ウルトラマンメビウス ウルトラ兄弟最大の戦い
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第三話 六番目の戦士、八〇番目の戦士その六
「これで終わりだ!」
そう叫んで飛び上がる。そして兄のそれを彷彿とさせる蹴りを放ち今ババルウ星人を倒した。腹にその蹴りを受けたババルウ星人はゆっくりと後ろに倒れそのまま爆発して死んだのであった。
80はバーミン星人の両手に苦戦していた。左右に振り回すそれの動きを読みきれないでいたのだ。
「ははは、どうしたウルトラマン80よ!」
バーミン星人は勝ち誇るような声を80にかけていた。
「その程度か!ウルトラマンというのは!」
「クッ!」
鎌の様なその手の動きに苦戦していた。かわすのが精一杯であった。
「ならばここで始末してくれる!覚悟しろ!」
「まだだ!」
だがここで80は反撃に出た。バーミン星人の足を払ってきたのだ。
「ウォッ!」
バーミン星人はこれでバランスを崩して倒れる。80はそこで首にパンチを入れる。そこから一旦間合いを離し止めに入った。
「これで!」
全身にオーラを溜めてそれを一気に放つ。ようやく立ち上がったところでその直撃を浴びたバーミン星人は熱エネルギーに包まれて消え去った。これで忽ちのうちに四人の宇宙人が倒れた。
「ぬうう!」
マグマ星人はそれを見て苦渋に満ちた声を漏らす。
「今度は貴様の番だマグマ星人!」
「ほざけウルトラマンレオ!」
だが彼は今は戦おうとはしない。
「俺はここでは倒れぬ!」
「あっ、待て!」
「また会おう!勝負はこれからだ!」
そう言って立ち去る。それを見てバット星人もメビウスに対して言う。両者は既に激しい戦いを経ておりメビウスのカラータイマーは点滅していた。
「さて、ウルトラマンメビウスよ」
「まだ戦うのか?」
「そうしたいのはやまやまだが今残っているのはわしだけになってしまった」
彼は言う。
「これでは戦っても仕方がないというもの。ここは下がろう」
「何っ!?」
「また会おう。ではな」
メビウスに追いすがる暇すら与えずその場から消えた。こうして四人の宇宙人を倒し、残る二人を退けてこの場の戦いは終わったのであった。
「行ったか」
「よりによってマグマ星人を逃がしてしまった」
レオは苦渋に満ちた声でこう述べた。
「済まない。今度こそは」
「いや、それはいい」
だがそんな彼をタロウが宥める。
「今は四体の宇宙人を退けただけでよしとしよう。では一旦人間の姿になろう」
「わかった」
「わかりました」
他のウルトラマン達はタロウに従い人間の姿となった。そこには細面のさわやかな顔立ちの青年と知的な印象の青年、それぞれ二人の青年がいた。
「タロウ教官、お久し振りです」
「あらためて挨拶しよう」
タロウこと東光太郎はミライに対して笑顔を返してこう言った。
「元気そうだな、メビウス」
「はい!おかげさまで」
「そしてはじめまして」
次に80が名乗り出てきた。
「貴方がウルトラマン80ですね」
「そうだ。人としての名前は矢的猛という」
「矢的さんですか」
「そうだ。君はヒビキ=ミライだったな!」
「はい!」
答えるミライの言葉には何の曇りもなかった。
「そしてヒカリ」
「はい」
セリザワとなっているヒカリもそれに応えた。
「君達の話は聞いている。よくやってくれている」
「有り難うございます」
「ところで80」
セリザワが猛に問うてきた。
「どうして地球に。タロウ教官まで」
「理由はレオ達と同じなんだ」
タロウこと光太郎の返答はこうであった。
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