ハッピークローバー
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第百五十二話 化学と科学その十一
「もうその化学部からはね」
「逃げた方がいいのね」
「逃げるのは恥じゃないよ」
古田ははっきりと言った。
「危険を避けることはね」
「むしろ棄権に向かう方が駄目よね」
「殴られに行くとかね」
「暴力を受けに行く」
「その方がだよ」
「おかしいわね」
「まず危険なことは絶対にしたら駄目で」
何があろうともというのだ。
「暴力もだよ」
「厳禁よね」
「暴力は振るう方が悪い」
「どちらも言うまでもないわね」
「そうしたことがわかっていないで何もなくても」
そうであろうともというのだ。
「それが正しいんじゃないよ」
「運がいいだけね」
「科学の実験で危ないことが多いことなんて」
それこそというのだ。
「常識だしね」
「もうね」
「それがわかっていなくて実験させてたら」
「事故が起こっても不思議じゃないから」
「起こっていなくても」
「運がいいだけで」
あくまでというのだ。
「何時なにがあってもだよ」
「おかしくないわね」
「うん、それでね」
古田は話を続けた。
「逆にそういうことがわかっている先生はね」
「いい先生よね」
「暴力も振るわない」
「それならいいわね」
「そうだよ、そうした先生のところにはね」
「いてもいいわね」
「部活で怪我するなんて」
そうしたことはというと。
「出来る限りない方がいいよ」
「怪我したら下手したら一生だしね」
「そう、指とかなくなったら」
「本当に一生だし」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「部活で、もっと言えば何処でもね」
「怪我はしないことね」
「お仕事でも危ないことをする時は」
その時はというと。
「細心の注意を払わないと」
「駄目よね」
「だからね」
さらに言った。
「学生の頃は安全をしっかりとね」
「学ぶことね」
「そうしないと駄目だってね」
その様にと言うのだ。
「言われたんだ」
「そうだったの」
「中学の時先生にね」
「どの先生?」
「理科の加納先生だよ」
「ああ、あの何にしもあらずが口癖の」
「あの先生にね」
まさにというのだ。
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