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ハッピークローバー

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第百五十八話 デマコーグその九

「みっくちゅじゅーちゅもね」
「私達が今飲んでる」
「欧州とかのジュースをね」 
「魔改造したのね」
「そうなるんじゃない?」
「言われてみれば」
 理虹もそれはと返した。
「そうなるかもね」
「そうでしょ」
「ええ、オレンジジュースとも違うしね」
「あのジュースもかなりね」
「魔改造なの」
「日本独自の」
 それのというのだ。
「そうだと思うわ」
「そうなのね」
「けれどね」
 それでもというのだった。
「みっくちゅじゅーちゅはさらにね」
「魔改造して」
「他の国にないわよ」
「こうしたジュースは」
「ええ、本当に独自進化よ」
「つまり魔改造で出た」
「そうしたね」
 まさにというのだ。
「日本のジュースよ」
「そんなものとは」
「それも関西限定のね」
「大阪の」
「かなり独特なものよ」
 そうだというのだ。
「私が思うにね」
「そうなるのね」
「みっくちゅじゅーちゅを飲んで」
 中国の娘はさらに話した。
「お好み焼きやたこ焼きを食べるとね」
「いいわね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「最高よ」
「コーラやサイダーもいいけれどね」
「炭酸系もね、けれどね」
「みっくちゅじゅーちゅもいいわね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「こっちも美味しいわ」
「大阪同士でね」
「ええ、ただね」
 ここでだ、中国の娘はこうも言った。
「焼きそばも大阪よね」
「名物になるわね」
 理虹も否定しなかった。
「そちらも」
「ええ、けれど広島の子が言うには」
「ああ、あそこも言うわね」
「お好み焼きが名物ってね」
「あそこ間に挟むけれど」
 具を生地と生地の間にだ、そしてその中には焼きそばを入れる場合もあるのだ。大阪ではお好み焼きは具を全て混ぜるのだ。
「あっちも言うのよね」
「それ言うとややこしいでしょ」
「いや、見ていてびっくりしているわ」
 中国の娘は真顔でだ、理虹に話した。
「広島の子はこっちが本場って言って」
「大阪の子はこっちがって言うから」
「そこは入ったら駄目よ」
 理虹は真顔で答えた。
「お好み焼き戦争っていうね」
「譲れないものがあるのね」
「阪神とカープは別に揉めないけれど」
「フリーエージェントであっても」
「お互い巨人が嫌いでね」  
 全人類普遍の敵であり地球を悪で蝕み続けるこのチームはというのだ。 
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