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金木犀の許嫁

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第二十三話 里帰りその三

「やっぱり」
「食べたいですね」
「はい」 
 絶対にというのだ。
「私も」
「名物ですからね」
「そうですよね」
「私もです」
 幸雄もというのだ。
「実はです」
「幸雄さんまさか」
「どちらも好きです」
「そうなんですね」
「アイスキャンデーはです」
 北極のそれはというと。
「保存のこともありますが」
「お味もですね」
「好きで」
 それでというのだ。
「是非です」
「大阪に来られたら」
「もうです」
 それこそというのだ。
「食べたくなります」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのだ。
「買いたいです」
「それでここに帰ったら」
「皆さんで」
 五人でというのだ。
「食べましょう」
「それなら」
「思えばです」
 幸雄はさらに言った、彼は優しい微笑みを浮かべている。そのうえで真昼にこんなことを言うのであった。
「大阪は確かに食べものの街ですね」
「食いだおれですね」
「はい」
 真昼もまさにと答えた。
「大阪は」
「それだけあって」
「美味しい名物もですね」
「多いとです」
 その様にというのだ。
「思います」
「そうですね」
「そしてその中にです」
「豚まんやアイスキャンデーもありますね」
「ですから折角大阪に行きますので」
 そうであるからだというのだ。
「帰りに寄りまして」
「その二つを買って」
「そうしてです」 
 そのうえでというのだ。
「帰りまして」
「それから食べますね」
「そうしましょう、ただ」
「ただ?」
「いや、大阪は名物が多いので」
 食べるそれがとだ、幸雄は少し苦笑いになって話した。そうしてそのうえでまた言ったのであった。
「何を食べていいか困りますね」
「一度には食べきれないですね」
「何日か腰を据えて」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「食べるべきですね」
「そうしなければ」
「食べきれないですね」
「それが大阪です」
 食いだおれの街だというのだ。
「千日前や道頓堀だけでなく」
「他の場所もですね」
「賑やかでして」
「美味しい食べものが一杯ですね」
「梅田もです」
 この地域もというのだ。
「あります」
「美味しいお店が」
「ですか何日いえじっくりと大阪に住んで」
「食べ歩いて」
「そうでもしないと」
 そこまでしなければというのだ。 
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