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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その三十九

「それならいいですよね」
「本当にな、まあ連合は基本平和だしな」 
 海賊が出てもだ、そしてテロリストもいるにはいる。世の中自分の政治的要求を暴力で示し実現させようとする輩もいるのだ。
「それだとな」
「軍隊にいても」
「死ぬことも少ないな」
「そうですよね」
「戦争になったら軍人は戦場に出て」
 そしてというのだ。
「戦死もな」
「ありますね」
「どうしてもな、けれどな」
 それでもというのだ。
「戦争がないとな」
「それに越したことはないですね」
「ああ、軍人はな」
 まさにというのだ。
「それで訓練とか日常の作業やっててな」
「給料貰えますから」
「それならいいよな」
「全くですね」
「戦争で死ぬのが誇りとかエウロパの連中は言うな」
 曹長はまたこの国連合にとって敵国のことを話した。
「連中の信仰で」
「何でしたっけ」
「北欧神話だろ」
「それですか」
「死んで天国行くとか言うだろ」
「ヴァルハラでしたっけ」
「そうだったか?まあ戦争で死ぬのが誇りとかな」
 そうした考えはというのだ。
「違うだろ、市民は守ってもな」
「死ぬのが誇りとかは」
「戦うのが仕事でもな」
 例えそうでもというのだ。
「けれどな」
「そんな誇りとか」
「天国に行くとかな」
 戦死してというのだ。
「俺にはわからないな」
「やっぱり生きないと、ですよね」
「自分の仕事はちゃんとしてな」
「それで戦死はあっても」
「軍人はそれが仕事でな」
 それでというのだ。
「警官の殉職と同じだろ」
「はっきり言ってそうですよね」
「そうした仕事なんだよ」
 軍人という職業のそれはというのだ。
「だからな」
「そうしたものと受け入れて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「やっていくものでな」
「戦死したら天国に行くとか」
「ジハードじゃないからな」
 イスラムのそれはというのだ、この曹長はムスリムではないがそれでもここでこう言ったのだった。
「あれは聖戦でな」
「宗教のことで」
「また違うだろ」
「死ぬと天国に行くとか」
「死んでも戦うとかじゃないしな」
 ジハードとされる戦争で戦死してもというのだ。 
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