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八条学園騒動記

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第七百五十八話 偉いと思えるのはその十一

「エウロパでは決して評判は悪くありません」
「再評価もされています」
「そしてイートン校ではです」
「非常に尊敬されています」
「それがわからないのよね」 
 エイミーは二人の話を聞いて述べた。
「どう見ても馬鹿な王様なのに」
「それは連合から見たからです」
「連合はエウロパの全てを悪としますので」
「どうしてもです」
「そこは仕方ありません」
「連合としては。私もあの王様というか」
 エイミーは二人に自分の考えを述べた。
「エウロパはね」
「その全てが悪である」
「そうお考えですね」
「そうなのよね、もうそれこそね」 
 まさにというのだ。
「邪悪な貴族と愚かな平民しかいない」
「そうお考えですね」
「そうだけれどマウリアから見たら違うのね」
 こう考えて頷くのだった。
「あの王様についても」
「そしてイートン校も」
 セーラがまた言ってきた。
「素晴らしい学校です」
「そうなのね」
「一年間非常に楽しく美しい時間を過ごせました」
「差別されなかった?」
「全く」 
 エイミーに微笑んで答えた。
「ありませんでした」
「貴族共ばかりでしょ」
「マハラジャの家ですと」
「ああ、マハラジャって王様よね」
「藩王ですね」
「王様にもなると」
「はい」
 まさにというのだ。
「貴族の方はどなたもです」
「一目置くのね」
「私は言うならば」
「お姫様ね」
「英語でプリンセスと呼ばれていました」
 文字通りとだ、セーラはエイミーに答えた。
「実際に」
「プリンセス=セーラ?」
「はい」
 まさにと一言で答えた。
「そう呼んでもらいました」
「そうだったのね」
「ですから」 
 それでというのだ。
「差別どころか」
「お姫様として敬意を払われていたのね」
「そもそもマウリアはエウロパの友好国なので」
 そうであるからだというのだ。
「マウリア人は常にです」
「よくしてもらってるの」
「そうなのです」
「あの連中も同盟国にはなのね」
「そうしています」
 まさにというのだ。
「エウロパの方々は」
「あの国も礼節あるのね」
「礼節には厳しい国です」
「貴族もなの」
「むしろ貴族の方々は」
 彼等はというのだ。 
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