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金木犀の許嫁

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第二十三話 里帰りその二

「そうしたことは」
「そうですか」
「家族ですから」
 それ故にというのだ。
「私もです」
「そうしてくれるんですね」
「はい、ですが」
「ですが?」
「実は運転自体は」
 幸雄は少し申し訳なさそうに話した。
「上手ではないです」
「そうなんですか」
「そこはご了承下さい」
「事故は起こされないですね」 
 真昼はこのことに確認を取った。
「そこは」
「はい、一度もです」
 幸雄はすぐに答えた。
「かすったこともです」
「ないですか」
「ですがどうも」
「自信が、ですか」
「ないです」
 そうだというのだ。
「運転については」
「そうですか」
「ですが事故は今までです」
「起こされていなくて」
「これからもです」
「起こされない様にですか」
「していきます」
 こう言うのだった。
「ですから」
「このことはですね」
「気を付けますので」
「それなら別に」
 真昼は微笑んで答えた。
「いいです」
「そう言って頂けますか」
「事故がないなら」
 それならというのだ。
「もうです」
「それで、ですか」
「いいと思います」
「安全第一ですよね」
 夜空も言ってきた。
「車の運転は」
「やはり」
「それならです」
 そうであるならというのだ。
「本当にです」
「それで、ですか」
「私もです」
 こう幸雄に言うのだった。
「構いません」
「そうですか」
「そしてです」
 夜空にさらに言った。
「お話していた難波の」
「豚まんやアイスキャンデーですね」
「そちらは」
「それはですね」
 幸雄は少し考えてから答えた。
「車ですが」
「あちらまで、ですか」
「行きまして」
 そうしてというのだ。
「一次でも何処かに注射させてもらって」
「寄りますか」
「そうしましょう、やはり豚まんとです」
「アイスキャンデーはですね」
「食べたいですね」
「大阪に戻ったら」
 真昼が是非にと言った。 
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