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オズのエマおばさん

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第八幕その七

「どうやらね」
「裁判になりそうだね」
「あの人は包青天さんよ」
 ドロシーが答えました。
「中国の名裁判官さんよ」
「へえ、やっぱりね」
「裁判官なんだね」
「正しいこと、正しい人の味方で」
 そうであってというのです。
「まやかしは絶対に通じないのよ」
「じゃあ今回もだね」
「正しい裁判をするんだね」
「そうよ、ただこの舞台ではね」
 ドロシーはどうかとお話しました。
「推理ね」
「何か探しているね」
「宮廷でね」
「そもそもオズの国に悪い人はいないから」
 だからだというのです。
「そうそう困ったことにはならないわね」
「裁判所があってもね」
「基本お仕事ないよね」
「弁護士さんも検事さんもね」
 こうした人達もというのです。
「犯罪とか揉めごとが本当に全くと言っていい位ないから」
「暇らしいね」
「他のお仕事をしてばかりみたいだね」
「相談所みたいになってるわ」
 弁護士さんや検事さんのお仕事はというのです。
「それで包青天さんもね」
「オズの国だとだね」
「裁判よりもだね」
「探しものをしたりする」
「そっちのお仕事の方が多いんだ」
「そうなの、包青天さんはむしろ推理でね」
 オズの国ではというのです。
「困っている人達を助けているのよ」
「そうなんだね」
「オズの国ではそうなんだね」
「それでお芝居でもね」 
 今皆が観ている京劇でもというのです。
「観ての通りね」
「推理だね」
「探しものをしているね」
「困っている人に頼まれてね」
「メイクは怖い感じだけれど」
 トトは包青天さんの仮面を観て言いました。
「言っていることと行動はね」
「立派でしょ」
「うん」 
 ドロシーにまさにと答えました。
「立派な人だね」
「だから正しい人正しいことの味方なのよ」
「悪いことはしないんだね」
「外の世界でもそのことで有名でね」
 そうであってというのです。
「オズの国では裁判官としてね」
「働いていて」
「そして探しものをね」
「してくれているんだね」
「そしてその名推理で」
 それで以てというのです。
「必ずね」
「探しものを見付けてくれるんだ」
「そうした人なの」
「こうした人が外の世界に沢山いれば」
 それならとです、教授は言いました。
「いい世の中になるね」
「そうよね」
「とてもね」
 まさにとです、ドロシーにも言います。
「そうなるよ」
「私もそう思うわ」
「若しもだよ」
 教授はこう前置きしてお話しました。 
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