星河の覇皇
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第八十七部第三章 港の整備その五十四
「やはり」
「それでか」
「はい、私はです」
「誰からもだな」
「恨みを買わないこともです」
「念頭に置いて遊んでいるか」
「かつて日本には伊藤博文という政治家がいました」
明治期の日本で辣腕を振るった偉大な政治家である、近代日本を創り上げた立役者の一人として知られている。
「彼も相当な女好きでしたが」
「それでもだな」
「恨みを買う様なことはしませんでした」
「そして卿もだな」
「連合の者達に出来るのです」
それならというのだ。
「私ならです」
「普通にだな」
「出来ます」
こう言うのだった。
「ですから」
「それでだな」
「はい、バーの独り身の女主人や」
「風俗嬢だな」
「貴族相手の」
「そうした相手と遊ぶか」
「そうしています、絶対に女優やアイドルとはです」
そうした相手とはというのだ。
「何があってもです」
「遊ばないか」
「夢を売る職業に手を出すなぞ」
カミュは笑って話した。
「愚の骨頂です」
「アイドルは特にだな」
「アイドルは清純でなくてはなりません」
カミュはこのことは確かな声で述べた。
「必ず」
「女優以上にだな」
「そうです、アイドルと遊ぶなぞ」
「夢を潰す様なものだな」
「そんなことはしません、アイドルは観るものです」
「誘われてもか」
「断わります」
カミュは自身のそのポリシーを話した。
「そう決めています」
「卿はエウロパ政府の高官それにフランスの名門の主だが」
「それで身体を売ってですね」
「そうしてでものし上がろうという者はいないか」
「そんなことをしてはいけません」
カミュはギルフォードに強い声で答えた。
「間違っても」
「実力で上がるべきだな」
「アイドルそしてです」
「女優もだな」
「そうです、ですから」
「卿は誘われてもか」
「どれだけ好みでも」
それでもというのだ。
「何があってもです」
「応じないな」
「そうです、そして遊ぶ相手は」
「そうしただな」
「恨みを買わない相手です」
「風俗嬢と遊んでもな」
「何かおかしいのか」
こう言うのだった。
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