星河の覇皇
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第八十七部第四章 首相官邸にてその六十九
「何か出来るか」
「謀略にしても」
「全く出来ないですね」
「情報なくしてですね」
「謀略は出来ないですね」
「仕掛けることも防ぐこともな」
その両方はというのだ。
「出来ない、だからだ」
「まずはですね」
「情報収集と分析と把握ですね」
「その三つを整える」
「そしてですね」
「謀略は出来る、情報なくしてだ」
まさにというのだ。
「謀略は成り立たない」
「どの相手に何が有効か」
「そうしたことを知らずにですね」
「何も出来ないですね」
「金銭に弱い相手だとわかってこそだ」
まさにそれでというのだ。
「金銭を送れるな」
「そして買収出来ますね」
「そうしてこそ」
「金銭になびかない相手に送っても効果がないですね」
「金銭は確かに強い」
買収という謀略で最もよく使われかつ効果があることだ、貨幣経済下で効果がない筈がないことである。
「しかしな」
「それでもですね」
「金銭になびかない人もいますね」
「世の中には」
「左様ですね」
「そうだ、人それぞれだ」
どうしてもというのだ。
「そこもな」
「まさにそうですね」
「お金が多く欲しくない人もいます」
「最低限であればいい」
「そうした人もいて」
「困っていない人もいますね」
「例えば八条君を買収しようとしてもだ」
金銭によるそれをというのだ。
「効果があるか」
「いえ、ありません」
「連合屈指の資産家の後継者ですし」
「そうした人に買収をしようとしても」
「聞く筈がありません」
「そういうことだ、買収をしようとしてもだ」
それでもというのだ。
「常に金銭でいいかというとな」
「違いますね」
「人によってはそうではありません」
「宝石や芸術品の場合もあります」
「車や家や資産の場合も」
「そして異性や同性の場合も」
「色々だ」
買収に使うものはというのだ。
「相手の好むものを察してだ」
「そうしてですね」
「買収も行うべきですね」
「賄賂な好きな相手には賄賂を送りますが」
「それだけではないですね」
「宦官に賄賂を送ることはいい」
かつての中国の彼等だ、宦官はイスラム世界等にもいたが中国が宦官の腐敗で有名なのでそこを念頭に置いた言葉だ。
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