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今度こそ、成し遂げてみせる

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第5話「特異二課へようこそ!」/「ふむ、強制勧誘か」「・・・まさか!あのことがバレたか!?」

 〜特異災害対策機動部二課〜

 一課同様、ノイズ被害の対策を担っているのだが、決定的に異なる点がひとつある。

 それが、【シンフォギア】システムの保有である。

 第二次世界大戦時に旧陸軍が組織した特務室【風鳴機関】を前身とし、世界に先駆けてノイズを駆逐する有効手段を研究してきた特異災害対策機動部二課は現在、ノイズ対策における先端組織であり、世界規模で人類守護の砦として機能している。

 そんな人類守護として機能している二課では【ある事】を行われようとしていた。



 ーー私立リディアン音楽院、地下深くにてーー

 〈風鳴 弦十郎SIDE〉

 「それは此処にーー」「飲み物と食べる物はーー」「垂れ幕にーー」

 現在目下進行中で『彼女』を歓迎する為の準備を行っている。『彼女』はアレ以来、姿を見せることは無かったが先日、緒川が市街地にある公共施設にて目撃したとの報告が挙がった。

 我々はすぐさま総動員で防犯カメラなどをチェックし何処に居るのか調査した。

 リディアン学園から少し歩く場所にある、自宅と思われる所から出入りする姿を発見した。

 発見して日を経った後、俺は緒川を呼び『彼女』に接触し此処に連れて来るよう司令を出した。

 そして今、『彼女』を連れて此方に向かっていると報告を受け、急ぎ準備の方を行っている。

 「司令、準備が整いました」

 オペレーターである安里から準備完了の知れせを受けた。

 「ーー司令、そろそろ到着されます」

 オペレーターである藤尭から二課の上にあるリディアンに『彼女』と緒川到着の知らせを受けた。

 「そうか」

 そろそろエレベーターに乗る頃か。では、クラッカーを手に持つよう指示を出さなければな。

 「お前達、クラッカーを持つんだ」

 「了解しました、司令」

 そうして、待っていると扉が開かれた。開かれたその瞬間ーー

 「ようこそ!人類最後の砦、特異災害対策機動部二課へ!!」

 大量のクラッカーが鳴り響かせ、クラッカー特有の音がしばし部屋中を充満。

 突然のことで驚かれると思ったのだがそれは無かった。代わりに射抜くような視線を向けられているが。

 その身を包んでいるのはYシャツとスカート。その上に着ているのはドレスチックの黒ジャケットを着ており、腰より少し上には黒リボンをあしらっていた。

 胸にはフェンリルのエンブレ厶。

 身長と歳は翼と同じくらいではないだろうか?

