| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十七部第四章 首相官邸にてその五十

「有能な敵はです」
「有能な味方になる」
「事実あの方がタイ政界におられた時は」
「日本政府としてはですね」
「タイと共にことを為す時は」
「助けてもらったのですね」
「何度も」
 日本とタイの国益が合致する時はだ。
「そうして頂きました、無論です」
「その時もですね」
「対した時は」 
 日本とタイがというのだ。
「強敵でした、タイにはそうした人も多いですが」
「あの国は伝統的に外交が上手なので」
「連合の中でも」
 三百以上ある国の中でもというのだ。
「特にです」
「ベトナムと並びますね」
「兎角外交が上手で」
「敵にしますと」
「手強いですね」
「我が国は二十世紀に都合よくやられたことがあります」
「二十世紀にですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「二次大戦の時に」
「あの戦争でタイは枢軸側でしたね」
「日本の味方でした」
「しかし実際は戦わず」
「ほぼ中立でした」
 日本と同盟関係でもだ。
「そして戦争が終われば」
「当時の閣僚達を懲役刑にして」
「連合国とは戦っていないとです」
 事実戦闘には参加していない。
「主張して責任者は処罰したと」
「そう言ってですね」
「責任を追及されませんでした」
「そして責任は」
「全て我が国でした」
 日本が負ったというのだ。
「確かに戦争はしましたが」
「それでもですね」
「タイにはです」
「いい様にですね」
「やられた様にもです」
「思えますね」
「はい」 
 まさにというのだ。
「そうしていきました」
「左様ですね」
「もう歴史のことで」
「千年以上のことですね」
「だから学ぶだけですが」
「タイの外交については」
「あまりにも見事で」
 その為にというのだ。
「私達としては」
「日本で政治を行う方としては」
「非常にです」
 まさにというのだ。
「勝てないものを」
「感じますか」
「外交においては」
 そうだというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