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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その八

「それでは」
「その様に頼む」
「これからも」
「ただ卿には暗黒宙域への進出はな」
 それはというと。
「直接はな」
「しないですか」
「艦隊は動かしてもらうが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「私自身が暗黒宙域への船出はですね」
「それはない、本土に残ってだ」
「そうしてですね」
「宇宙艦隊全体の指揮にあたってもらう」
 五百個艦隊を数えるそれのというのだ。
「いいな」
「暗黒宙域だけではないですね」
「そちらも重要だが」
「サハラのこともありますね」
「マウリアもな、そして特にな」
「連合ですね」
「あの巨獣は今もいる」
 エウロパの前にとだ、モンサルヴァートは語った。
「相変わらずな」
「そうですね、むしろです」
「その巨大さを増す一方だ」
「ヨルムンガルドは世界を一周して終わりでしたが」
「あの国は違う」
「さらに巨大になっていますね」
「それこそ世界を幾重にも囲む様だ」
 一重ではなくというのだ。
「巨大になり続けている、そしてヨルムンガルドはラグナロクにならねば動かないな」
「あの獣は何時動くかわからないですね」
「だからだ」
「私は本土に残ってですか」
「全体の指揮を頼む」
 宇宙艦隊全体のそれをというのだ。
「いいな」
「はい」
 タンホイザーは再び敬礼で応えた。
「それでは」
「その様にな、しかしな」
「しかしですね」
「あの国は攻めては来ないがな」
 その連合はというのだ。
「相変わらずだ」
「豊かさを求めていますね」
「ひたすらな」
「我々に対しても」
「我々は彼等から見ると貧しい」
 エウロパはというのだ。
「それもだ」
「非常にですね」
「そうだ、だからな」
 それ故にというのだ。
「連合は驚異だが」
「こちらが何もしない限りは」
「攻めては来ない」
「決してですね」
「だからな」
「あの国はですね」
「備えはするが」
 それでもというのだ。 
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