 …そろそろ声を掛けよう。安里と了子君から冷たい目線を向けられている気がする。

 …すまない安里、了子君。

 「突然の連行すまなかったな。俺は風鳴弦十郎、この二課の司令官だ、よろしく」

 「ヒルデだ、よろしく頼む」

 敵視に近い視線を現在も彼女から感じられたがそれは薄くなっている。だが警戒心が篭った眼差しを我々へと向けていた。

 「(…当然か)」

 この思いはおそろくこの場にいる全員の総意だろう。

 「この状況はなんだ?家から出た後、捕まり連行されたと思えばパーティ会場とは…」

 彼女は周りを見渡しながら俺に話を掛けてきた。出迎え主催者である俺が言うのも可笑しなことだが、困惑するのは当然の反応だ。

 「いやすまない。あの時みたいに直ぐ逃げられたらこちらとしてもあれだからな」

 「だとしても私は驚いた。後なんだ?あの男は忍者なのかッ」

 「その通りだ」

 緒川慎次は風鳴家に仕える飛騨の隠忍の末裔だからな。俺だって父より教えられても半信半疑だった。

 実際、忍術をこの目で見なかったら俺も居ないと言うだろう。 

 「あぁ、次からは気を付けよう。…それでヒルデ君、君を招待したのには二つの理由がある」

 そう、まず一つは彼女が持つ力についてだ。ライブ会場で見せた力は我々が所有するシンフォギアとは違った兵装だった。

 「そうか、この力について知りたいんだな?」

 警戒心が篭った眼差しを彼女から感じられたが今は違う。和らいでいた。それに、だ。

 「…(少し笑顔に?)」

 微々たるものでも前進が出来たことに心の中でほっと安堵の息を出せた。本当に。

 「説明するより実際見せた方が早いか」

 ヒルデ君はそう言いながらは銀色の手持ち型時計を持つ。

 随分と古い物を使っているのだな。俺は好きだが。

 瞬間、大きな光がその場にいたヒルデ君を囲い彼女の全身を覆った。

 思わず俺は目を守る体制に入っていたが数秒の時が経つと光が収まっていた。それが、なのだな…。

 白と黒を基調とする機械仕掛けのスーツ。何処かシンフォギアスーツに似通っている。

 スーツの上に黒コートを羽織り外套のように、はためかせている。

 背中には大剣が。

 そして胸にはフェンリルの銀バッチが。

 彼女が纏う雰囲気も相まって、思わず見惚れる程だ。

 「ーーーおい、おいッ」

 「…はっ、すまない」

 「どうしたんだ。ずっと私を見て?」

 彼女は訳が分からないと疑問を浮かべていた。俺以外にも見惚れていたのだな…。

 「コレが戦う際の姿だ」

 次の瞬間、変身が解かれ元の姿へと戻った。

 …ほう。

 「なるほど…。つかぬことを聞くが、君がそれを作ったのか?」

 「いや、これはとある人が作ってくれた私専用。奴らと戦えるように調整したものだ」

 奴らとは間違いなくノイズのことだろう。まさか聖遺物以外で戦えるとは・・・

 「まさか聖遺物以外で戦えるとは…その人はどうしている?」

 「残念ながら、この世にはいない」

 ッッ!?彼女は僅かではあるが視線を下に向けていた。もしや両親も?

 俺は表情ではなんとか大丈夫だが内側では悲しみと怒りを抑えることは出来ないでいた。

 「そうか…それはすまない」

 本当にすまない。不躾な言葉を言ってしまい…。

 「別に気にしていない。それでもう一つの理由というのは?」

 「ああ、むしろこちらが本命だろうな」

 俺は姿勢を正し、彼女へ話し掛ける。

 「ヒルデ君。君に、これから我々とノイズを撃滅するのに協力してほしい!」

 「…なるほど、勧誘か」

 勝手なことだと分かっている。その力とシンフォギアという巨大すぎる力を行使するのは、訓練された自衛隊員でもなく、ただの少女達なのだ。それを理解していない俺では無かった。

 「もちろん、君のその力については決して口外はしないと約束しよう!だから頼む!協力してくれ!」

 俺は頭を下げた。誠意を見せる為に。

 「あぁ、いいだろう」

 「っ!良いのか!?」

 ヒルデ君はそう言った後、手を俺に差し出した。

 「二課の歓迎。快く受け入れる」

 「ああ、こちらこそ、よろしく頼む。そして改めてようこそ、特異災害対策機動部二課へ」

 手を差し出し握手をす交わす。

 こうして、俺達はヒルデ君と協力することとなった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 〈ヒルデコピーSIDE〉第2.0話「ふむ、強制勧誘か」「まさか!あのことがバレたか!?」

 皆の者、ご機嫌よう。私は今、現代に生きる忍者に連行されている。…いやどういうことだ??

 何故、忍者に連行されているのだろうか。私は経緯を振り返る…。

 


 【未知】存在との戦闘の後、私は”私”が用意した家に居た。

 しかし、この世界。管理者…オリジナルがいた【前の世界】よりも充実した設備が整っているとみえる。感激である。

 まぁ、当然だろう。なんせ20年以上進んだ科学文明であるのだから。

 この家なのだが『骨川スネ夫』の家が近未来設計となった言えばいいだろうか?この家はリディアン学院の近隣にある。

 どうやって購入したか?…フフフ、…聞かないほうが身の為だろう。言えることがあるのなら不正はしていないと言っておこう。断言する。

 なんであれ私は今この家に居る。

 帰ろうと思えば帰れる。地下室にドコでもドアがあるからな。ドコでもドア…便利なものである。

 「今日は映画を観に行くか」

 さて、準備の方は整った。では行こう。映画館へと。

 ーー時は戻り現在へーー

 そして私は現在、車に乗せられ連行されている。

 どうやって私を見つけたのか?返答されたのがコレだ。

 「あなたのお顔については翼さんと奏さんから聞き、防犯カメラなどをチェックし貴方がどこにいるか調べさせていただきました」と。

 なるほど……明らかにプライバシーが守られていない。なんだこの忍者は?プライバシーの意味を分かっているのか!

 「到着しました」

 他人には決して出せな過ぎる怒りの表情を内心でしていると、目的地に到着したようだ。

 辿りついたのは、大きな学園であった。【リディアン学園】じゃないか。何故、此処に?私は困惑しているぞ。

 「こちらへ、今日は休みなので生徒はいません」

 私は黙ってついて行くと、エレベーターに乗り込む。コイツよく見るとイケメンだな。

 だが惚れることは無いな(*内心、曇り無き笑顔)。

 「あっ、危ないですから手すりに掴まってください」

 手錠有るんだが??そう言いたかった次の瞬間ーー

 …エレベーターが急降下した。

 「…ふっ(tk%l##$k!?)」

 そして私は少しの間、絶叫マシン張りのエレベーターを味わった。

 降ろせぇぇぇぇぇ!!



