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オズのエマおばさん

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第七幕その九

「チーズもなんて」
「思わなかったわね」
「はい、ですが」 
 それでもというのでした。
「一つ思うことは」
「何かしら」
「バイソンを家畜にしてるのは」
 カルロスはドロシーに言いました。
「外の世界ではないですね」
「ええ、牛の仲間でもね」
「牛とはまた違うので」
「だからね」
 それでというのです。
「外の世界ではね」
「家畜になっていないですね」
「牧場もないでしょ」
「はい、確かに」
「けれどオズの国にはあるのよ」
 こちらにはというのです。
「それもまたね」
「オズの国ならではですね」
「外の世界にはないことがね」
「色々あって」
「バイソンについても同じよ」
「バイソンの牧場がありますね」
「そうなのよ、それでね」
 ドロシーもバイソンのチーズを食べました、そのうえでまた言いました。
「何かとね」
「楽しむんですね」
「そうしましょう、それでね」
 ドロシーはさらに言いました。
「デザートもね」
「楽しむんですね」
「林檎のタルトをね」
「林檎は素敵な果物だよ」 
 ここでもです、林檎が大好きなモジャボロは言いました。
「そのまま食べても美味しいし」
「お菓子にしてもよね」
「美味しいよ」
「それでアップルティーもね」
 この飲みものもというのです。
「出るわよ」
「そうなんだ」
「そちらも好きでしょ」
「大好きだよ」 
 これがモジャボロの返事でした。
「尚更嬉しいよ」
「そうでしょ、だからね」 
 それでというのです。
「そちらもね」
「楽しめばいいね」
「そうよ、それじゃあ」
「うん、楽しむよ」
「アップルティーもね」
 笑顔でお話してです、皆でデザートを楽しんで午後は牧場に行って牛や馬と遊びました。そして羊達も見ましたが。
 おばさんはふとです、おじさんにこんなことを言いました。
「羊もいいわね」
「うん、見ているとね」
 おじさんは羊を見つつ応えました。
「穏やかでね」
「優しい感じがするわね」
「どうもね」 
 おじさんはこうしたことも言いました。
「結構意地悪な羊がいるらしいけれど」
「そうなの」
「人が川辺に立っていたら」
 その時にというのです。
「後ろからどんと頭突きをして」
「川に突き落とすの」
「そうしたことをする羊もいるらしいよ」 
 こうおばさんにお話します。 
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