ウルトラマンメビウス ウルトラ兄弟最大の戦い
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第一話 海から来た怪獣その一
ウルトラマンメビウス ウルトラ兄弟最大の戦い
第一話 海から来た怪獣
ウルトラマンが伝説の存在から現実の存在になって暫くの時が経っていた。この時もまたウルトラマンメビウスことヒビノ=ミライは神戸において怪獣が出没したとの報告を受け神戸に来ていた。
「今度は神戸ですか」
「そうだ」
隊長であるサコミズ=シンゴが彼に答えた。ここに来ている面々はこの二人だけであろうか。
「何が出たんですか?」
「どうやら二体らしい」
「二体ですか」
「そうだ、一体はタッコング」
「はい」
「もう一体はまだわからない。だが空から来たらしい」
「空から」
「ミライ、気を着けるんだ」
シンゴはミライを見てこう言った。
「怪獣は一体たりともこの神戸に入れてはならない」
「はい」
「しかも海と空からだ。同時に来た場合は厄介なことになる」
「わかってます。けれど」
彼は二人しかいないことに不安を覚えていたのだ。
「他の皆がいないと」
(いざとなったら変身するしかないか)
「違う、ミライ」
「えっ」
だがここでシンゴの言葉に顔を向けた。
「違うって何が」
「二人だけじゃない。大丈夫だ」
「本当に大丈夫なんですか、隊長!やっぱりリュウさん達がここに来てから」
「何かあったら彼等も来るよ」
「ですが」
だがそう言われても不安を感じているのは確かであった。それは隠しようがなかった。
「今実際に」
「いや、わかる」
彼は言う。
「すぐにな。そして大きな戦いになる」
その言葉は断言であった。
「これまでにない規模の。だから今は二人なのだ」
「はあ」
「御前も私もな。覚悟はしておくのだ」
「とりあえずわかりました」
よくわからないまま答えた。
「じゃあとりあえず僕は海の方を」
「頼むぞ。私は空をあたる」
「お願いします。じゃあ」
「いいか、何かあったらすぐに連絡しろ」
シンゴはこうも言った。
「わかったな」
「わかりました。じゃあ」
二人は別れた。ミライは神戸港に行き海岸線を調べていた。その間ずっとシンゴの言ったことが脳裏に強く残っていた。
「何か隊長は知っているのかな」
ふとそう思った。
「色々と。じゃあ一体何を知っているんだろう」
以前より彼の言動には何かを感じていた。そしてそれについて思うところがあったのだ。
そんなことをあれこれと考えながら調査をしている。不意に水温が上昇してきたのがわかった。
「!?まさか」
それに気付いた時だった。海から何かが姿を現わした。
「あれは!」
「ミライ、そこにいるか」
シンゴから通信が入ってきた。
「隊長!」
「あれはタッコングだ」
「タッコング、かって海から現われて日本を脅かしたという」
「そうだ、奴は火を噴く」
シンゴはそう説明する。海面から丸い巨大な怪獣が姿を現わしこちらに向かって来ていた。
「一人では向かうな、いいな」
「わかってます、けれど」
「ウルトラマンが来るまでだ」
「ウルトラマンが!?」
「そうだ、それまで待つんだ、いいな」
「わかりました、ウルトラマンがですね」
もう一度尋ねた。
「ウルトラマンが来るまで」
「わかったな」
「ええ」
その言葉に頷く。これでミライの心が固まった。
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