 

 「着きましたよ」

 「そ、そうか」

 「?」

 急降下から数分経ち、ようやく停止したのだが私はもう満身創痍だ。

 そして満身創痍の私のことを気にせず(気にしろよッ)エレベーターの扉が開くと…、

 「ようこそ!人類最後の砦、特異災害対策機動部二課へ!!」

 大量のクラッカーが鳴り響き、まるでパーティー会場のような場所でいろんな人が私を出迎えていた。

 しかも垂れ幕には大きな文字で『熱烈歓迎!ヒルデ様!』と書かれていた。

 そんな光景に色々と言いたいことがあるがまず一言言わせて欲しい…。

 ……どういう状況だこれは?

 「突然の連行すまなかった。俺は風鳴弦十郎、この二課の司令官だ、よろしく」

 紅いスーツを着たガタイの良い大男が近づいて挨拶をしてきた、てかガタイいいなこの人。

 「ヒルデだ、よろしく頼む」(貴様か、私の時間の邪魔をしたのは?私の時間を、返せ!)

 分かるか?私は怒りに燃えているのだ。それはもう、言葉で表せない程にな。

 「いやすまない。あの時みたいにすぐに逃げられたらこちらとしてもあれだからな…」

 逃げて何が悪い?巫山戯ているのか、この男は。

 「だとしても私は驚いた。後なんだ?あの男は忍者なのかッ」(まぁ、流石に、な?)

 「その通りだ」

 ……自宅のセキュリティレベルを上げなければな。

 「ああ、次からは気を付けよう…それでヒルデ君。君を招待したのには二つの理由がある」

 「…?」(なんだろうか?しかしお前…主語を抜かした状態で話すな。伝わらんぞ)

 「言葉不足ですまない。一つは君が持つ力についてだ」

 「…そうか」(戦術礼装に変身すればいいのか?)

 で、あれば仕方あるまい、では、とくとご覧あれ!

 ーー着装後ーー

 これでいいか?もう解いていい?……固まっているのだが二課一同。

 「おい、おいッ」

 「…はっ、すまない」

 「…へぇ」

 そういえば科学者と思われるあの眼鏡女はTHE悪役って感じがする。気の所為…であれば嬉しいがあまり近寄るのは止めておこう。眼鏡女ガン見するな。

 私は変身を解いて元の姿へと戻った。だから眼鏡女はガン見してくるって。

 「なるほど…つかぬことを聞くが、君がそれを作ったのか?」

 「いや、これはとある人が作ってくれた私専用。奴らと戦えるように調整したものだ」

 とある人とはカウンターサイド制作者。調整したのは女神(笑)だ。

 「まさか聖遺物以外で戦えるとは…その人はどうしている?」

 「残念ながら、この世にはいない」

 合っているよな? 管理者からの記憶…。

 「そうか…それはすまない」

 皆してシュンっと沈んだ表情してどうした?悲壮と悲痛感してるが…。

 何故お前は拳を強く握っているんだ。

 悪役女ですら涙目だ。えぇ〜(唖然)。

 「別に気にしてない。それでもう一つの理由というのは?」

 「…っ…あ、ああ、むしろこちらが本命だろう」

 真剣な顔立ちになった。え、何だ?…まさかバレたのか!?

 何故だ、何故バレている! 地下深くでの出来事だぞ?バレるはずが無い!?

 「ヒルデ君。君に、これから我々とノイズを撃滅するのに協力してほしい!」

 ノイズって何んだよッ?遠回しに私が雑音だって言っているのかッ!

 「なるほど、勧誘か」(強制勧誘とは貴様!私をなんだと思っているんだ?!)

 この野郎ッ…だ、だがまだバレたという保証は無い。

 「もちろん、君のその力については決して口外しないと約束しよう!だから頼む!協力してくれ!」

 副音声『協力しなければ、どうなるか…分かるな』(意味深)

 脅しの言葉だ、これは(絶望)

 「あぁ、いいだろう」(*震え声)

 「っ!良いのか!?」

 「二課の歓迎。快く受け入れる」(全然よく無い。だが隠し通す為にも致し方が無い。応じてやる感謝しろ!)

 「ああ、こちらこそ、よろしく頼む。そして改めてようこそ、特異災害対策機動部二課へ」

 手を出し握手をする。

 誠に遺憾であるが私は二課と行動を共にすることとなった。さて、共に行動するにあたって、情報収集もするとしよう。 
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