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星河の覇皇

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第八十七部第四章 首相官邸にてその六十八

「自分が仕掛けるとな」
「自分に返ってきますね」
「そうなりますね」
「呪いと同じですね」
「それは」
「事実私は常に仕掛けられている」
 その謀略をというのだ。
「そうされている」
「あらゆる国の政治家にですね」
「そうされていますね」
「首相は」
「そして中央政府の中でもな」
 身内である自分達の中でもというのだ。
「政敵がいるな」
「それは誰でしょうか」
「首相の政敵とは」
「一体」
「それは言わないが察しはついている」
 そうした者はというのだ。
「既にな」
「そうですか」
「もうそれが誰かわかっていますか」
「首相としては」
「同じ組織でも敵はいるものだ」
 アッチャラーンは何でもないという調子で述べた。
「自分がその座に就く為にな」
「首相の座」
「中央政府の」
「その座に就く為に」
「閣下をですか」
「そう考えてだ」
 そしてというのだ。
「狙っている者がいてな」
「仕掛けてきていますか」
「首相に対して」
「左様ですか」
「そうだ、ただ私はだ」
 アッチャラーンは笑って返した。
「謀略で屈したことはない」
「謀略で負けたことはない」
「そうなのですね」
「仕掛けて勝ったことはあっても」
「その逆はないのですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「一度もな、謀略は事前にどういったものが来るかわかってだ」
「そしてですか」
「そのうえで、ですか」
「その謀略に対してですか」
「備えていればだ」
 そうすればというのだ。
「防げる」
「どういった謀略でもですか」
「どういったものを仕掛けてくるか」
「それがわかっているならですか」
「備えられてだ」
 そしてというのだ。
「そのうえで防げる」
「そうなのですね」
「それで、ですね」
「首相はこれまで謀略で屈したことはない」
「そういうことですね」
「そうだ、謀略はまずはだ」
 そのはじまりはというと。
「情報だ」
「情報収集と分析と把握ですね」
「その三つを行うことですね」
「そしてそのうえで、ですね」
「はじまりますね」
「そうだ、何も知らなくてだ」
 それでというのだ。 
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