星河の覇皇

「とてもです」
「この味はないです」
「食べるのに一苦労です」
「あらためて連合とサハラの違いがわかりますね」
「まことに」
　この話の後でだった、彼等は。
　自然と連合軍のレーションを出してそれを食べだした、するとこれまでの苦い顔が一変して笑顔になり。
　そうしてだ、口々に言った。
「これですね」
「やはり連合の味ですね」
「この味がいいですね」
「食感も」
「全く違います」　
　実にというのだ。
「連合の濃厚な味」
「この味です」
「この味でなければいけません」
「様々な調味料を使い」
「香辛料もそうした」
「サハラも香辛料は多く使いますが」
　それでもというのだ。
「その質が違います」
「それがよくわかりますね」
「どうしても連合の味には及びません」
「それもかなり」
「食事は連合が一番です」
「それは言えますね」
「他のこともそうかも知れませんが」　　　
　自分達がこれまで見てきたことからも話した、サハラの民間技術が連合から見ればかなり遅れているからだ。
「食事は特に感じますね」
「サハラのそれはかなり落ちます」
「連合の何処にもない味です」　
　彼等から見て悪い意味でそうだというのだ。
「食べてよくわかりました」
「レーションもこれです」
「連合のものです」
「その種類も多いですし」
「様々なものが食べられます」
「連合のあらゆる国の料理が」
　このこともいいというのだ。
「サハラはサハラの料理だけですが」
「連合はそこも違います」
「それを実感しますね」
「全く以て」
「量もです」
　こちらのことも比較することになった。
「やはり連合のものは多いです」
「食べて満足出来ます」
「それも実に」
「そうなります」
「飲みもののバリエーションもあり」
　見ればレーションの中の紅茶やコーヒーも楽しんでいる。
「そちらも満足出来ます」
「サハラよりも多い」
「このことも違います」
「栄養価も高いです」
　こちらもいいというのだ。
「考慮されていて」
「蛋白質もカルシウムもビタミンも豊富です」
「あらゆる栄養素が充実しています」
「その点も考慮されている」
「このこともいいです」
「サハラのレーションも栄養のことは考えられています」　
　このことは当然のことである、ただ食べるだけでは栄養が偏り戦闘にも支障が出てしまうからである。