八条学園騒動記
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第七百五十八話 偉いと思えるのはその十二
「非常にです」
「礼節に厳しいの」
「平民の方々にもです」
「礼節を守るの」
「無体はです」
平民に対してのそれはというのだ。
「厳しく戒められています」
「法律で?」
「はい」
まさにというのだ。
「エウロパでは」
「そうなの」
「むしろ平民の人達の多少の粗相はです」
「許すのね」
「それも笑って」
「そうしないと駄目なの」
「暴力を振るうなぞ」
そうしたことはというと。
「絶対にです」
「あってはいけないことなの?」
「厳罰に処せられます」
貴族が平民に暴力を振るえばというのだ。
「決闘は許されていますが」
「決闘はいいの」
「決闘は身分に関係なくです」
エウロパではというのだ。
「裁判所が認めてです」
「行われるの」
「はい、ただ決闘は行っても」
それでもとうのだ。
「不正は貴族でもです」
「許されないの」
「絶対に」
「偉い貴族でも?」
「勿論です」
セーラはその通りだと答えた。
「そして作法も決まっています」
「あれか、手袋を投げるな」
ダンは決闘の作法と聞いてすぐに答えた。
「白いな」
「そうです、それを行って」
そうしてというのだ。
「申し込み」
「裁判所が認めてか」
「行われます、ただ決闘で命を落とさない配慮はです」
それはというと。
「行われます」
「そうなのか」
「はい、かつては多くの命が失われましたが」
決闘で、というのだ。
「今はです」
「死なない様に配慮がか」
「為されています、銃での決闘なら防弾チョッキ等をです」
「身に着けてやるのか」
「そうです、連合では決闘はしないですが」
「認められていないな」
ダンはまさにと答えた。
「どの国でも」
「左様ですね」
「決闘を行うとな」
どうしてもというのだ。
「命の危険があるし野蛮で前近代的とな」
「考えられていますね」
「だからな」
連合ではというのだ、実際に連合では決闘はそう考えられていてそのうえで法律で禁止されているのだ。
「認められていない」
「このことも違いますね」
「ああ、しかし貴族も法律にはか」
「従うものです、むしろです」
「法律に従わないとか」
「罪に問われます」
「そうなのだな」
「例え総統でもです」
国家元首でもというのだ。
「法律にはです」
「従うのだな」
「法治国家ですから」
エウロパはというのだ。
「ですから」
「今の総統も貴族だな」
「ギルフォード総統は」
「そうだったな」
「イングランドの侯爵です」
「かなり爵位が高いか」
「はい」
セーラはその通りだと答えた。
「左様です」
「免責特権はないか」
「ありません」
「そうなのだな」
「その免責特権ですが」
セーラはダンが言ったこの言葉について指摘した。
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