黄金バット 第五十五話 フー=マンチェー博士 琵琶湖の赤潮
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第二章
人々の目は死んでいませんでした、それでこの逆境の中でも勇気を奮い立たせるのでした。
「こんなところで負けるか」
「負けたらそれで終わりよ」
「琵琶湖の水を奇麗にするんだ」
「私達のお水を守るのは私達よ」
口々に言ってそうしてでした。
幸い死んだ人も大怪我を負った人もいないのでそれで、でした。
傷付いた人達を介抱しながらまだ博士に向かいます、そして皆で力を合わせて総攻撃に入ろうとした時にでした。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「!その笑い声は!」
「まさか!」
琵琶湖の湖上にです、博士と対峙する様にして黄金バットが立っていました、両手を腰に置いて真っ赤な裏地の漆黒のマントをたなびかえています。
黄金バットは出て来るとすぐにでした、その両手を自分の顔の前に交差させて置いて。
その両手を思いきり腰の横に引きました、すると黄金バットから太陽よりも眩しい金色の光が放たれてでした。
その光が消えた時それまで赤潮だらけで汚れていた琵琶湖が。
「奇麗になったぞ」
「元の琵琶湖に戻ったわ」
「黄金バットが戻してくれたんだ」
「その力でそうしてくれたんだ」
人々はそのことがわかりました、そしてです。
皆そのことを理解した時黄金バットはステッキを出してその先を博士に向けました、それはまるで次はお前を倒すと言っているかの様でした。
自分に向けられたステッキを見てです、魔人は悔しそうに言いました。
「くっ、こうなっては私の負けだ」
「・・・・・・・・・」
「また会おう黄金バット、次はこうはいかない」
忌々し気に言ってでした。
黄金バットは姿を消しました、そうしてです。
後に残ったのは戦った勇気ある人達と奇麗になった琵琶湖の水でした、人々はその奇麗な水を見て言いました。
「黄金バットがやってくれた」
「今回もやってくれた」
「我々を助けてくれたんだ」
「私達の勇気に応えてくれたのね」
皆わかりました、そしてこぞって黄金バットを讃えました。
「黄金バット有り難う」
「今回も有り難う」
「このことは忘れないぞ」
「何があっても」
黄金バットは応えません、ただ戦いが終わって颯爽と何処かへと飛び去っただけでした。ですが人々はそんな黄金バットを讃えました。自分達を助けてくれたヒーローだと。
黄金バット 第五十五話 完
2024・1・31
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