ウルトラマンメビウス ウルトラ兄弟最大の戦い
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第一話 海から来た怪獣その二
「よし、それなら」
左手を立てて構える。そしてそれでメビウスブレスを呼び出し右手をクリスタルサークルにかざして起動させた。そしてそれを天に掲げ上げた。
「メビウス!」
そしてウルトラマンメビウスに変身した。赤い光の巨人が今神戸の海に姿を現わしたのであった。
「ジョワッ」
メビウスは声をあげる。そしてタッコングに向かっていく。
タッコングはやはり炎を噴いてきた。だがメビウスはまずはそれをかわした。
「やっぱり隊長の言った通りだ」
シンゴに言われた言葉を思い出していた。
「炎を使ってくる。だが」
それさえわかっていれば問題はなかった。タッコングはその独特の体型のせいかいささか動きが鈍い。メビウスとしてはそれに付け込めばよかった。
海の中で素早く左右に動いてパンチを浴びせる。だがタッコングはかなり皮が厚くあまりダメージは与えられない。
「くっ、動きは鈍いけれど思ったより手強いな」
平然とした様子のタッコングを見て言う。彼はそれに次第に焦りを覚えてきていた。
「けれど!」
ここで勝負に出た。蹴りを繰り出す。しかしそれは何とタッコングの吸盤に捉えられてしまった。
「なっ!」
「ガオオオオオオ!」
そしてそこから海の中に引き摺り込まれようとする。だがそれは必死に踏み止まった。
「駄目だ!海の中ではこいつは!」
それに乗るまいとする。何とか吸盤から足を外し逃れる。
だがまだ海の上にいる。油断は出来ない。引き擦り込むのに失敗したタッコングは再びメビウスの前にやって来た。
「なら・・・・・・勝負だ」
メビウスは腹を括った。まずはタッコングの体当たりを受け止めた。
「ムン!」
それを踏ん張って止める。かなりの力であったがそれを受ける。
そして何とか防ぎきるとそこから反撃に出た。まずは弱い足下を払った。タッコングはその体型からか海から出るとバランスが悪い。それを狙ったのだ。
バランスを崩したタッコングはそのまま倒れる。起き上がったところで既にメビウスは攻撃態勢に入っていた。
「ジョワッ!」
両手を十字に組む。そこからビームを放つ。
メビュームシュートである。ようやく体勢を立て直したタッコングはそれを受けてひとたまりもなかった。それであえなく倒され爆発四散したのであった。
「これで終わりか」
メビウスはタッコングが倒れたのを見てそう思った。だが安心するにはまだ早かった。
何とそこにもう一体の怪獣がやって来たのだ。それはバードンであった。
「空からはこれか!」
「メビウス、そこにいたか!」
「その声は」
彼にとって聞き覚えのある声であった。そして空からもう一人のウルトラマンが姿を現わしたのであった。
「ヒカリ!」
「助けに来たぞ!」
「馬鹿な、御前は宇宙警備隊に入ったんじゃ」
「話は後だ!こいつは俺に任せろ!」
「いいのか、ヒカリ」
「ああ、今の御前は疲れている。だから」
彼はそう言ってバードンに立ち向かっていく。
「こいつは俺がやる」
「手強いぞ、そいつは」
バードンはかってゾフィー、タロウを倒している。メビウス自身も戦い苦戦したことがあるのだ。だからこそそれがよくわかっていた。
だがヒカリは臆してはいなかった。そのままバードンに向かっていく。
「こいつのことはもう知っている」
彼は言う。
「ならば・・・・・・!」
バードンもまた突進して来る。だがヒカリはそれをすぐ目の前でかわしたのであった。
「そこだ!」
そして上からその背中に攻撃を浴びせる。拳を繰り出した。
それは結構なダメージを受けたようであった。バードンは体勢を崩して落ちていく。何とか着地したがそこにヒカリもいた。
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