首の後ろを咥えて
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第一章
首の後ろを咥えて
テキサス州で大きな牧場を経営しているバーグス家にはヘイゼルという三歳の雌犬がいる、ヨーキーとチワワとプードルのミックスで四匹の兄弟と共に家にいる。
「五匹共牧羊県でもあるの」
「小さいけれどね」
家の主婦のモニカ、長く後ろで束ねた黒髪と黒い目で面長で中肉中背の彼女は家に来た友人に話した。
「皆元気だしね」
「牛経ちの周りにいてなのね」
「ちゃんとね」
「牧羊犬をやっていてるのね」
「そうよ、ヘイゼルが雌で」
「ワン」
まずは彼女を見て話した、五匹共今は家の中にいる。
「メグもそうでね」
「ワン」
「ロナルドとミッキーとマイクは雄よ」
「ワン」
「ワンワン」
「ワオン」
彼女の兄弟達も見て話した。
「育児放棄から救助された保護犬だけれど」
「家族に迎えて」
「牧羊県としてもね」
「働いてもらってるのね」
「牛達も言うことを聞いてくれてるし」
牧場の彼等もというのだ。
「いい感じよ」
「それは何よりね、それに」
ここで友人は白い雌の子猫を見て言った。
「その娘も来たのね」
「お兄ちゃんの家に行くわ」
モニカはすぐに答えた。
「近所で郵便局員をしてるね」
「そうなったの」
「そうなのよ」
「そうなのね」
「実はね」
モニカはさらに話した。
「シーバって名付けたけれど」
「ニャア」
子猫が鳴いたのを見つつさらに話した。
「この娘ヘイゼルが助けたのよ」
「そうだったの」
「そう、ヘイゼル達ってお外でおトイレするけれど」
「牧羊犬だからよね」
「そう、お外でおトイレするのが」
それがというのだ。
「普通でね」
「習慣になってるのね」
「そうだけれどね」
それでもというのだ。
「その時に家の私道でジーパを見付けて」
「助けたのね」
「そうなのよ」
こう話した。
「ヘイゼルがね」
「いいことをしたわね」
「野良猫で親とはぐれたみたいだけれど」
それでもというのだ。
「弱っていても首根っこを咥えてね」
「持ち運んだの」
「お家の中までね」
「そこまでしたのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「私達もすぐに病院に連れて行って」
「診てもらったのね」
「それでね」
「お兄さんの家族になるのね」
「そうなるわ」
「よかったわね、小さくてもね」
それでもというのだ。
「ヘイゼルも他の子達もね」
「立派なのね」
「そうよ、ちゃんと牧羊犬をしてくれて」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「子猫も助ける」
「私達も大事にしてくれる」
家族達もというのだ。
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