさんなんか図々しい・・・・。
分からなくもないけど、周りの人も大変なんだろうなぁ。常識人限定で・・・。
「スマン、じゃが管理人としての仕事はしなくとも、代理として行ってもらわんと困るのじゃ。あやつが自らにかせていたルールで、自分が敗北した場合自分を倒した人物が後釜になるという呪縛をかけていたせいでの。別に我らで解けないことはないのじゃが100年はかかってしまう。そこで一時的に行ってもらいたいのじゃ。あやつに任せるはずだった世界に。あくまで名目上管理人となればいいだけじゃなから、特に仕事はせんでいい。ダメじゃろうか?」
もうこれ断れない感じの状況ということか?
おそらく、この交渉の場にも八雲紫と薬師出雲という人物がいるということは、実質的な仕事は彼らが引き受けるということだろう。それに、その世界にも八雲紫は存在するはずだからそっちにも仕事が回されるのだろう。
これらのことを総合的に判断してやって・・・・・。
「・・・・・・・・、わかった。その話受けてやる」
「よかったわい」
「仲間が増えたな・・・」
「よかったじゃない師匠」
ただしだな。
問題が一つある。
「そこの武神さんみたいに恐竜の中に放り投げられても死ぬだけだ。せめて実力をつけてから向いたい」
俺はそこの神様みたいに恐竜をぶっ殺すなんてことできないからなぁ。
転生した瞬間に死亡とかじゃ目も当てられんわ。
「それもそうじゃのぉ・・・。じゃがおぬしが良く世界は三国志によく似た世界じゃからそこまで問題はないと思う「普通に大有りじゃないか」そうかの?」
そうかの?じゃないだろそうかのじゃ・・。
あんな危険な世界に放り投げられたらすぐに死ぬっての。
「チート能力もあげるのじゃが?」
「いらねーよそんなもの」
「むぅ。直視の魔眼とか王の財宝とかいらんのか?」
すっごい物騒なものじゃないかよ。
とくに直視の魔眼とか。
「いらないものはいらない。だいたい三国志の世界で100年も生きられる自信ないし・・・・」
「そうじゃのぉ。分かった、認めよう。今から20年ほどじゃ。おぬしを鍛え上げる。そして20年後に赤ん坊として転生させる。それでどうかの?」
ほうほうなるほど・・・、とりあえずは鍛えてから転生というのは許可されたということか。
いや、だけどさ。
赤ん坊から転生し直しってことはさ。
「それじゃあ肉体が変わってしまってここで鍛える意味がなくなるんじゃないか?」
「そうではなくてじゃの、ここで鍛えた分までは転生後に鍛錬すれば簡単に追いつけるようにするのじゃよ。実戦経験も積める上に、転生後も簡単に強くなれる。どうじゃろうか?」
なるほど。
特におかしい点はないのか?
まあ、結局強くなるために鍛錬が必要なのは変わらないけどな。
「特にチートではない程度に能力は付けておくからの。とりあえず幾多もある並行世界の世界の一つ、このわしの住まう神界で20年ほど鍛練するがよい」
「訓練に参加するメンバーは私達が選んでおくわ。強い人たちを選んでおくから安心しなさい」
いや、そんなことを言われても安心できないんだが・・・・。
行く前に精神的に死んだりしないよな?
あ、もう俺は死んでるんだった。
「お前が知っている奴を選んでおくよ。もちろん神界の住人だからお前が知っている存在とは別物だがな」
八雲紫さんに武神さん、あんた方は一体誰を俺の教育係にする気なんだい?
俺は多少の恐怖を覚えるのであった。
「ま、行ってくるのじゃ」
爺がなにやら指を俺に向けてきていて、その指が俺の足元に向かう。
まさか・・・・・・。
「受身はとるのじゃよ〜?」
「ふざけんなーーーーーーーーー」
まさかのここでテンプレな落とし穴かよ。
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